龍馬伝 第30回「龍馬の秘策」
第3部に入ってもストーリーづくりは変えないようで、龍馬の話+弥太郎の話という構成でできているようです。2部と違うのは武市さんが出てこなくなったということくらいでしょうか。
まずは、弥太郎場面について。弥太郎はこの頃幸せの真っ只中にあって材木とかもすごく売れていて、高知城下に引っ越しができるくらいにまでなります。弥太郎の姿は相変わらず泥臭い感じがするのですが、家庭の中も温かく奥さんや娘もかわいく弥太郎を迎えてくれます。しかし、こんな幸せの場面だけを見せるはずがない、龍馬伝のスタッフ。引っ越した新居で弟も姿を見せ始める頃から、いつものバラエティーシーンが始まります。弟の登場と共に音楽がいつものちゃらけたものに変わり、弥太郎が「ただ、弟もおるがな・・・」と急速に落ち込んでいきます。弟の後は、母上、そして強烈な父上とつながっていきます。その父上との漫才が繰り広げられた後、弥次郎の屁で場面が終了します。三菱財閥の創始者なのにこんな冷遇でいいのでしょうか・・・
そして龍馬自身の話につながっていきます。龍馬は前回いざこざを起こした長州藩の高杉晋作に会うことになり、そこで長州藩の志の強さと高さを感じることになります。長州の藩士は、密かに外国に留学したり偵察したりして、敵を知ろうと行動を起こしていたのです。その結果としてやはり外国を打ち払うという攘夷論を掲げる理由が自分には分かりません。外国の文明が日本より発展していて、清の国の人たちがイギリスなどに利用されている状況を知っていても、外国を打ち払うことができると考えたのでしょうか。ここまで行動できている先進的な考えがあるのであれば、外国と協力して日本の国力を発展させようという龍馬のような考え方になってもいいようなものなのに。
それは今になって始めて考えることなのかもしれませんが、そんな長州は幕府から征伐対象となっていました。長州を征伐して幕府の配下になってしまえば薩摩としては自分たちが下関を行き来するのに制約が掛かってしまい、かつ自分たちも標的にされたときに勝ち目がないと危惧していた西郷に対して、龍馬は長州と手を組めば幕府に勝てると話します。
この機転、行動力は本当にすごいと思います。その前日までカステラの作成で失敗していた集団とはとても思えないほどの発言はどこから思いついたものなのでしょうか。どのように考えた結果の行動だったのか、それをドラマの中でもう少し詳しく教えて欲しかったです。高杉と以前話をした場所で早朝に考え事をしただけの描写で、この結論を展開するのはあまりにも無謀です。
今回のシーンで最も印象的だったのは、脱藩浪士みんなで作ったカステラを試食したときの様子でしょう。ここでの長次郎はもはや「水曜どうでしょう」の大泉洋になっていました。大浦慶にとって食べられそうになりながらも5両を借りてカステラを作ったのですが、残念ながら失敗。その後の龍馬の一言がツボにはまります。
「長次郎、これはいかんぜよ・・・」
完全にバラエティ番組にあった一瞬でした。試行錯誤しながらも、食い扶持をつないでいくことができるのか、薩長の仲を取り持つことで自分たちはどのように活躍することができるのか、龍馬という一個人の活躍だけでなく、操練所のメンバーたちがどう活躍できるかを注視していきたいと思います。
◆龍馬伝紀行◆
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