あしたまにあーな

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平清盛 第43回「忠と孝のはざまで」

2012年11月 04日 By: rainbow Category: 2012年_平清盛 No Comments →

今回は、処罰から物語が始まるのですが、改めて思うのは英雄と犯罪人は紙一重であると言うこと。それを強烈に感じさせてくれたのが、成親でした。彼の台詞のなかでもありましたが、どっちつかずで上手く渡っていこうという動乱の世の中では当たり前の行き方をしたにも関わらず、成親はそのすべてが裏目に出てしまい結果として流罪になって、食べ物を与えられず餓死していきます。そのどちらかの動きがうまくいっていれば、彼は歴史上大成功をおさめることができたことでしょう。それがかなわず寂しい結末を迎えることになるのでした。

そして、もうすぐ英雄になろうという2人の源氏も静かに動き出します。頼朝と政子がいい感じになり、時政のもとに結婚の許しを得るために出向きます。時をほぼ同じくして遮那王も常盤のもとに出向き、これから平氏を討とうと決意を新たにします。驚いたのが、その許しを与えるはずだった大人の2人の言動が恐ろしく似通っていたこと。どちらも社会通念上簡単に認めるわけにはいかないもの。なので、はじめは猛反対するのですが、わずか数分で陥落し、快く認めてしまいます。そればかりか、強力なバックアップまでついていて、拍子抜けしてしまいました。

平氏に立ち向かう人を粛正し、息を吹き返しつつある源氏のことを知るよしもない清盛ですが、一番の危機は自らの家族にありました。親子で十分なコミュニケーションが取れないため、それぞれで何を考えているのかわからないというありがちなパターン。たしか、以前の大河ドラマの中で似たようなシチュエーションありました。
自分の父親に対しては「孝」が働き、お守りしている後白河法皇には「忠」が働き、自分は一体どっちにいけばいいのかわからなってしまって、公衆の面前で泣き出してしまいます。じぶんのやりたいことは、立場上ほどんとすることができない以上、信念を持っていてもそれが自分を苦しめることになっているのですが、平氏の棟梁としてはちょっと頼りないと映ったことでしょう。面々のなかには、泣いている人もいましたが。

次回は、この重盛の苦しみを存分に味わうことになりそうです。多分決して楽しい気持ちになって終わることはないでしょうね。このドラマを見た後に月曜日を迎えるのは厳しそうなので、今から盛り上げる方法を考えておいた方が良さそうです。

◆清盛紀行◆
京都府京都市
 - 長楽寺
 - 妙順寺
 - 安徳天皇産湯の井戸

平清盛 第41回「賽の目の行方」

2012年10月 21日 By: rainbow Category: 2012年_平清盛 No Comments →

今回の内容は完全に平清盛と後白河院のそれぞれの静かなる戦いに終始します。直接それをいうことはせずに、あえて賽の目という今まで比喩的に使っていたものを全面に出して話を進めていくのですが、なんとなく上手く機能したのかは微妙な状況となりました。

しかし、それ以外の内容については非常にワクワクするもので内容的には濃かったと感じます。今までナレーションの中でしか表現されてこなかった「平氏の思うままの世の中」があまりしっくり来なかった状況の中で、その状況を打破しようとして次々と反平氏の皆様が登場してきたことによって、しまりのある内容になったからだと思います。

その急先鋒が、後白河院。これまで滋子とラブラブで完全に押さえ込まれていたのですが、開化したかのようにどんどん清盛を追いつめていきます。後白河院は直接バトルを繰り広げていましたが、今回はあまり有効に機能しなかったように感じます。次回も引き続き戦いは続きそうなので、その結果が楽しみです。

その他、今はまだ敵にも見なされていないが、役者としては重要である源氏の皆様。頼朝は政子に出会って少しずつではありますが、「昨日が今日でも・・・・」という自嘲的な気持ちが緩んでいっていて、雪どけはあと2週間くらいでしょう。同様に弁慶に乗せられて表舞台に登場するのではないかと見られている後の義経もあと2週間くらいで元気が出てくるのではないかとみられます。ということは、来週は源氏の皆様以外でもう少し頑張って頂かないといけません。そのためにも後白河院の役目は重要ですね。

こういったどっちに転ぶか分からず、判断を誤った場合にはすぐに命を失うスリリングな状況というのが、大河ドラマとしての醍醐味だと思います。そのあたりの楽しさをここに来て感じることができるのは大河ドラマファンとしては嬉しいところ。次回がいよいよ見逃せなくなってきました。

◆清盛紀行◆
静岡県伊豆の国市
 - 北条氏邸跡
 - 伝 北条政子産湯の井戸
静岡県熱海市
 - 伊豆山神社

平清盛 第13回「祇園闘乱事件」

2012年4月 01日 By: rainbow Category: 2012年_平清盛 No Comments →

今回は清盛が起こした騒動である「祇園闘乱事件」一色となりました。ここまで題名と内容がぴったりと合うのも珍しいことではありますが、それ故終始一つの内容をしっかりと見ることができて満足できるものとなりました。

強訴を当然快く思っていない比叡山延暦寺の僧侶たちは、平氏の中で一番の弱みである兎丸を挑発することによって見事混乱を起こすことに成功します。絶対的なものを背中に背負っていることから、かの白河院も自分の意のままにすることができなかったと言われる僧侶たちですが、清盛たちもまた同じように苦労することになります。

きっかけは些細なことではありましたが、いずれ平氏の存続を揺るがすほどの大きな出来事となっていくのですが、ここでも存在感を見せつけたのが忠盛です。ここぞとばかりに検非違使に被疑となった人々を差し出し、さらに自分と清盛を連れて検非違使で蟄居する選択を即断します。

この中で、普通なら自暴自棄になってしまいそうになる清盛をうまく抑え、効果的な言葉を発します。それは舞子とのなれそめと清盛をなぜ自分の子供としたのかということ、さらに清盛が平氏や世の中にとってなくてはならない人物であることを語ります。この後の清盛はどう感じたのか分かりませんが、最後の場面で非常に効果的であったことがわかります。

平氏をつぶそうとする人は多く、この事件をきっかけにして藤原摂関家の頼長などは、いつものように事実をねちっこく調べ上げて、鳥羽院に直訴します。このいやらしさがあってこそ、困難な状況であることが強調されているのだと思います。そういう意味で頼長も物語の中になくてはならない存在だといえます。

鳥羽院はどのように判断したらいいのか完全に分からなくなってしまい、得子に自分がまだ白河院の亡霊から逃れられていないということを告白します。自分の体に流れる血が白河院を彷彿とさせるというのです。後から考えるとこの出来事や言動がフラグになっていたのだとわかりますが、このときはまだまだそんなことは分かりません。

迷い抜いた鳥羽院は蟄居している忠盛・清盛のいる検非違使に向かいます。そこでの出来事は本当に緊迫したすばらしい描写となりました。

「神輿に矢を放ったのは、わざとか、それとも手違いか?」

この究極の質問に対して、清盛は手にさいころをぎゅっと握りしめて、考え抜いた結果わざとだと述べます。忠盛も静かにそれを見つめています。このあたりの感情は分かりづらく、視聴者にゆだねられているあたりの演出ににくさを感じつつも、自分もまんまとそれに乗ってしまい「忠盛はどう思っているのだろう」と気になって仕方がありません。

さらに鳥羽院は、「ならそのときのように自分をいってみよ」と述べます。ここでも完全に試されている感がありますが、清盛は鳥羽院に弓をいるふりをすることを決断。鳥羽院は自分から白河院の血が吹き出ていると喜びます。

一歩間違えば、平氏そのものの運命が尽きてしまうばくち的な状況下で、見事正解を導いたのは、忠盛曰く「清盛はばくちがうまいな」という一言に尽きるのでしょう。このあたりの様々なフラグが一つの結論にしっかりと収束する美しさを感じずにはいられませんでした。

そういう意味で、今回の内容はしっかりと計算し尽くされた物語であり、用意された敷石を確実に通ることによって、平氏の運の良さを演出することに成功しているのです。次回は家盛が反乱を起こすようですが、なんとなくうまくいかないような気がします。

きっかけの描写もかなり薄いことから、次回でこの反乱も終わってしまうのではないかと予測しています。それがどうなるのか、楽しみにしたいと思います。

◆清盛紀行◆
京都府京都市
 ?祇園女御塚
 ?八坂神社
 ?舞殿
 ?本殿
 ?忠盛灯籠

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