地雷で苦しむ人に技術屋としてできること
自分たちが暮らす日本では想像もできないほど、世界に目を向けると紛争が絶え間なく起こっています。そこに暮らす市民達は涙ながらに訴えるのが身の安全です。自分が生きるか死ぬかというの世界は、豊かな生活を求めるという欲求からはあまりにかけ離れています。
そして紛争が終わった後、その土地には多くの地雷が残されています。今でも世界中に1億個を超える対人地雷が埋められ、20分に1人の割合で手足を吹き飛ばされたり命を奪われる被害者が出ているそうです。両手を失った人が外に出られずに家でじっとしている映像などがしばしばテレビで放送されるのを見ると、胸が締め付けられる思いになります。
そんな対人地雷ですが、埋めるのは非常に簡単なのですが除去するのはとんでもないほどの手間と時間がかかるといいます。一つ一つハンドシャベルで取り除いている人たちまでいて、その先には地平線まで見える地雷平原が広がっています。せっかく紛争が終わったのに、住民はその土地に住むことができないのです。
このように世界中のボランティアや政府が頭を抱えている地雷除去に、ひとりの日本人が立ち上がりました。それが山梨日立建機の雨宮清社長です。雨宮さんはアンゴラやカンボジアといった内戦が行われていて地雷が広がっている場所での地雷撤去は、日本の技術屋として貢献できる役目だといい、十分な採算が取れないにもかかわらず自分たちが取り扱っているシャベルカーなどの重機を改造して、地雷除去機を作成しこれらの国に納品してきました。さらに、定期的に機器の状態を確認するため現地に赴き自ら操作をすることによって、機器の状態を確認するのです。もちろん、危険な作業は行わずに現地の人に操作を任せればいいのですが、自ら開発した機器で地雷を除去してみせることによって、現地作業員のモチベーションはより向上するのです。
社会貢献事業ということで利益を求めることが難しいのが現状であり、赤字を本業で埋め合わせしている状況だといいます。こういった社会貢献事業で継続させるべき内容に関しては、政府など公的機関が補助を行い、研究開発費や積極的な買取などサポートをすべきだと思います。
今回、この話を聞いて技術屋として世界で困っている人たちに貢献することは企業としての役目だと改めて感じました。人を幸せにするために技術があるものだと自分は信じています。自分たちが作ったものを多くの人が喜んで使い、笑顔が絶えない世界を作ることに貢献できるのであれば、こんな素晴らしいことはないんじゃないでしょうか。それが生死を賭けている人であればあるほど、貢献することはすごく多いのです。まさに雨宮さんは技術屋としての鏡だと感じます。
【参考】ガイアの夜明け 12月30日
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TBありがとうございます。
先日TVでも状況を紹介しておりましたね。
この企業の想いは崇高です。
日本人の誇りにしていいのではないでしょうか?
他にも水の浄化活動など、いろいろな方々が
貧困国で活動されています。
官僚どもには思いもつかない発想ではないでしょうか?
こういうことをきちんと取り上げて国が支援すべきだと
思うのは我々だけではないと思います。
ワインの溜め込み、日本食の普及などより優先すべき
課題だと考えます。
コメント by hironagano | 2009/01/06 09:55