あしたまにあーな

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夏至の夜はキャンドルナイト

2010年6月 22日 By: rainbow Category: 環境問題 No Comments →

6月21日は二十四節気の1つである「夏至」の日にあたります。夏至は昼間の時間が一年で一番長い日であり、東京では日の出が4時25分、日没が18時59分と実に14時間半もの間、太陽が自分たちを照らしてくれたことになります。

そんな夏至の日である21日と前日の20日には、日本全国で夜の一定時間だけ電気を消して静かに心穏やかに過ごしてみようというキャンドルナイトというイベントが日本各地で行なわれています。

このキャンドルナイトというイベントの良さは、環境問題を全面におすのではなく、自分たちの生活の中でゆったりと過ごす時間を少しだけ作ってみませんか?というコンセプトであることだと思います。電気を消すことが環境対策にするための手段ではないのです。電気を消してふと自然光の中で過ごしたとき、人は自然に心が穏やかになるんじゃないでしょか。そんな思いが伝わってきます。

自分の会社もこのキャンドルナイトに賛同し、残業自粛デーでした。早く会社を出てふと空を眺めてみると、そこにはあかね色に染まる夕暮れが広がっていました。

電気が消されるのは20時からなのですが、自然の光の綺麗さに思わず見とれてしまいます。ふと周囲を見てみると同じように写真に撮ったりぼーっと眺めている人がかなりいることが分かります。下ばかり見ていては感じないこと、地下では分からないことが、ちょっと歩いてみると分かることもあるのです。

このように夕暮れやろうそくのような自然の淡い光は、人の心を穏やかにする力をもっているのです。あなたも、生活の中にほんの少しだけそういう時間を作ってみてはいかがでしょうか。ちなみに次回のライトダウンイベントは7月7日だそうです。

CO2を再利用するという温暖化対策

2010年3月 05日 By: rainbow Category: 環境問題 1 Comment →

これまで議論されてきた温暖化対策では、主に二酸化炭素を出さないようにするための施策があります。例えばバイオ燃料に代表される二酸化炭素を出さない燃料の開発などが挙げられます。そういった取り組みはこれからも様々な産業で活性化していくと思いますが、今回取り上げるのは排出されるCO2自体を再利用して化学製品の材料にしてしまおうという「CO2固定」という考え方です。

今、三井化学ではCO2と水素からメタノールを作り出す実証実験を行なっています。メタノールはアルコールランプの原料など広く燃料として利用されています。その他様々な樹脂製品の原料としても利用されている工業的には一般的な製品です。試験レベルでは、140トンのCO2から100トンのメタノールを精製することができるそうで、そのうち30トンは生産に必要なエネルギーなので、実質70トン分の二酸化炭素をメタノール化することができます。一般的にメタノールは天然ガスを一酸化炭素と水素に分解して作り出すのですが、上記のようにCO2を利用し精製することによって原料となる天然ガスの消費を抑えることが出来るようになります。

このCO2によって作られたメタノールを燃やしても自然界から天然ガスを取り出すよりは二酸化炭素の消費を抑えることはできますが、単に燃やしてしまっては、再び大気中に二酸化炭素を放出してしまうことになります。そこでこのメタノールを使って燃やすことが少ないような樹脂製品を作り出し、長く世の中に定着させることが求められると思います。「CO2固定」という考え方は、排出されたCO2自体を海底深くに埋めてしまうという考え方もあるのですが、これでは根本的な解決にはなりません。

日常的に必要な樹脂製品をこのCO2から作られたメタノールを使ってつくりだし、長く利用し、寿命が来たら再度それを燃やすことによって排出されるCO2を利用するという循環を作り出すことができれば、生産段階で必要なエネルギーを考慮しても十分二酸化炭素の放出量を削減することができるでしょう。政府が打ち出した「2020年までに温室効果ガスを1990年比で25%削減する」という目標を達成するために、こういった二酸化炭素の循環利用ができる仕組みを他にも模索する必要があるのではないかと考えさせられます。

【参考】日本経済新聞 2010/02/27

CO2固定化・隔離技術 (CMCテクニカルライブラリー) CO2固定化・隔離技術 (CMCテクニカルライブラリー)
(2006/08)
乾 智行

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星の砂が浸食される島を救う

2009年10月 20日 By: rainbow Category: 環境問題 No Comments →

沖ノ鳥島

東京から約1700キロメートル離れたところに日本最南端の島である沖ノ鳥島があります。誰も住んでいないこの島にも東京都小笠原村という地名が存在していますが、満潮時にも海面よりも上にあるのは東小島と北小島という小さな2つの島だけです。国連が定める海洋法条約での島の定義は「自然に形成された陸地で、水に囲まれ高潮時でも水面上にある」ことが示されていて、沖ノ鳥島はギリギリの条件を満たした島といえます。

この島の果たす役割は大きく周囲40万平方キロメートルという広大な排他的経済水域が広がっていて、海中の水産資源や海底の天然資源は日本のものになるので、この島を守ることは日本の利益を守るという観点からも非常に重要な課題といえます。しかし、この島は浸食が進んでいることから国は護岸工事を行い、小さな島を大きなコンクリートの岸壁でほぼ囲うことによって救ってきました。当面これで問題なさそうに見えたのですが、近年地球温暖化による海面上昇が各地で問題となっており、この沖ノ鳥島も例外ではなくなってきたのです。

この危機を救うために脚光を浴びているのが星の砂として知られる有孔虫の一種であるホシヅナと呼ばれる生物です。ホシヅナはアメーバに似た大きさが2ミリ程度の原生動物で突起つきの殻をもっています。石灰質の殻は死ぬと海岸に堆積して星砂の浜になります。これで有名なのが沖縄県の竹富島だと思います。沖ノ鳥島にいないこのホシヅナを他から移植することによって、星砂を大量に堆積させて自然の島を作る計画が進んでいます。東京大学の茅根創教授によると、数年から10年くらいでサンゴや砂を集めて島状にすることができるとのこと。生物による島の再生は今まさに始まったばかりです。

しかしそうも簡単にはいかない問題も抱えています。沖ノ鳥島は、地形上台風などが多く通る場所で、せっかく作られた砂やサンゴによる陸地も流されている危険性もあります。また、世界中の衛星からこの島の状況は監視されており、日本の動きを逐一目を光らせている現状もあるといいます。このような課題や状況を乗り越えて、自然に島を短期間で再生することができれば、ツバルのように世界中で海面上昇によって国土の存続に脅かされている国々はどんなに励まされることでしょう。星砂やサンゴによる島づくりは、日本だけの利益ではなく世界中の国を救う事業でもあるのです。

【参考】日本経済新聞 2009/08/23

日本人が行けない「日本領土」 北方領土・竹島・尖閣諸島・南鳥島・沖ノ鳥島上陸記 日本人が行けない「日本領土」 北方領土・竹島・尖閣諸島・南鳥島・沖ノ鳥島上陸記
(2007/05/31)
山本 皓一

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