平清盛 第33回「清盛、五十の宴」
平氏の力がものすごく上がっても、周囲にはその権力を良く思っていない人というのはいるものです。その筆頭は後白河上皇ですが、前回清盛とすがすがしく正々堂々と戦うことを宣言し合ってからは、ちょっといいやつに思えてきました。今回は、祇園女御と一緒に今様の稽古の真っ最中。
それよりも今回陰湿だったのは、摂関家の人々でしょう。武士は武力と財力で政治を行っているだけであり、雅が足らない人に政治などできるわけがないと言い放ちます。雅で政治ができるのかという部分については大いに謎な部分ではありますが、寺社の建設など一部の政においては、雅さは重要なファクターと言えるのでしょう。
そんな摂関家の人々と清盛達が挑むのが五十の賀の宴でした。その場で、清盛は今まで誰にも見せることのなかった嚴島神社の修復像を見せることになります。この絵を見ると、今の厳島神社と同じ。清盛がこれまでの慣例を完全にとらわれることなく、斬新なイメージをそのまま寺社の図面に落としたのです。それを今の時代に見ることができるのは、実はものすごく奇跡なのではないかと思えてきます。
清盛の摂関家攻撃はこれで終わることはありません。次に登場したのは忠度でした。髭だらけの顔は、おおよそ平氏というイメージではありませんが、それでも会ってすぐの人に摂関家の人々との歌の相手をさせます。この抜擢が的中し、摂関家の人々はむすっとして帰っていきます。完全に勝利の瞬間でした。
このほかいつも通りの王家のいざこざがありますが、ここでは割愛したいとおもいます。平氏から滋子が入っても、この静かな戦いは変わることなく続いているのが何となく寂しく思ってしまいます。このテーマは終始一貫してしまうほどのこの時代のスタンダードな出来事なのでしょう。
次回は、ふらっときた清盛が大丈夫かどうかがポイントになるでしょう。ちょっと気になりつつ期待したいと思います。
◆清盛紀行◆
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