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落ち葉や枯れ葉で発電

2012年1月 17日 By: rainbow Category: 環境問題 No Comments →

電力が極度に不足し、多くの企業や家庭で輪番停電をしながらもみんなで協力し合って、厳しい状況を乗り越えてきました。本格的な冬が到来し、やがて来る猛暑に向けて同じような事が起こらないようにと様々な工夫が今なされています。大規模施設では電気を使わずにガスなどで発電する仕組みを構築したり、代替エネルギーの使用、需要のオフピーク化などがその一例としてあげられるでしょう。

そんな取り組みの中で、国土交通省が実施しようとしている非常時の電源確保方法が今、話題をよんでいます。その電力確保方法の元になるのが、落ち葉や枯れ葉です。真っ先にこの話を聞いたときに思ったのが、落ち葉焚きでした。落ち葉を燃やしてその熱エネルギーを使って電力を得るのではないかということ。しかし、実際にはどうもそうではなさそうです。

落ち葉や枯れ枝、雑草などを蒸することによってガスを発生させ、そのガスを使ってタービンを回して発電するといい、こういった設備を実験的に全国に17ある国営公園からいくつか選んで試験運転させるそうです。

これからその実験結果を受けて本格的に運用するかどうか決まるものと思われますが、公園内の街灯やトイレなど施設に使う電力はかなりをまかなうことができるものと期待されています。東京・立川にある昭和記念公園の場合、年間の必要電力の約1割をこの落ち葉ガスによってまかなえると試算されています。

全体から考えると、まかなえる総量は決して多くはないのですが、通常こういった落ち葉などはそのほとんどが集められて焼却処分されている現状を考えると、その分のコストを削減することができることも全体効果として考慮することができます。

また、災害時などの緊急時には大きな公園は避難場所となることが多くありますが、こういった場合に救援活動を補助するための電力としてまかなうこともできると期待されており、公園と電力施設には、意外な親和性があることがわかります。

今まで無駄になっていたものを、有効に活用し常に使える環境を容易に整えることができるエネルギー生成方法は、費用対効果の壁を越えることができたとき、強力で安心な生活に結びつきます。落ち葉エネルギーには、その可能性を大いに秘めているのでないかと思います。

【参考】日本経済新聞 2012/01/17

電力と温暖化ガスの天秤の行方

2011年9月 26日 By: rainbow Category: 環境問題 No Comments →

先の震災を契機に原発に依存しない電力の創出に向けて様々な取り組みが活発化しています。その中で東京都の副知事が発表したのが「東京都天然ガス発電所」という構想です。都内に発電施設をつくり、そこでコンバインドサイクルと呼ばれる発電方式を使って100万キロワットもの発電能力のある施設が作られるといいます。この量は、原発1基分に相当する量になります。

コンバインドサイクルとは、ガスタービン、蒸気タービンのふたつを組み合わせた発電方式で、まず天然ガスを高温で燃やしてガスタービンを回します。その際に出る排熱で水を蒸気に変え、今度は蒸気タービンを回し効率的に熱を利用します。このふたつを合わせた発電効率は約60%であり、原発の約30%、蒸気タービンだけを利用する通常の火力発電の42%を大きく上回る、非常に効率に優れた発電方式だと期待されています。

この発電施設の原料となるものは天然ガスなのですが、ここにも大きなメリットがあるといいます。石油資源の枯渇が世界的に叫ばれている中で、天然ガスの埋蔵資源量は数百年分もあるといわれており、燃料不足を心配する必要は皆無です。さらに、天然ガスは東京湾や房総半島の地下など、南関東一帯に大量に眠っているとのことで、自活することができる夢のような循環が実現することになります。

ジャーナリスト・有賀訓さんによると、東京、千葉、茨城、埼玉、神奈川にまたがる120キロメートル四方のエリアに、南関東ガス田と呼ばれるメタンガスが大量に蓄積されていて、千葉県茂原市九十九里地域などは、天然メタンガスを含む地層が地表近くにまでせり出しているため、自宅敷地内にガス井戸を掘り、そこから取り出したガスで風呂たきや煮炊きをしている民家もあるほどだといいます。

さらに、天然ガス発電所の建設コストは原発の4分の1程度で、広い敷地を必要としません。また、たった1時間で最大出力にあげることができるので、貯めるコストのかかる電気を時々刻々と変わる需要に合わせてリアルタイムに作り出していくことができるのです。

まだ計画段階ではありますが、ここまで魅力の高い発電施設なので、今後計画自体が進展していくことは間違いないでしょう。

しかし、一つの疑問が残ります。それは、震災前まで多くの著名人が懸命に取り組んできた温暖化ガス削減への取り組みが、この議論の中に存在しないこと。メタンは強力な温室効果ガスでもあり、同じ量の二酸化炭素の21倍から72倍の温室効果をもたらすとされています。それを一気に活用しようというのですから、温暖化ガスの排出量はうなぎ登りに上昇していくことでしょう。

その問題をどのように解決していくのか、新たな資源エネルギーの活用は常にその検討が必須なのだと思います。そして、それを伝える側としても厳しくチェックする目をもっていかなくてはならないのではないでしょうか。その結果、新たな問題を発生させることなく、気持ちよく利用できる電気になってくれれば、そんな嬉しい世界はないでしょう。

【参考】週プレNEWS http://wpb.shueisha.co.jp/2011/09/26/7109/

大転換する日本のエネルギー源 脱原発。天然ガス発電へ (アスキー新書) 大転換する日本のエネルギー源 脱原発。天然ガス発電へ (アスキー新書)
(2011/08/10)
石井彰

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太陽熱を使った冷暖房の実用化に向けて

2009年6月 20日 By: rainbow Category: 環境問題 No Comments →

太陽熱パネル

自然エネルギーを使った発電が国家や企業だけでなく家庭レベルにまで普及し始めています。国もこうした施策に対して補助金を出すなど後押しをしてくれていて、これからますますの普及が期待されています。

現在日本で実用化されている自然エネルギーは、風力、地熱、潮汐力、太陽光などがありますが、ここにもう一つ巨大な動力源が登場しそうです。それが「太陽熱」です。太陽光とは微妙に違う太陽熱の利用は実は世界的に見るとかなりポピュラーなものとして認知されているといいます。

この太陽熱を使った「高効率ソーラー空調システム」を実用化すべく動き出したのが東京ガスです。東京ガスが商売道具であるガスを利用するのではなく自然源を使って動力を作り出す研究を行っていたことに、新しい環境に優しいエネルギー源へシフトするんだという企業としての覚悟を感じます。

太陽熱によって、暖房から冷房までをまかなうことができます。暖房のイメージは比較的しやすく、太陽熱によって温められた水をそのまま循環させることによって室内に暖かくします。それに対して冷房にするのは一工夫が必要です。水は蒸発する際に熱を奪う性質があります。

例えば、真夏に庭先に水を撒くと温度が下がる、汗をかいたときに体温が下がる、お風呂上がりに濡れたたま出ると寒いというのは水が蒸発した際にくっついていた物から熱が奪われたことよるものです。これを利用して、蒸発した物体の近くに水を置いておくことによって、水から熱が奪われ冷水となるのです。この冷水が室内を流れることによって部屋を冷やすことができます。

この高効率ソーラー空調システムが実用化されることで、これまでのガスを使った冷房機器に比べて、ガス消費量は約2割、二酸化炭素排出量は18%それぞれ削減できるといいます。さらに太陽熱は、様々な使い道がある電気を作ることができる太陽光発電に比べて、用途は限られるのですが、太陽エネルギーの変換効率は3倍以上にもなるということで、省スペースで大きなエネルギーとなりそうです。

このような選択肢がどんどん増え、利用者が手軽に利用用途によって使い分けられる環境が整ったとき、政府が目指す2020年までに温室効果ガス排出を2005年比で15%削減することも夢ではなく現実となると思います。

【参考】東京ガス
http://www.tokyo-gas.co.jp/Press/20090209-01.html


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