繰り返しを上手に使って相手から聞き出す方法
書店に並んでいるビジネス啓発書の多くが、話し方や報告の仕方という話をする側の技法について説明してます。それに対するのが聞くということなのですが、まずは相手の話をしっかりと聞くことが大切だと述べているものが多いのが現状です。
しかし、いくらしっかりと聞くといっても、話している方が長くダラダラと話をしているのであれば、途中で聞こうとも思えなくなってしまいます。「つまり、こういうことですよね」とまとめたくてもポイントが抜けていてよく分からないといったこともあります。
このような相手が想定外のことをしたときの対処というものを述べている啓発書はほとんどありません。実際にはイレギュラーなパターンの場合が圧倒的に多いのです。
そこで、今回は会話のなかでなかなか相手の真意をつかみ取れないときに、どうしたらいいのかについて、コミュニケーション塾主宰の今井登茂子さんのアドバイスをもとに考えてみたいと思います。
まず、向き合い、うなづいて受け止めるという「聞く力」でおなじみの基本動作はきちんと守ります。その上で、「繰り返し」のあいづちをうまく利用していきます。この繰り返しのあいづちとは、おうむ返しのすごくシンプルな方法ですごく簡単なので、日常生活でも活用することができると思います。
例えば、相手が気になる期限について話し始めたら「キゲン?」とその単語だけを取り出して疑問形で繰り返します。すると相手も期限について話し始めるので、自分が欲しがっていた期限についての回答を得ることができるようになります。
その他、決めたいこと、話題にしたいこと、そのことについて深く知りたいことがあれば、その単語だけを抽出して疑問形にするだけでその話題に映ることができます。このように、自分にとって必要で関心の高いところだけを繰り返すのです。
繰り返しには相手への共感の気持ちを伝えることができる要素もあるので、「1つ伺ってもよろしいでしょうか」というように、丁寧すぎてしまい会話を中断させてしまうことなく、スムーズに相手へ自分の思いを伝えることができるのです。こうしたほんの少しの気の使い方ができるようになりたいものですね。
【参考】日経Plus1 2010/07/24
話し上手は「相づち」が9割 (宝島社新書) (2007/07) 吉田 たかよし |
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