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ケータイがゴリラを救う

2009年3月 31日 By: rainbow Category: 環境問題 No Comments →

ゴリラ

赤道直下にあるアフリカのルワンダには豊かな密林が広がっています。その密林に分け入るのは欧米から来た観光客。彼らの目当てはマウンテンゴリラです。野生のマウンテンゴリラが700頭ほど生息していて、間近で見ることができるのは世界でもこの場所だけとあって、年間4万人以上の見学者が訪れます。ゴリラに近づけるのは7mの距離までと決められているのですが、じっとしていれば向こうから近づいていることもあります。このゴリラ観光は午前中の1時間だけにも関わらず一人5万円もします。見学者はこれで貴重な体験ができるなら安いものだと喜んでいるのですから、いかに価値があるものかがわかります。

このルワンダも森を一躍有名にしたのが、ダイアン・フォッシー博士です。しかし1985年、彼女はこの森で何者かに殺されてしまいました。密猟者によるものだといわれるように、この森には今も子供のゴリラを中心に密漁が後を絶えない状況が続いています。密漁を防ぐべく監視レンジャーたちがいつも森をパトロールしています。その監視レンジャーの一人であるフランソワさん。彼の生活を劇的に変えたのが1台の携帯電話でした。そこで携帯電話が人々の生活にどのように変化をもたらしたのか、そしてその携帯電話が森に住むゴリラをどのように守っているのかを紹介します。

■ビレッジフォン・プロジェクトとは
首都キガリにある携帯電話会社「MTNルワンダ」では、数年前から貧しい人に携帯を普及させるプロジェクトを発足させました。それは、ビレッジフォン・プロジェクト(村の電話)と呼ばれています。このプロジェクトの概要は以下の通り。

?人々は、無担保でお金を借りることができる
?借りたお金で携帯を購入する。値段は給料2ヶ月分程度
?携帯事業者は全国どこでも携帯電話を使えるようにネットワークを張り巡らせる

ケータイによって貧しさから脱出できると担当者は説明しています。

■生活が激変するケータイ
とある村の一人の女性は携帯電話を使うことによって、これまで業者から安値で買いたたかれていたトウモロコシの現在の相場情報を入手することができるようになり、その結果適正な価格でトウモロコシを売ることができるようになりました。これによって収入は劇的に増加したのです。

他の村のビレッジフォンは、公衆電話として使われていました。毎日80人程度の利用者が訪れ携帯電話で話をします。ビレッジフォンの所有者は20歳の青年なのですが、ビレッジフォンで儲けるつもりはありません。そこにはひとつの秘密がありました。

ルワンダの村の共通点は多くの子供が孤児であること。1990年から1994年にかけておこった内戦で、100日間でおよそ100万人が虐殺された過去があります。その結果、今でも貧困に喘ぐ人々や孤児がたくさんいるのです。青年はこういった人たちの生活を少しでもよくしようと奮闘し資産家から寄付金の交渉を行い資金を集め、この資金によって子供達の最低限の文房具を取りそろる努力をしているのです。

このようにケータイを使って、様々な情報を入手することができ、それによって村の生活は少しずつ豊かになりつつあります。1台のケータイは貧しい村を変えようとしていました。

■ケータイはゴリラ保護へ
このケータイがゴリラの保護にも一役買っていました。早速携帯を利用して保護活動を開始します。こんな森の中でも電波が入ります。監視レンジャーは日々の監視状況を国立公園を管理する本部に電話します。その情報を本部は集約し、不審な情報を得るとそこへ監視レンジャーの多くを投入し事態を収束させるのです。今やゴリラは携帯ネットワークによって守られているのです。

■ケータイが抱える新たな問題
これで安心と思いきや、今もゴリラは殺され続けています。なぜでしょうか。皮肉なことにそれは救世主となるはずのケータイが原因だったのです。

国際ゴリラ保護計画のオーガスチン・バサボゼさんは見せてくれたのが、手がもげてしまったゴリラでした。多くのゴリラがコルタンのせいで殺されているのです。このコルタン(製品名はタンタル)の埋蔵量のおよそ80%がコンゴにあるといわれています。精製されると高値で売られそれが携帯の基盤にも使われます。貧しい人々がコルタンを得ようと森の木を伐採するなどし、ゴリラの住む環境を破壊しているという事実があるのです。

森を守る方が将来子供にとっても利益のある仕事になると監視レンジャーのフランソワさん村人へ訴えます。奪うよりも守ることを選ぶことは自分たちを守ることにもつながるとフランソワさん。目先の暮らしで頭がいっぱいな村人にフランソワさんは、連邦の公園事務所と掛け合い森を守る仕事を引き受けました。少しずつ努力は実を結びつつあります。

自分たちにできることは何かないでしょうか、まずできることとして、コルタンの消費を抑えることが挙げられます。そのためには自分たちが使っている携帯電話を大切に使い続けることが大切です。リサイクル網を整備することも大切でしょう。携帯電話のリサイクル率は、現在20%程度。それを最低でも50%に引き上げてあげることによって、新規に掘り起さなければならない量を抑えることができるでしょう。このような地道な努力はゴリラを守ることにもつながるのです。

【参考】素敵な宇宙船地球号 3月29日


TVで紹介【エコグッズ/ecoグッズ/リサイクル雑貨】【携帯ホルダー&携帯ケース】ZEROリユースタ…

世界初!超低空の流氷

2009年3月 23日 By: rainbow Category: 環境問題 No Comments →

流氷

見慣れている風景も鳥の視線から見ると少し違うことを以前、東京という街を撮影したフランス人エア・フォトグラファーであるヤン・アルテュス・ベルトランさんから教わりました。いつもの風景なんですがそこには自分たちが見たことない違った側面を持っていて、それは実に美しいのです。

そんな空から見た地球のすばらしさの虜になった一人の日本人がいます。それがエア・フォトグラファーの多胡光純さん、34歳です。多胡さんはタクラマカン砂漠で一気に高度を上げたときに目の前に広がってきたのがどこまでも続く砂の海に感動し、その後被写体を求めて世界中を飛び回りました。アメリカのツィンギ、モンゴルの大平原、マダガスカルのバオバブ並木などこれまでに撮影した場所は100箇所にのぼります。

多胡さんは、大学時代は探検部に所属しその後写真撮影に目覚めカナダへ行ったときのこと。何気なく登った丘に心打たれたそうです。目の前に広がる風景、その瞬間を写真に撮りたいと強く願うようになったのが、エア・フォトグラファーになろうと思ったきっかけでした。

そんな多胡さんが次に目標に掲げたのが、北海道の知床半島に接岸する流氷を超低空で撮影することでした。実は知床の秋の風景を撮影していた多胡さんは、地元の方に知床の本当の姿は冬にあると教えられ、いつしかその映像を撮りたいと願うようになったそうです。

モーターパラグライダーは、200ccの排気量で満タンにして約2時間の飛行が可能です。平均時速は約30kmで、風速3m以下でないとカメラが揺れてしまい絵にならないため、撮影できない繊細な職人技が求められます。

何日も知床の天気が良くなる日を待ちながら、とうとう絶好の日がやってきます。多胡さんは満を持して大空へ飛び立ちます。映像は、流氷というこれまでのイメージを根底から覆すほどの迫力で、眼前に迫ってくるものでした。見ている自分もこれまで「静」というイメージがあった流氷が、激しくぶつかり合い大きなうねりを伴って迫ってくる「動」を感じ、しばし見入ってしまうほどの映像です。

帰ってきた多胡さんの第一声は「言葉にならない」でした。さらに「まず飲込まれそうになった。一つとして同じ形がない氷が知床に来ていることが分かった」と興奮を隠しきれません。

今年2009年の流氷接岸は2月19日。過去2番目に遅くやってきた流氷は、年々その量も減っているといいます。同じ流氷がこの先、みられるとも限らないのです。今地球がどうなっているんだろうということを記録したい、それを見て欲しい、感じて欲しい、それが何かの芽になればいい、何かのきっかけになればいいと多胡さんは話します。

自分たちは、この素敵な流氷の姿を後世の人々にも伝え、そして守っていく必要があるんですよね。そのことを多胡さんは映像を通して伝えているのかもしれません。それは、直接伝えるのではなく、今ここにある地球が、日本が素晴らしいんだということを伝えることにとって自分たちに理解させるという最高の形で。

多胡さんはすでに次の目標に向かって走っています。それは山形・蔵王で樹氷を撮影すること。多胡さんの挑戦はこれからも続きます。

【参考】素敵な宇宙船地球号 3月22日

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ベトナム発ドブ川再生大作戦

2009年3月 16日 By: rainbow Category: 環境問題 No Comments →

水質浄化プロジェクト

日本からおよそ3600km離れたベトナム社会主義共和国

その首都ハノイは急激な経済発展に伴い、その人口はここ10年で2倍以上にも増加しています。人が多くなってくると社会問題として発生しやすいのがゴミ問題です。以前このブログでも紹介させていただきましたが、シンガポールやセブ島、ベナン共和国などでは、人々が捨てるゴミが街中を覆い尽くし、景観を悪くするだけでなく多くの疫病の発生源となってしまう危険性もあるのです。

ハノイでも同様の事象が発生していて、ここ数十年ゴミ集めに来たことがないといった申告や、洗い物などの生活排水がそのまま流れていて強烈な悪臭が辺りに漂う状況に陥ってしまっています。

そこで、2人の名人を中心にハノイの川を再生させるプロジェクトを発足させました。一人目は、NPO法人とよあしはらの事務局長である山本裕隆さん、彼は以前木炭入りの筏作りを提案し、その上で葦などの植物を自生させることによって、水を浄化する施策の立案者です。もう一人は、NPO法人印旛野菜いかだの会の理事長である美島康男さん。早速彼らはハノイに向かいます。

トーリック川に注ぐ名もない川が今回のプロジェクトの場所です。この川で浄化の方法を模索し今後の可能性を探る実験を行うことを目的とします。現状調査としてまず行ったのが水の透明度調査です。その結果9.5cmとものすごく悪い結果となりました。さらに深刻なのがリンの濃度です。リンは生活排水に含まれ、川の富栄養化を促進してしまう物質の一つです。

早速プロジェクト開始です。まず美島さんが目を付けたのが街の食堂にあった空心菜。最近日本でもよく食べられる食品です。美島さんは千葉県印旛沼を空心菜を使ってきれいにしていたのです。空心菜を筏に乗せて栽培すると、林野有機物の汚れを根っこから吸い上げてくれるのです。

一方山本さんは、トーリック川に入り川底から大量のメタンガスが吹き出してくるのも構わず調査を続けます。辺りには変な人を見るかのような住民がいるのですが、一緒になって川をきれいにしようという気持ちが大切だと山本さんは語ります。そこで、山本さんが訪ねたのは近くの小学校。子供たちに川の大切さを教えて欲しいと訴えます。ゴミを捨てる人がいたとしても、それを拾っている姿を見せることによって段々と捨てる人は少なくなってくるといいます。

ベトナムの人は花が大好きであることを山本さんは感じていました。うまくこういた花を浮島に飾り付け、その他葦なども植え付けて、川へと投入するときがやってきました。美島さんの空心菜のいかだも川に浮いています。

ベトナム環境省の人も定期的にメンテナンスしてくれています。住民たちが一致団結して川をきれいにしようとする気持ちが、水の都ハノイを復活させる第一歩なのです。その試みが今始まろうとしています。

【参考】素敵な宇宙船地球号 3月15日


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