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龍馬伝 第12回「暗殺指令」

2010/03/23 Category: 2010年_龍馬伝

この題名の真意が分かってくるのは、物語の最後の方の場面になります。この指令には実はいくつかの意味があって、その意味を解説するために前半部分が構成されているといったイメージになります。

まず始めから全く予想外の展開から始まります。武市半平太が立ち上げた土佐勤王党に坂本龍馬は決して入らないだろうなと思っていたのですが、みんなの強い要望に押される形になってその場で血判状にサインを押すことになります。「なんで?」という疑問はやがて、「武市の暴走を抑えるため」という理由によって解消されるのですが、この時はただただ宮迫の暗闇での迫力に圧倒されてしまいました。

しかし、この後に尊皇攘夷を訴える武市は吉田東洋にボコボコにされ、冒頭の吉田東洋の暗殺を企てる結果となります。吉田東洋は下士のなかでくすぶっていた坂本龍馬を取り立てようとするのに対して、日本の将来のためにならないと考える武市を評価しないなど、自分の中にしっかりとした信念があり、土佐や日本のことを彼なりに考えて行動していた重要な人物だったのです。この人について調べてみると、最期にどうなってしまうのか分かってしまいましたが、悲しい限りですね。

その東洋に取り立てられて、少しだけ偉くなったのが岩崎弥太郎でした。相変わらず汚い格好なのですが、警察の仕事をGETしかわいい嫁さんまで得ることができたというのですから驚きです。演技もすごくうまくて最高な香川照之さんなのですが、この人が出てくると何となくコメディの雰囲気を醸し出すところが素敵です。嫁さんをもらってからの浮かれようがまたすごく、そこに蟹江敬三さんの弥次郎による絡みも相まって独特の雰囲気を醸し出している岩崎家に嫁いだ喜勢さんには何か裏がありそうな雰囲気がぷんぷんします。何でもにこやかに接する喜勢ですが、弥太郎本人も見どころで言っているように後にこの真相が明らかになります。

そんな弥太郎に、龍馬暗殺を命じるのが後藤象二郎でした。後藤は東洋がなにかと「坂本、坂本」というのを気に入らなかったらしく、いなくなってしまえばいいという短絡的な考えで弥太郎に命じるのです。先ほどの東洋に対する計画も許されることではありませんが、こちらの単なる私怨での命令はもっと許されません。でもこの人はその後に新しい日本の中枢に入っていくことになるんですよね・・・

最後に少しだけ気になったのが、龍馬が会いに行った長州の久坂玄瑞です。本当にこんな人だったのかどうかわかりませんが、演じるやべきょうすけさんは、「松陰先生」と涙を流しながら叫び続けます。福山さんの明らかに引いている演技は当然ともいえます。たぶん素で出てしまった表現なのかもしれません。

次回は、いつの間にか存在していた第一部が終わるそうで、土佐藩を出るときがやってきます。弥太郎と龍馬の関係など気になるところがまだまだたくさんありますが、どのように土佐を離れていくのか楽しみにしたいと思います。

◆龍馬伝紀行◆
山口県萩市
 -久坂玄瑞生誕地
 -松下村塾

NHK大河ドラマ 龍馬伝 オリジナル・サウンドトラック Vol.1




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