真田丸 第8回「調略」
前回からもの凄い勢いで責めてきた北条は、氏政の子供である氏直を大将として信濃に攻め込んできます。これに対抗するために昌幸も様々な策を巡らせて上杉の家臣である春日信達を調略することによって海津城を手に入れ、北条方に与する作戦を考え、実行に移します。そのために信繁を派遣するのですが、昌幸はさらに上の作戦をこっそりと考えていたのでした。
物語のなかで信繁もいっていましたが、昌幸たちが考える作戦は見方も欺く完璧なものであると同時に生き残るためには非情になる部分をこの時点では受け入れることができないようです。たしかに、言葉や文書で信用すると言っておいてその裏で信用していないばかりか命を奪ってしまう部分は見ているこちらとしても震撼すると同時に、昌幸の恐ろしさを感じます。昌幸は前回までのようにおたおたすることなくしっかりと真田の方向性を指し示す頼りがいのある存在になっていました。そして、完全に主人公よりも存在感たっぷりな草刈正雄さんの演技にこれからも目を離せそうもありません。
周囲の大名として今回登場するのは上杉、徳川、北条の3名。上杉は景勝の人の良さがひときわ目立っていましたが、一方で直江兼続の恐ろしく鋭い目線に見ている方もドキドキしてしまいそうです。数年前の妻夫木君とはあまりにも違う雰囲気ではありますが、これはこれでありでしょう。徳川は、相変わらずあたふたとしていますが、最後の場面で昌幸の行動目的を察知した模様。これによって物語がどのように変化していくのか楽しみです。北条については、氏政の院政を意識させる内容であり、今後も続いていきそうです。
こうした真田家に関連する大名の様子を面白く表現してくれるので、非常に好感が持てる内容となっています。徐々に、昌幸と信幸、信繁親子の関係が変わっていきそうな雰囲気を醸し出しています。昌幸の言動に納得はしなくても尊敬の念を持って付いていこうとする信繁と、納得しないがために反発する信幸。この構図を今後も確立していくことが予想されます。次回は、信繁の心の動きを見ることができそうなので楽しみにしたいと思います。
◆真田丸紀行◆
長野県長野市
- 松代城跡(旧海津城)
|
|
|
◆関連する記事◆