平清盛 第31回「伊豆の流人」
今回は、題名の上からも頼朝に注目されまくりの内容になるかと思いきや、平氏の様子、朝廷の様子も含めてバランスいい配分であったような気がします。ただし、前回からの前振り的な要素があまりないため、今回の内容が物語全体の中で一体どのような関係にあって、どのような観点で見ればいいのか視聴者としては混乱してしまったのではないでしょうか。
頼朝が有名で、いずれ平氏を破って鎌倉幕府を開くのは、誰でも分かることなのですが、清盛の生きる時代にあって頼朝がどのような状況の中で立ち振る舞っていたのかを把握している人は、自分を含めて決して多くはないはず。
今回は、伊豆で流された人として写経等を行っていたところ、目付役の伊東祐親の娘である八重姫と恋仲になってしまいます。峰竜太さんのキャラクターなのだと思いますが、ぴしっとした裏側で面倒だなという本音も語ってしまうお茶目な部分を全面に出した役になっています。
この伊豆での場面が、今後の世の中のいつ頃に効いてくるのかは、よくわかりません。次回かもしれないしもっと先のことかもしれません。今回の内容だけ見ても、伊豆の場面と京の都での出来事を結びつけたのは伊東祐親以外にはいなかったのが不安なところではあります。
京では、昔あったような後白河上皇と二条帝の争い。そこに平氏が巻き込まれているという状況は、鳥羽院の頃と構図としてはかなり似通っています。そうこうしているうちに二条帝が崩御されてしまい、その葬式のなかで後白河上皇がやって来て、子供のような無邪気にあそび、そこを清盛にたしなめられて、ふてくされて帰って行くのですが、これ完全に後白河上皇の精神年齢低すぎです。そりゃ、清盛も正論をはきたくなるというもの。この正論を述べるというのは、どのように転ぶか分からない恐ろしいものなのですが、このばくちに勝ったのは清盛。その後に位が上がっていきます。
もう一つの見物は、息子の重盛でしょう。思いっきり自分の思いを帝にまでぶつけてしまい、父親の反感を食らうのですが、この辺りは盛国も言っていましたが昔の清盛と一緒。時と立場と経験が人を作っていくのだということなのかもしれません。平氏の重鎮が亡くなっていっていますが、今回は池禅尼でした。和久井映見さんの顔はしわ一つない綺麗な表情なのですが、年をとったと台詞の中で言っているのですから、白髪だけでなく表情ももう少しメイクと効果を出してもいいような気もしますが、女優さんの顔をいじくるのはNGなのかもしれないので、不問にします。
第3部が始まり、オープニングの清盛も矢を放つシーンから舞を踊るシーンに微妙に差し替わり、心機一転盛り上がっていくことでしょう。次回は、後白河上皇との楽しいやりとりを見ることができそうです。
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