ドラッグストアはなぜこんなに多いの?
○○薬局というのが街から消えつつあり、代わりにチェーン店のドラッグストアが街中に氾濫するようになりました。ちょっと前まで全然違うお店だったのに、いつの間にかドラッグストアになっています。
ドラッグストアをそのまま日本語訳すると「薬局」、「薬屋」となりますが、もはやコンビニ化してしまっていて日常雑貨から食料品、園芸用品やDIY関係まで売っている状況です。薬の方が売り場面積的には小さかったりするお店もいくつかあったりします。
しかも、街の中に密集してあることが多いのですが、そんなに密集させて本当に利益が上がるんでしょうか。今日行ったドラッグストアは少なくとも全然人が入っていませんでした。ゴールデンウィーク中ということもあるんでしょうが。
少しこのことについて、立地、囲い込み、フットワークの3つの観点から考えてみたいと思います。
まず立地なんですが、半径500mくらい以内にはやはり出店していないんですよね。薬を買いに行こうと遠くまで買い物に出ると言うよりは、コンビニ感覚で歩いてすぐにいける距離というのは、だいたい500mくらいが限度だと思います。その範囲の中である程度の人数(潜在顧客)がいる場所に多いような気がします。
次に囲い込みなんですが、おそらくほとんどの人がドラッグストアのポイントカードを持っていると思います。赤いヤツや黄色いヤツなど、ほとんどのドラッグストアがポイントカードを発行していて、それを持って使うによって、お得感を演出することができます。100円で1ポイント、特定の日にはポイント10倍、など。ポイントはありきたりですが、やはりあるとそこを中心に利用しようという動機になります。
最後にフットワークですが、上にも書いたように、ドラッグストアはコンビニ化しています。もはや薬を買いに行くためにドラッグストアがあるわけではなく、日用品、化粧品、雑貨を買いに行くために存在するプチホームセンターの役割を果たしています。ドラッグストアも人が入らないと思えばきっと早々に撤退するフットワークの軽さを持っているでしょう。なので店舗の作りも非常にお手軽にできているような気がします。
このように、ドラッグストアは一昔前の薬屋さんではなく、ホームセンターなのです。ですから、そこには安さが求められます。客は1円でも高かったり、特売日が少なかったりすれば、不満を持って簡単に近くのホームセンターに行きます。
そういう意味で、非常に厳しい業界といえるのかもしれませんね。
「OTCメディケーション」虎の巻 (日経DI薬局虎の巻シリーズ 5) (日経DI薬局虎の巻シリーズ 5) (2007/12/06) 日経ドラッグインフォメーション |
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