西郷どん 第37回「江戸無血開城」
江戸城総攻撃の前日、吉之助に徳川家の存続を訴える天璋院の姿がありました。自分と慶喜の命と引き換えに徳川家の存続を求める悲痛な姿に吉之助は複雑な心境を見せますが、それでも完膚なきまでに徳川を潰す必要があるという自信の強い信念は変わることがありません。
前回山岡鉄舟によって、そのあたりの今内乱をしている場合ではないということを理解したのではないかと思われたのですが、今回天璋院との話ではそういった考えの変更はみられなかったようにみえます。
それよりも、吉之助の心を動かしたのは勝海舟でした。主張している内容は山岡鉄舟とそう変わりないのですが、それでも幕臣筆頭として江戸城を開城すると正式に申し出たことが大きかったのでしょう。途中刀が様々なシーンに登場したのはきっと緊迫した状況を演出するものであったと思いますが、遠藤憲一さんのおだやかな雰囲気によって、なんとなく落ち着いて見ていることができたように思えます。最後にしれっと上野に西郷の銅像を建てるといった発言もありどきりとしました。
結果的に、ここで無血開城が実現し、さらに慶喜と会って鳥羽伏見の戦いで逃亡した真の理由を聞くことができた吉之助は慶喜のことを許すことができたのではないでしょうか。これ以降彰義隊や戊辰戦争といった最後の戦いが始まりますが、それでも徳川家に直接責任が及ばなかったのもきっと、ここでの和解があったからなのかなと思いながら次回以降を楽しみにしたいと思います。
■紀行■
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NHK大河ドラマ「西郷どん」オリジナル・サウンドトラックI 音楽:富貴晴美
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