親不知との最後の戦い
毎年行っている人間ドックには歯科健診もあって、いつも診てくれる人に歯の状態が良くないといわれ凹むのですが、今年は虫歯を発見されます。あまり痛くないのですが、このまま残しておいてもいいことはないので2年くらい放置プレーしていた歯医者へ久しぶりに出かけることにします。
歯医者さんの「ご無沙汰です」という、にこっとした笑顔に心の奥がほんの少しちくりとする自分を必死に隠し、問題の場所を処置してもらいます。
虫歯自体は左下の奥歯にあり、昔処置したかぶせものの下にできていて、それを外して神経治療を施すもので、ものの数十分で終了します。
しかしその後に奥歯が腫れて痛い・・・
処方されたカロナールという鎮痛剤も翌日には飲み尽くしてしまって、最後に頼ったのはバファリン。体に良くないのはわかっているのですが、思わず飲んでしまいます。
あまりに痛いので歯医者に行くとものすごい予想外の話に。腫れているのは、処置した部分ではなく、左下の一番奥。
一番奥に歯はないんですが・・・
段々嫌な予感がしてくる自分に追い打ちを掛けるように先生が示したレントゲンにはしっかりと映っているではありませんか。言わずとしれた親不知です。
しかも、真横になっていて葉の先のほんの少しのところだけ一番奥の歯肉の下に隠れています。歯科用語で、このように真横になっている下の歯の親不知を「下顎水平埋伏智歯」というそうで、最も処理が厄介なものだそうです。
先生に処置方法を聞くと、手順は次の通り。
1.親不知の上にある歯肉を切って親不知が見える状態にする
2.歯の先端部分を縦に切る
3.残った根っこを取るために、下顎の骨を削る
4.残った根っこを砕いて取り出す
5.最後に切った部分を縫う
これをやった後は、ぱんぱんに顔が腫れてしまい痛みも出るとのこと。試験が近かったこともあり、延期してもらいその間は「オラセフ」という抗菌作用のある抗生物質を処方してもらいます。
自分はすでに3つの親不知をぬいていて、もうないと思い込んでいたのですが甘かったようです。まだ「奴」は眠っていたのです。静かにその出番を待ちながら。
このまま残しておいても全くいいことはないので、抜くことを決意。決戦は2週間後になりました。
その後、色々なサイトで調べ恐ろしい言葉が並んでいるのを見る度に、怖じ気づいていますが、やるしかありません。男は黙って戦うのです。
2週間後に更新がなくなったら、痛みや腫れと戦っているか、もしくは壮絶に戦って敗れ去っているかどちらかだと思って下さい。
親知らずのはなし (1992/05) 夏目 長門鈴木 俊夫 |
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