2012/10/14
Category: 2012年_平清盛
今回は、完全に滋子デーとなりました。演出の観点から誰もが分かるほど露骨に滋子が初めから登場し、様々な場面で「私は平家と王家を結びつけるためになくてはならない必要な存在なのよ」オーラを出すと共に自らもそのようなことをおっしゃっており、自他共に滋子という存在がこの時代においてどんだけ大切だったのか明示的に示しています。言葉にして話してしまえば簡単ですが、そのような状況をあえて行動や雰囲気で示して欲しかったところではありますが、おそらく時間がなかったのでしょう。
それ故、滋子が亡くなったときのあっさり感はひっかかるものがあります。ここまで引っ張っておきながら最後の言葉もなく、後白河院の表情だけでその場面に突入してしまうのは、見る方としては少し状況を把握するまで時間がかかってしまい、その分感情を移入することもできなくなってしまったように思います。せめて遺言のなかで平家と王家がこれからも協力しながらいってほしい、みたいなことを言っておけばよかったのではないでしょうか。
一方、頼朝付近も急激に北条政子が頼朝に迫り、恋愛の一歩手前まで来ます。政子は一生懸命頼朝に叱咤するのですが応じようとしない頼朝。この二人はもう少しで心を通い合わせ、そして平氏に向かって立ち上がってくるのでしょう。その日が近いことを演出の中から感じ取ることができます。
このように、今回の内容はともに平氏の落日の日がもう少しでやってくるんだ、ということを暗に示すためのフラグとして機能する大切な回だったのでしょう。全く年齢的に変わることのない松山ケンイチですが、そろそろ50代も終わろうとしている時にどのように残り10回が進んでいくのか楽しみです。
◆清盛紀行◆
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