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ゾマホン汗かき奮闘記 続編 青い悪魔を駆逐せよ!

2009年1月 26日 By: rainbow Category: 環境問題 No Comments →

ホテイアオイ

日本から1万4千キロ離れた西アフリカの国ベナン共和国にあるノコエ湖に「アフリカのベネチア」と呼ばれる水上集落ガンビエ村があります。ガンビエ村を含めベナンはここ数年、深刻なゴミ問題が広がっていて水質汚染によって多くの人が命を落としたり伝染病などにおびえる生活をしていました。

そこへ、ベナン共和国出身でビートたけしの付き人であるゾマホン・ルフィンさんが故郷を救おうと立ち上がったのが2008年2月です。フジタの島多義彦さんの力を借り、湖にカキ殻を沈ませ、フジツボなどがかき殻に付着しそれらの働きによって海水が浄化されていきました。住民の意識を少しずつ変えるきっかけを作ったのです。

時は経ち、2009年。ベナンに再び降り立ちノコエ湖を訪れたゾマホンさんがみたノコエ湖は緑一面のじゅうたんが敷き詰められていたのです。それは日本でもおなじみの水草であるホテイアオイでした。このホテイアオイが異常繁殖していたのです。

ホテイアオイによって海水に光が届かず水中の植物が光合成を行うことができないことから、海水内の酸素が欠乏してしまい魚なども生きていくことができなくなってしまいます。また、腐ったホテイアオイが湖底に堆積し、ヘドロ化してしまう恐ろしい植物です。ホテイアオイは5大陸50カ国で自生しており、「青い悪魔」と呼ばれ恐れられているのです。

大発生してしまった原因は、生活排水の垂れ流しによって水が富栄養化してしまい、窒素やリンを栄養源とするホテイアオイに十分な栄養を与えてしまったことがあげられます。ノコエ湖のカキ殻浄化装置がある場所でも、ホテイアオイで一杯になっていて近づけない状況になっていて浄化装置が動作しているかも不安です。水が連続的に流れる場所をはやく作ってあげないと、腐ってしまいよけい水が汚れるといいます。早速ホテイアオイを人海戦術で取り除くことにします。

一日掛けてようやく取り除くことができました。今後は定期的に駆除してかないといけないことを村人は感じ取ったようです。取り除いたホテイアオイは、再び船に積み込んで畑の肥料にしている村人からは芽生え始めたリサイクルの考え方が見て取れます。

しかし、ベナンのゴミ問題はまだ氷山の一角です。ノコエ湖が大西洋へと注ぐ場所は未だにゴミの山になっていました。上流から流れてくるゴミがすべてここに集まるのです。ゾマホンさんはこのゴミ問題へと立ち向かいます。

ゾマホンさんが日本から持ち込んだ技術は「廃プラスチック油化装置」です。これは、プラスチックを熱分解し、溶けて気化したものを再度冷やして燃料を作りだす装置で、ビニールなどのプラスチック製品を装置に入れるだけで、石油やガソリンを生成することができる魔法の装置です。この装置を開発した株式会社ブレストの伊東昭典社長と共に、早速ベナンで実演を実施します。

実演では、ベナンの人が持ち込んだゴミを装置に投入し1時間経ってできたガソリンで船を動かし、その利用価値の高さをベナンの人に示すことができたのです。ブレストが作ったBlester?1という装置は、100kgの廃プラスチックゴミを90kgの油にすることができるそうで、日本でも今後積極的に利用すべきすばらしい商品です。

このように工夫次第でゴミは再利用することができるのです。ゾマホンさんは日本の人はこういう装置でゴミを減らす努力をしているとベナンの人に紹介しています。その言葉に恥じないように、プラスチックゴミを再生させさらにそれを利用する仕組みを構築することが大切だと思います。日本でも、ゴミ問題について生成したガソリンを買い取ってくれたり、装置の購入に大幅な補助を行政が行うといった方法など、手を打つことができるものはまだまだあるのではないでしょうか。

【参考】素敵な宇宙船地球号 1月25日


エコなお箸 パピルスティック

下町ノラ猫事件簿

2009年1月 18日 By: rainbow Category: 環境問題 No Comments →

野良猫

昔は「なめ猫ブーム」、今ではYoutubeで盛り上がりを見せた「ねこ鍋ブーム」によって、猫のかわいさがクローズアップされ代表的な人気ペットの一つとなっています。台東区にある谷中銀座商店街の理事長である堀切さんは、猫によって商店街の客が3割から5割は増えたとホクホク顔です。

しかし、そんな人気の裏に隠された影の姿としてノラ猫による様々な被害が顕著になってきているのです。例えば、猫に朝を上げる人たちの増加によってそのえさを狙うカラスまで増加させてしまったり、猫そのもののふん尿による悪臭などによって地域住民が大変な被害を被っているのです。

住民の声に応えるため、荒川区では「餌やり禁止条例」を制定しました。本来の意図としては餌やりそのものではなく、無責任な餌やりによって環境を著しく悪化させる行為を禁止しているのだと区の担当者は言いますが、餌やりによって被害が出ている現状を考えると、事実上は餌やりそのものを禁止しているといってもいいでしょう。

このように問題になっている野良猫とうまく付き合っていく方法はないのでしょうか。その問題に対して、必死に取り組みを行っている人たちがいます。それは、地域猫として世話をする人たちです。地域猫とは、人間の都合で捨てられた猫を世話しようとするもので、哀れなネコを助けたいと始まった活動の一つです。えさ代などは自分たちで負担をしている等、活動上負担になることは多いのですが、現在もなお、多くの人たちが必死に活動を行っています。

そんな活動をしている会として、「荒川区地域猫の会」や「ニャオニャオ助ける会」などがあります。彼らは、小さくてちっちゃいものを助ける気持ちを忘れていけないと我々に訴えます。野良猫と上手に付き合っていく方法にどのようなものがあるのでしょうか。それを以下にまとめます。

■野良猫対策
1.不妊治療、去勢対策
メスとしては発情のストレスもなくなり、オス同志のケンカもなくなるのでメリットがあります。

2.追っ払うこと
少し面倒ではありますが、一番効果的だといえます。人間が猫を追っ払うことによって、猫は自分の生きていける場所を自分で探すために、他の場所を探すのです。都会の猫は特にそのような能力を持っています。

3.ふん尿被害を軽減するトイレ作り
ふんや尿をする場所をあらかじめ与えることによって、それ以外の場所での被害を最小限にとどめるのです。

実は猫も自分たちで人間に迷惑を掛けようとしているだけでなく、様々な努力をしているのです。例えば、都会での猫もねずみを駆除しようとパトロールをしていたり、猫の集会を行い不要な争いを裂け猫同志がお互いに共存するための大切なしきたりを行っていたりします。

自分では満足にえさを取ることもできない飼い猫。経済的な理由で手放されなければならなかった悲しい猫も、寒空の中で生まれたちびも、みんな幸せに生きたいんですよね。不幸な猫を作り出すのも、また救えるのもまた人間なのです。どうやってこの問題を解決していけるか、まさに人間が試されているのかもしれません。

【参考】素敵な宇宙船地球号 1月18日


野良猫の気持ちを考える絵本


野良猫を傷つけず追い払うジェル

「フリーガン」に学ぶ”モッタイナイ”精神

2009年1月 12日 By: rainbow Category: 環境問題 No Comments →

アメリカはニューヨーク。そのスーパーでは多くの商品が並べられた陳列棚があり、見栄えをよくするために実際に売れる量以上の商品を並べています。ということは当然そのうち何割かは捨てられてしまうことになるのです。その店から捨てられた商品のゴミを拾いに来る人たちがいます。彼らは決してホームレスではなく普通の生活を送っている人々です。

その彼らが「フリーガン」と呼ばれる人々です。そのフリーガンというユニークなライフスタイルをおくる人々が注目を浴びています。フリーガンとは、フリー(自由)とビーガン(菜食主義)を重ねた造語で90年代にシアトルなどで始まった活動のことで、その活動を行う人は徐々に拡大を続けています。フリーガンは、まだ食べられる食品を拾う活動の他にも、捨てられている自転車なども再利用する活動を行っています。

彼らフリーガンがゴミの中から次々と取り出すのは、まだ食べられるのにスーパーなどで捨てられてしまった食品の数々です。それらの商品は見た目の劣化と共にアメリカならではの事情がそこにはあります。アメリカは訴訟が多い国として有名で、仮にお店で再利用した商品によって健康被害が生じてしまった場合には店側が訴えられてしまう危険性をもっているのです。そのことから、店としてはリスクのある商品は皆捨ててしまわないといけません。このように廃棄されてしまった食品はアメリカ全土で年間4000万トンにも及び、深刻な社会問題となりつつあります。

こういった問題に立ち向かうべくフリーガンは立ち上がったのですが、彼らにも立派なルールがあり、それを確実に守りながら活動を進めています。以下にそのルールを示します。

・ルール1
  安全と衛生管理のため、賞味期限内の包装された食品だけを持って帰ること
・ルール2:
  食品を収集した後はゴミ袋を必ずもとの場所へと戻すこと

これらのルールを守りながら市民権を得ようとしてるフリーガンですが、まだまだ世間の理解を得ているとは言えない現状があります。フリーガンの存在が有名になるにつれ、お店側もゴミ置き場に鍵をかけるなど、阻止しようとする動きが広がってきています。また、ゴミを持ち帰ることを違法として扱うところもあり、十分に広がらない要因は数多くあります。周囲にフリーガンであることを話すと、軽蔑の目で見られてしまう現状ですが、次第に市民からの理解が得られるように、フリーガンの人々も日々努力をしているのです。

近年、こういった食糧問題について多くの場所で取り組みが始まりました。その一つとして、「スープキッチン」と呼ばれる教会でのイベントが挙げられます。また、ビル・エマーソン食糧寄付法という法律も施行されています。これは、寄付したもので健康上問題が発生してもゴミの出し元に責任を問わないという画期的なもので、今後広がりが期待されています。ドギーバッグという食べ残しを減らすために持ち帰れるような容器を提供するサービスを始めるレストランもあり、人々の食糧を大切にする考えは徐々に草の根レベルで広がりつつあるのです。

日本に目を向けてみると、ニューヨークで同じようなことをすると法律や条例など様々な問題があるのですが、食糧への危機であることには変わりありません。日本では、1年間に消費される食品が約3000万トンあり、そのうち1900万トンが廃棄されているという驚くべき調査結果がでているのです。1900万トンのうち、家庭から排出されるゴミは1100万トンで、企業から出るゴミの量800万トンを大きく上回っています。

京都にある南部クリーンセンターでは、家庭ごみ組成調査で家庭から出るゴミの組成を調べています。その結果、生ゴミ300世帯分のうち、食べ残しの量が4割で手つかずの食品が1割もあったというのです。センターの方は食に対するありがたみが薄れてきてしまっていると嘆きます。

日本から生まれ今や世界共通語とかしつつある「モッタイナイ」。この言葉を使っていた日本は既に過去のこととなっています。アメリカ以上の浪費国家となってしまった日本は自給率が半分もないのです。外国に頼っている身でありながら、その食糧を捨ててしまうのはあまりにも悲しすぎるのではないでしょうか。大切なのはきちんと最後まで責任を持って使うこと。今一度自分も含めて、大切に食べる気持ちを思い出したいと思います。

【参考】素敵な宇宙船地球号 1月11日

エコロなココロ―地球と「私」にやさしい家事改革のススメ エコロなココロ―地球と「私」にやさしい家事改革のススメ
(2001/11)
赤星 たみこ

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