スーパーでの値引きの順序
閉店間際のスーパーではちょっとした戦いが繰り広げられています。店員さんの中でも位の高そうな人が手に持っている「半額」シールの張り先を巡って周囲にたかる客の間に広がる緊張感。フライング気味に商品を手に持ってシールを貼って貰うようにいう人まで現れます。このようなスーパーの値引きがどのタイミングでどの商品に張られているのかについては実はあまり知られていません。ずっと観察していれば分かるのですが、そこまでする人もあまりいないでしょう。
そんな情報を読売新聞で見つけました。値引きのシールの存在意義ですが、ご存じのように賞味期限が当日や翌日である生鮮食品や総菜などを売り切るために張られます。しかし、お店側としてもいたずらに安くするのではなく、少しでも需要があるのなら高く売りたいもの。そこに客と店の心理戦があるのです。
まず、安くなるのが切り身や生カキなどの調理を必要とするもの。始めは10%引きや20%引きという低い値引きで始まります。これらの値引きが始まるのは午後7時前後頃で、夕食の調理をする最後の方の時間になります。お店としてはここで調理を必要とする面倒な食材を売り切らないと需要はガクンと下がってしまうのです。これらの魚介類や肉類は徐々に値引率が上がり、夜になるにつれて半額以上になります。
続いて値引きが始まるのが総菜コーナーです。夕食の1品として手軽に購入する層をうまく取り込み、同じく10%引きや20%引きという低い値引きで始まります。しかし、この総菜コーナーの本当の需要は夕食時や夜ではありません。深夜帰宅のサラリーマンや飲み会帰りの学生などの需要を見込むことができる夜中なのです。スーパーの閉店時間にもよりますが、近所のスーパーは夜中1時まで営業しています。そのスーパーの総菜売り場では、まず安くなるのがおかずになるような一品料理で、その次に弁当などが続きます。弁当が半額程度までなるのは夜の10時頃と閉店の30分前のこと。閉店の1時間前にいっても定価で売られていると多くの人が手を付けようとしません。この他、次の日に持ち越すことができるようなサラダ類や牛乳、パン、切った野菜などは開店直後に割り引かれることも多いので、要チェックです。
このように値引き商品をうまく利用すればかしこく買物をすることができる一方でどうしても買いすぎてしまう傾向にあります。本当に必要なものであるか確認し、当日に使い切れるだけの量を購入するといいと節約アドバイザーの和田由貴さんは言います。ただでさえ賞味期限がぎりぎりで鮮度が落ちている商品を冷凍などで保存することは避けたいものです。また値引き品だけで料理のメニューを考えると選択肢が狭まってしまい結果的に材料費が高く付いてしまう危険性もあるので要注意です。
気がついたら1000円、2000円と買物してしまった時、スーパーの考えにはまってしまったと思いつつも、なんか得をして嬉しい気分になってしまうのが「半額の誘惑」なのかもしれません。
【参考】読売新聞 2010/02/27
「東京のおいしいチョコレート屋さん」掲載の生チョコ(ショコラ・ド・フレ) 28個入り【バレ…
◆関連する記事◆