あしたまにあーな

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メイドイン銀座の米作り

2008年9月 29日 By: rainbow Category: 環境問題 No Comments →

ここは銀座の中心部。

紙パルプ会館の屋上には10万匹ものミツバチがいます。これは、銀座ミツバチプロジェクトによるもので、今年もミツバチたちは元気に銀座を飛び回っています。昨年は、430キロものハチミツをあつめることができました。

2007年に立ち上げた銀座グリーンプロジェクトは2年目を迎えました。初めての年は、銀座松屋の屋上を屋上緑化の達人である眞崎建次さんが開発した特別な土のおかげで、たった10cmの土でも大規模な農作物の耕作が可能となり、その結果多くの作物を収穫することができました。

今年は、清酒会社の白鶴酒造が新たに銀座グリーンプロジェクトに加わることになり、60?70平方メートルの田んぼを屋上に作れないかという話を眞?さんに持ちかけました。

白鶴酒造の責任者は、小田朝水さん。

昨年、銀座酒造りを副社長から指示を受け、米造りをプランターで成功させ、銀座白鶴錦で40リットルのお酒を造りました。今年はその倍を作る夢を持っています。

田んぼを作るのに使用する土は、ルーフソイルといって酸素の含有量が多いのが特徴です。根が通常のおよそ1.5倍増加するため10センチの土でも立派な田んぼができるのです。

銀座における屋上緑化は、8年間で1.3倍にしか増えていないのが現状です。それはなかなかスペースがないためなんですが、それでも住民の方が街路にある花壇を一生懸命お世話をしてくれていて、地道ではありますが緑が生い茂っています。

銀座で屋上緑化が可能な場所が全て緑で覆われれば、気温が最大2度下がると言われています。さらに芝生よりも田んぼや野菜畑の方がヒートアイランドを抑えられると言います。それは気化熱が多く日陰も多いため、芝生よりも冷却効果が高いためで、芝生よりも3度も低くなるのです。

白鶴酒造の屋上にある田んぼでは、イチモンジセセリの幼虫も稲穂に住み着き始めました。稲穂に害を与えるのですが、無農薬栽培の田んぼにはよく発生するそうです。東京農業大学の先生によると、このイチモンジセセリの幼虫によって、今後ビルの屋上を中心とした生態系がもっともっと豊になるかもしれないと期待を寄せています。幼虫は、地道に取り除くしかなさそうです。

2008年9月。白鶴酒造の屋上にはコメの花が満開です。ミツバチたちも大忙しです。これから収穫となるわけですが、豊作になるにせよ、そうでないにせよ、銀座の街がこうやって少しずつ緑のジュータンに包まれ、少しずつ冷えていくのであれば、それはすごく素敵なことだと思います。

白鶴酒造にとっても、屋上で取れる白鶴錦の量以上の価値を得ることができるのです。他の企業も、このことから生産性だけで追い求めるのではなく、それ以上に得ることができる大きなものを重要視し、グリーンプロジェクトに参加して欲しいですね。

【参考】素敵な宇宙船地球号 9月28日

 

シベリア悲しみのチュクチ族

2008年9月 22日 By: rainbow Category: 環境問題 No Comments →

ロシアの極東に広がるシベリア。

近年はガス油田開発などで注目を浴びている場所で、氷の世界が広がっているのですが、夏には豊かな自然と緑の森が広がっています。

地下数十メートルまで氷結した大地は、地球の陸地の14%を占めており、その約半分がここシベリアにあると言われています。

しかし、近年この永久凍土の氷が溶ける速度が異常なほどのスピードで進んでいるというのです。溶けてしまった土地からは絶え間なく小さな小川が流れ出ていて、ぬかるみができています。さらに進んでしまった土地では、でこぼこの草原になってしまい、もはや人が足を踏み入れることができないような場所になってしまっています。

ロシア科学アカデミーのセルゲイ・ジーモフ博士は、「このままではシベリア全土の凍土が溶けてしまう危険がある」と警告します。

ところが、皮肉な事に永久凍土の融解はシベリアに思わぬ宝をもたらしていたのです。それは氷の中に閉じこめられたマンモスの死骸です。ワシントン条約で取引が禁止されている象牙代わりに、マンモスの牙が今、実に高値で売れているのです。高価なものになると、1キロ3万円程度で取引されているそうです。

古くからこの土地で遊牧生活をしてきたチュクチ族の人々の中にも、簡単に大金を手に入れられるため、マンモスの牙を探す仕事に転職してしまった人々が多くいます。そんな彼らは、厳しい遊牧生活にはもう戻ることができないといいます。

これまで通り遊牧生活を続けるチュクチ族にも温暖化の影を落とす出来事が顕在化してきました。近年トナカイが涼しい北から南へと移動しなくなってしまったのです。遊牧しなければ、草の偏りや人々の生活も脅かされてしまいます。

セルゲイ・ジーモフ博士によると、永久凍土の融解によって今後さらなる問題が勃発するとしています。一つは、1980年根絶宣言されている天然痘が復活する可能性があるということ。

そしてもう一つが、大量に吹き出し始めたメタンガスです。メタンガスはを地球温暖化ガスのダ偉業である二酸化炭素よりも20倍以上もの威力を持っています。これがシベリアの永久凍土から一斉に吹き出してしまったら、平均気温は一気に上昇するでしょう。

変わりゆくシベリアで、変わらぬものを守り続けている部族と、変わらざるを得ない環境。温暖化はここシベリアの古の生活をも変えてしまうと共に、人々の考え方も変え手閉まったのかもしれません。

【参考】素敵な宇宙船地球号 9月21日


極寒地、シベリアからの恵み。
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空から地球を記録する男

2008年9月 15日 By: rainbow Category: 環境問題 No Comments →

ヤン・アルテュベルトラン。

62歳になる彼は、世界でも有名な環境航空写真家です。「人類と自然の共存」をテーマに世界の隅々を記録した作品は10万点を超えます。

ヤンさんの作品が来年「HOME」という映画として公開されます。ヤンさんの写真は、そのどれもがメッセージを持っており、世界中の人々がそのメッセージに心を揺さぶらされ、そして地球環境の危機感を改めて感じるのです。現在、ヤンさんの作品は34カ国で特別番組として放送されています。

熱気球から見た壮大なサバンナに心を突き動かされたのがきっかけで、それ以来世界中の空から撮ってきた写真は既に100万点を超えています。

アフリカでは、人間と動物の共存を実現する上での大きなほころびを映し出してきました。

ヨルダンの首都アンマンでは、現在民族紛争以外にかかえている大きな問題、水不足を映し出してきました。アンマンでは給水車から購入し、水が必要な洗濯や掃除は週1回という状況に陥っています。同じ砂漠地帯であるはずのラスベガスではエンターテイメントとして大量の水を浪費しているのです。

フランスの海では、サークル状の養殖場で発生している食料危機の問題を表現しています。1?の魚を養殖するのに天然の魚を4?えさにするという大きな矛盾にメスを入れたのです。

世界最大の銅鉱山では、1トンを掘り起こして出てくる銅はたったの6kgをいう現実を突きつけます。自分たちの生活を守るために、地球に大きな爪痕を残しているのです・

地球の今と昔が全く違うことを伝えること、それが仕事だとヤンさんは語ります。

そんなヤンさんの映画のシーンとして東京も入れたいとして、先日来日しました。高層ビルが立ち並ぶ大都市の人々が暮らすその姿を象徴的に取りたいということで、早速ヘリコプターをチャーターし、東京、横浜の上空を映し出し始めます。

ヤンさんの写真の哲学、それは「ディテールに神様はいる」

その言葉が示す様に映像の細部にまでこだわります。パイロットと、撮影者の気持ちがシンクロして初めていい写真を撮ることができるというのです。

まず、ヤンさんが気に入った場所は横浜の大黒ふ頭です。世界一美しいインターチェンジと評し、輸出用の車が整然と並んでいる港もいっしょに写します。

次に訪れたのは、東京・築地市場。ヤンさんはマグロのセリ場が気になるそうです。マグロが世界中の海で乱獲されている事実に心を痛めていて、ここはまるでマグロの死体置き場だと嘆きます。このままとり続ければ、いずれ世界の海からマグロがなくなってしまうと不安視しているのです。

現場の人たちに話を伺うと、彼らは、獲りすぎはアメリカなどで行われている巻き網漁のほうが影響が大きいと言います。アメリカなどでは食用というよりもキャットフードなどで使われているそうです。日本ではマグロは生活に深く根付いている文化なので、難しい問題ではあります。

そして最後にヤンさんが訪れたのは、日没寸前の渋谷のスクランブル交差点上空です。信号が変わる度にこれほどの人がわたる交差点は、世界中にここしかいないとヤンさんは言います。

ここは自分が望む世界とは正反対で、消費国家日本の象徴だということでこの街を選んだそうです。20年後、この街の姿は確実に変わっているでしょうとヤンさんは警告します。

本当にそうなっているのかどうかが分りませんが、世界中で起こっている状況を客観的に見つめることができるヤンさんの警告から、自分たちが何をすることができるのかを改めて考え、そして行動しているんだということを世界中の人たちに訴えていき、さらにその動きを世界レベルまで広げていくことが大切だと思います。

来年公開の映画「HOME」に注目しましょう。

【参考】素敵な宇宙船地球号 9月15日

空から見た地球―21世紀への遺産 空から見た地球―21世紀への遺産
(2000/02)
ヤン アルテュベルトラン

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