相手にYesと言わせる交渉術
世の中には数多くの題名にあるような本が売られています。
そのどれもが先人たちが経験則的に築いてきたノウハウがぎっちり詰まっているものばかりで、そういう本を読むたびに自分がまだまだ甘い存在であることを痛感したりします。
考えてみると交渉でも依頼でも、必ず相手がいて成り立つものにおいては、人の「こころ」というものの要素が非常に大きなウェイトを占めます。パターン化された言葉の数珠つなぎだけでは人の心を動かし自分の思い描くような動きを相手はしてくれません。
では、その「こころ」の要素を考慮した交渉とは何でしょうか。それは「受け入れる」ことにあります。自分が相手に対してお願いしたいことがあるのなら、まずはそれと同じくらい相手のお願いや話を聞いてあげ、そして理解してあげることが大切です。もちろん受け入れられないものも多いとは思いますが、それでも始めは理解して聞いてあげ、そして譲歩してあげることによって、相手もそれに対して応えてくれるのです。
今日、とある出来事があって「交渉がうまいな」と感じた一人の人がいました。同じ会社で異なる部署の人なんですが、こちらが数人である説明と依頼事項をするために打ち合わせをしていたときのこと。事前に相手からものすごく注文がつくんだろうな、宿題を数多く頂くだろうと思っていたら、意外とすんなり受け入れて「そちらの状況も分かる」といって理解してくれるではありませんか。こうなると、相手から依頼をされても受けてあげようという気持ちになってしまうものです。
絶対に姿勢を崩すことができないものは意外と少ないものです。松下幸之助もかつてひたすら与え続けることによっていつか見返りはあると言っているように、Give and Takeは必ず1対1ではないことを改めて強く感じます。
仕事で大切なこと (2008/05/10) 松下 幸之助 |
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