どうして蝶々になれないの?
静かに、それは始まりました。
もうすぐ4歳になる子供と3人でいざ寝ようとしていた頃、子供が突然
「ぼくね、蝶々になりたいの」
と言い出しました。理由を聞くと空を飛んでいろんなところに行きたいからとか。子供らしく、とても微笑ましい場面です。ちなみに彼は、実際の蝶々を見ると、「怖い」といって逃げ出します。
かわいいやつだと思っていたら、次に次のように聞いてきました。
「どうしたら蝶々になれるの?」
なりたいものがあるので、それを目指すためにどうすればいいのかを考えるのも当然のことです。
ここで、大人としての対応方法は2つの道に分かれます。
一つは現実的な解説をすることによって正しく教えること。例えば、飛行機に乗る、鳥人間コンテストに参加する、現実的には鳥のように飛ぶことはできない、などが挙げられます。
そしてもう一つが、子供の願望を利用して別な努力目標を設定することです。目的のすり替えという、大人の嫌らしい部分ではありますが、自分たちはここで後者を選び、
「いっぱい食べて、いっぱい寝て、いっぱい遊んだらなれるよ」
と彼に話します。
すると、彼はその「うそ」を見破ったのか、
「どうして蝶々になれないの?ぼく、蝶々になりたい!」
と泣き叫び始めます。時間はすでに寝る時間を2時間もオーバーしていて、自分を抑えることができないのでしょう。「いっぱい食べて、いっぱい寝て、いっぱい遊んだら」などという戯れ言は、すでに彼の耳には通じません。
さんざん泣き叫んだ後、こてっと眠ってしまいました。
しかし子供が眠った後、奥さんと自分は次に同じ質問が来たらどういう風に答えようか、今も頭を悩ましています。
「なりたい自分」になる一番いい方法―運がよくなる“プラス・パワー”の不思議な法則 (2004/01) バーバラ バーガー |
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