お空に溶けそうな満月
9月30日は十五夜でした。日本では古来から、旧暦8月15日の満月を「中秋の名月」とし、お月見と称して楽しんできました。今でも「お月見」は秋の風物詩として、日本人に親しまれています。
その一日前となった29日の夜のこと。子供と夜空を眺めていると、子供が「ねぇ、お月様がお空に溶けそうだよ」と語ります。一体どういうことなのかと空を眺めてみると、薄い雲が満月を覆い隠してぼんやりとした月になっていたのです。その様子を彼は、「月が空に溶けそう」と表現したのです。
この感性は大人には決してないもの。心が洗われるような素敵な時間を彼のおかげで過ごすことができたような気がします。
月に関しては、先日も「お月様がおうちまで連れて行ってくれたんだよ」と感謝したり、「わぁ、おおきいねぇ」とただただ驚いてみたり。そんな子供と過ごす時間が何よりも嬉しい今日の頃です。
ちなみに、お月見は室町時代にまでさかのぼり、8月15日に月を神として崇める月見の習慣が始まりといわれています。今のような風流なひとときを過ごすというよりは、秋の収穫を前に豊作を祈願する厳かな行事という要素が強かったのです。
お供え物も今のようなお団子ではなく、昔は里芋でした。これは主食の違いによるものであり、今は米なので、団子と共に稲穂が供えられるのです。
このような四季の行事についてほんのちょっとした知識をもち、雰囲気を味わうことによって、何気なく過ごしていた一日がもっと趣のあるものになるのではないでしょうか。
【参考】新刊JP http://www.sinkan.jp/news/index_3015.html
日本のしきたり 冠婚葬祭・年中行事のなぜ? (2008/03/14) ニューミレニアムネットワーク |
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