あしたまにあーな

毎日の生活に ほんのちょっとのうるおいが 届きますように



風力発電の意外な問題

2009年9月 30日 By: rainbow Category: 環境問題 No Comments →

鳩山総理大臣が世界的に温暖化ガスを25%削減すると宣言するように環境問題に関心が高まりつつある今、石油などの化石燃料から太陽光発電や風力発電といった自然エネルギーを利用した発電システムの導入が各地で広がっています。風が強い海沿いなどには数多くの風力発電のための風車が並んでいるのを目にすることも多いのではないでしょうか。

しかし、この環境に優しいはずの風車には意外な問題をはらんでいる可能性があるというのです。その問題とは低周波音です。低周波とは100ヘルツ以下の音波のことをいい、さらに20ヘルツ以下の音波については超低周波音と呼ばれています。これらの低周波音は一般的に人の耳で感じることはできません。そのため低周波音が存在していることすらわからないのです。この低周波音が風車から出ていてそれによって体調に異変が生じてしまっている人が目立って多くなり始めているのです。以下にそれらの人々が申し出ている症状を示します。

「船酔いのような症状が出て、夜中に何度も目が覚めるようになった」
「頭の中が小刻みに震える」

これらの症状が出ている時には、決まって風力発電用の風車が回っていて回り始めると症状だ出るという人もいるくらいです。このことから風車と症状発症との間には何らかの因果関係があると疑うのが自然でしょう。環境省によると、低周波音に関する苦情は1990年代まで全国で年間40件前後だったのですが、2000年度は115件、07年度は181件と着実に増加傾向を示しているそうです。

この状況に対してこれまで環境省は慎重な姿勢を示していました。それは低周波に対する感じ方には個人差があり、低周波音が人に苦痛を与える原因も、苦情が増えている理由も分かっていないためだというのです。確実性がないのであればそれを調査すればいいのにと素人としては感じてしまうのですが、役所としてはそのあたりの順序が違うのかもしれません。しかし、苦情数がここまで大きくなってくると環境省も調査を開始せざるを得ないようで、2009年度から愛媛、愛知両県の風車の周辺で、低周波音と住民の健康状態の因果関係を調べることを決めたそうです。

これによって、何らかの因果関係をつかむことができたとき対策を打つ必要が出てくるでしょう。例えば、風車の近くに位相や振幅が異なる音波を出す装置を取り付けて、風車から出る低周波と合わせることによって、低周波をなくすこともできるかもしれません。住民が安全に暮らすことがまずは第一であり、この低周波問題によって自然エネルギー全体への印象が悪いものになってしまうのは避けなければなりません。環境省の今後の取り組みに自分たちは注目していく必要がありそうです。

【参考】YOMIURI ONLINE 2009年9月28日
http://www.yomiuri.co.jp/eco/news/20090928-OYT1T01234.htm

風の力で町おこし・村おこし 風力発電入門―地域エネルギー新時代 風の力で町おこし・村おこし 風力発電入門―地域エネルギー新時代
(2005/02)
清水 幸丸

商品詳細を見る

後手に回るバイオエタノール政策

2009年9月 21日 By: rainbow Category: 環境問題 No Comments →

かつてサトウキビを使ったバイオエタノール事業にいち早く着手したブラジルが今、その政策を大きく方向転換しようとしています。ブラジル政府は2009年9月、国内の92.5%の面積を対象にサトウキビ栽培を禁止する法案を提出したのです。

サトウキビは石油に代わるエネルギーであるエタノールを生み出すことができることから世界中で爆発的に栽培されるようになり、需要の高まりと共に価格の急騰が発生しました。当然多くの人がサトウキビをもっと栽培するようになり、熱帯雨林を多くもつブラジルでは、森林を密かに伐採してまで栽培する人まで現われました。

このようにして広がる森林破壊に対して、世界中から批判が起こるようになります。その批判への対応する狙いで、今回ブラジルの法律制定があると考えられています。この内容を報じている日本経済新聞では次のように記事をしめています。

「ブラジルのサトウキビ栽培面積は780万ヘクタールで国土の約1%。熱帯雨林や湿原はもともとサトウキビ栽培に向かず、法律が制定されても生産拡大にはほとんど影響が無いとみられる。」

果たしてそう言い切れるのでしょうか。これまで、様々なメディアでアマゾンの熱帯雨林で森林伐採し、焼き畑農業を行っている様子が示されています。その中には当然サトウキビ畑も存在するでしょう。統計では示されない実態がそこにはあるような気がしてなりません。

人は生活のため、生きるためにお金を稼ぎ、食べ物を入手します。そういった毎日の生活が苦しい状況下では、地球環境のことは二の次になってしまうのは容易に想像できることでしょう。法律というムチを与え取り締まることは必要なことではありますが、それでは根本的な解決は何もできません。

元々、バイオエタノール事業はエネルギーを得るためどこかに必ずひずみを生じさせる課題を抱えています。栽培していなかったものを大量に栽培することによる土壌への影響、元々必要とされ流通していたものへの影響などを考慮すると、非常に難しい舵取りが必要であり、それらは予め分かっていたことなのです。

作物から取り出すエネルギーには限界があることを、このブラジルの例からも学ぶことができるでしょう。自分たちは、太陽光や太陽熱、地熱、風力、海水といった自然界から得ることができるものを使ったエネルギーなど、バイオエタノールに代わる次世代のエネルギー源を早急に立ち上げる必要があるのではないでしょうか。

【参考】日本経済新聞 2009年9月18日

バイオエタノールと世界の食料需給 バイオエタノールと世界の食料需給
(2007/10)
小泉 達治

商品詳細を見る

公共自転車は都心に広がるか?

2009年8月 12日 By: rainbow Category: 環境問題 No Comments →

環境省は、2009年10月から12月の間で丸の内ビジネス街でいつでも誰でも利用することができる公共自転車の実験を開始すると発表しました。公共自転車は300メートル毎の5ヶ所に設置された50台の自転車を利用することができるサービスです。

初回の登録料1,000円を支払えば誰でも利用することができ、30分以内は無料、以降10分ごと、3時間以上は5分ごとに100円増えていく課金体系となっていて、盗難防止の観点から1日を超えると自転車相当額がカードから引き落とされる仕組みになっています。

これによって、将来的には温室効果ガスを削減することを目的としていると環境省は説明しています。同じようなサービスは海外でもすでに行われていて、フランス・パリでは1500ヶ所に約2万台配置されていて日常的にパリ市民の足として利用されているそうです。同じようなことを日本でも成功させたいという考えに基づいているのでしょう。

ここで考えなければならないのが、温室効果ガスをどこから削減するのかをしっかりと明文化しておく必要があります。考えられるのは、バス、タクシー、鉄道、自家用車といったものが考えられるのですが、都心に自家用車で通勤している人は決して多くありません。また、タクシーを普段利用している生活スタイルの人が自転車に乗り始めるというのも少し考えづらいものがあります。つまり自転車施策のターゲットは、普段鉄道やバスといった乗り物で移動している人ということになります。

そういった公共機関を利用している人のどのくらいの人数が自転車に乗ることによって温室効果ガスの削減につながるのか、そしてその量はどのくらいなのかを明確に予め試算しておく必要があります。そうでないとお金をかけるだけで逆効果につながりかねないものになってしまい、思いつきの施策になってしまいます。

海外と日本の違いも確認しておく必要があるでしょう。東京の都心部では、きめ細かく地下鉄や私鉄、JRが走っていてすぐに歩けば駅に着くことができます。おそらくこの利便性は他の国にはない特徴的なものではないでしょうか。その環境下においても効果があるのだということを示さないと「CO2を削減する」と環境省は言ってはいけないのです。

施策自体の有効性はきっとあるのだと思います。実施することによって人々の環境への意識も高まることから2次的な効果も期待することができるでしょう。その際に必要なのが効果の定量的な評価なのです。「きっと環境にいいと思うからやってみよう」という施策ではなく、しっかりとした根拠を分析した上で実施する必要があるのではないかと考えます。

【参考】
・YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/eco/news/20090802-OYT1T00064.htm
・環境省 http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=11432


売れてます!折りたたみ自転車 シマノ6段ギアで坂道も楽々♪20インチ 【NKG206】コンパクトサ…