あしたまにあーな

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あしたまにあーな > 長谷川博己


八重の桜 第27回「包囲網を突破せよ」

2013年7月 07日 By: rainbow Category: 2013年_八重の桜 No Comments →

前回に引き続き厳しい戦いを繰り広げる会津の中にあって、今回は冴えた動きをする人が2人ほど登場します。それが八重と大蔵でした。八重は前回に引き続きスペンサー銃を使って確実に敵の兵に命中させていきます。日新館を敵の手に渡らせないように焼き払ったときに、重傷者は自害したという知らせを聞いて改めて憤る八重は、夜襲に出ます。

その際に眼にしたのは目の前にいる負傷した敵でした。その人に向かって至近距離で銃を撃つことに対して、昔両親から言われた「銃は殺生する道具である」という言葉が頭をよぎります。遠くからは「命中」と言いながらガンガン撃っていたのですが、至近距離ではさすがにできなかったようです。

そんな八重の活躍とともに、今回注目を浴びたのが大蔵でした。周囲の中で1人だけ西洋風な軍服を着て、髪の毛もその当時にはないほどのオールバックで、現代人と勘違いしているのではないかと思われる設定なのですが、そんな大蔵は敵に周囲を囲まれている鶴ヶ城に入るために、彼岸獅子を行列の先頭においてその後ろを歩くという奇襲に出ます。

敵兵は「どこの藩だ?」といいながらあっけにとられていますが、明らかに怪しいと思うのは自分だけでしょうか。悠々と登場して城内に入っていくのですから普通に考えたら会津藩の者ではないか、と考えるのではないでしょうか。今回、薩摩や長州のトップの皆様の登場はほとんどなかったので、彼らの指示でスルーさせたという印象は与えずに済みそうですが、結構新政府軍にとってはチョンボだと思います。

その他は、全般的に会津が置かれている厳しい状況を反映するものでした。前回の白虎隊や重臣の自害に続き、今回は中野竹子たちの婦女子隊が敵陣に突っ込んで命を落とします。戦場の少し泥臭い雰囲気とは全く違ったのが黒木メイサでした。ひとりでしっかりとメイクを施し、汚れ一つないまま命を落としていきます。作者としてもなにか思い入れがあって、汚したりはしたくなかったのでしょう。

さて、次回も引き続き戊辰戦争ですが、これまでストッパーの役割を果たしていた頼母が容保から会津を去るように命じられます。この人は会津にとって絶対に必要で、対案を述べてくれる唯一の人だったのですが、非常に残念です。彼が八重に言った「人より強くならないと」という言葉はすごく重みのある言葉だと感じます。人より強くならないと、やりたいことはできない。当たり前なのですがそれが真実。そのために努力が必要だと改めて感じました。

結果はともかく、八重を始め会津の人々がどのようにこの籠城のなかで感じて行動していくのか、それをしっかりと見て行きたいと思います。

◆八重の桜紀行◆
福島県河沼郡会津坂下町
 - 法界寺

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八重の桜 第26回「八重、決戦のとき」

2013年6月 30日 By: rainbow Category: 2013年_八重の桜 No Comments →

とうとう鶴ヶ城内における戦闘が始まります。前回までの圧倒的な戦力を目の当たりにした新政府軍の立場から見ると、旧式の武器を持っている会津へは比較的容易に打ち破ることができるのではないかと見ていました。前回も感じましたが、この辺りは戦時中の日本とアメリカを連想してしまい、思想的に死にものぐるいで戦う会津を日本兵と重ねてしまう場面がいくつもありました。

それは、白虎隊という若者の自決、そして頼母の女性一家の自害。結末はこのように壮絶な最期が待っているものなのかもしれません。その中で、印象的だったのは頼母の妻である千恵の辞世の句でした。女であっても曲がることのない強い思いというものがあるということ、そしてそれは無実でありながら理不尽に攻められなければならない会津の理不尽をそのまま示しているかのような印象を受けました。小さな子供がこれから家族で何が起こるのだろういう無垢な心のまま、亡くなっていく理不尽さに心を痛めるばかりです。

城での攻防は、八重の活躍が光り当初では一気に攻めてこられるはずの新政府軍を完全にとめることに成功します。大山も八重の精度の高い射撃に足をやられてしまいます。そういえば、坂の上の雲で登場する大山巌も足を引きずっていたような気がします。それはこのときにものなのかもしれません。歴史を感じます。

次回以降も次々と会津の皆様はそれぞれの結末を迎えていくことになります。その中で、八重はどのように生き抜いていくのか、その様子をしっかりと見て行きたいと思います。

◆八重の桜紀行◆
福島県亜会津若松市
 - 善龍寺

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八重の桜 第25回「白虎隊出陣」

2013年6月 23日 By: rainbow Category: 2013年_八重の桜 No Comments →

新政府軍の進軍の様子をゆっくりと描き、簡単に倒せるはずの会津に対して色々と苦労している状況が作り出されています。前回までで二本松が破られ完全に孤立状態になってしまった会津に残された道は鶴ヶ城に籠城し、そこまでの経路で敵兵の数を減らす作戦以外にありませんでした。以前に頼母が言っていたように敵の弾が次々と命中するも、自分たちの弾は相手に当たりもしない。そのような現実に、もはや勝ち目はほとんどないと言ってもいいでしょう。

人は戦をする際には、何らかの名目、義を見いだそうとします。新政府軍は会津は賊軍であるとして征伐すると進軍します。しかしよく考えてみると会津の人々はその新政府軍が言っている賊軍とは無縁なのです。会津の人から見ると、完全に自分たちが平和に暮らす場所によそ者が攻め込んできて愛する人々を奪っていく人にしか見えないのです。そのギャップを埋めるのが本来であれば容保や家老の人々なのですが、十分にその責任を果たすことなく、一般の人々に苦労を強いるのがいいことなのかどうか、非常に難しい問題だと思います。

今回特に活躍したのが女性と子供達。容保の補佐役であり戦いには出ないはずだった白虎隊。全員イケメンで一瞬ジャニーズの人々なのではないかと思ってしまう少年たちが、押しくらまんじゅうをしながら会津武士として懸命に戦い抜きます。

さらに、女性達も炊事や洗濯を積極的に行うことで責任を果たそうとする人、薙刀の腕を磨くことで役にたとうとする人、戦いにともに加わろうとする人など、それぞれできることの中で、自分の居場所を追い求めていきます。次回は頼母の妻子たちの壮絶な最期が待っているのですが、戦時中の女性や子供達の姿というものが、今回のドラマの肝なので、しっかりと目に焼き付けたいと思います。

◆八重の桜紀行◆
福島県会津若松市
 - 飯盛山

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