ひとりじゃ嫌な人が群がる場所
牛丼屋、山、カラオケ、旅行にひとりで出かける女性が自分の周りにいます。彼女は、周囲にあせるのが苦手というわけではなく、むしろ周囲との関係がすごく良好なのです。それでも休日や会社帰りなど自分が行きたいと思う場所には自由に行きたいと考え、そこには行きにくいというものはあまりないそうです。このように、ひとりでいても全く気にせずにむしろそれをエンジョイする人がいる一方で、ひとりで過ごすことができずに常に誰かを求める人もいます。
その典型がSNS、最近でいうとtwitterではないでしょうか。誰かの目に触れる場所で独り言をつぶやく。誰にも相手にされるのが嫌でつぶやきに対して何らかの反応がほしくて、つながりを求めているのです。そのつながりは密なものを求めるのではなく、疎結合、つまりつかず離れずの関係に気持ちよさを感じることが多いのが特徴といえるでしょう。密につながることで面倒な人間関係ができてしまうのを嫌い、そこまで行かなくて必要なときに必要な人同士がつながっては離れていく、そんな人間社会が今増えつつあります。
SNSやtwitterだけでなく、利害関係を伴って疎結合するサービスも登場しています。その一つがタクシーの相乗りを募集するサービス「タクトモ.com」です。出発地と時間、目的地を「1:30、池袋発、大宮方面、同乗者求む」という風に書き込むとそれを見た人が応募し、お互いに見ず知らずの人たちがタクシーに同乗して、目的に向かうのです。割り勘になる経済的なメリットの他、意気投合して名刺交換などをする人もいるようで、現在会員数は20代から30代の男性会社員を中心に1万2千人以上いるそうです。
このように同じ志をもつ人同士が互いに募る形のサービスは今広がりを見せていて、旅行やレストランなどもあるといいます。ひとりで応募するのだけど、誰かとのつながりを期待するのですが、サービス提供者はその安全性に気を遣っているようです。確かに物騒な世の中において、何が起こるかわらないのでサービスを利用しても安心して楽しむことができるような仕組みが整えられていることが大切です。
ひとりで社会の中に暮らしていると、自由な反面寂しさを覚える人も多いことが、このようなサービスを支えている根幹なのかもしれません。冒頭に紹介した女性のように自分は自分と割り切り楽しむことと、誰かと共に楽しむこと。そのどちらもまんべんなくできたら、人生はもっともっと楽しくなるかもしれませんね。サービスを利用してもいいし、自分で積極的に絡んでもいいので、色々な体験ができる人になりたいと感じます。
【参考】
・日本経済新聞 2009/11/09
・タクトモ.com http://www.takutomo.com/
・twitter http://twitter.com/
◆関連する記事◆