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コンビニの100円おにぎり戦略事情

2009/08/12 Category: ビジネス

最近、ローソンを始めとしてファミリーマート、サークルKサンクス、セブンイレブンなどで次々とおにぎり100円セールを開始しました。うなぎや辛子明太子などいつもなら140円くらいするものも100円になっているので、貧乏性の自分としては自分が一番食べたいものよりも差額ができるだけ大きいものを選択してしまうのが悲しいところなのです。

期間限定ではあるにしても、おにぎりを100円で売ってしまって利益が出るのでしょうか。そこにはコンビニ側の厳しい状況を打開しようとする周到なマーケティング戦略があったのです。さらに売るものがおにぎりでなければならない理由もしっかりとあるのです。そこで、コンビニが100円でおにぎりを売る理由とその裏に隠された思惑について見ていきたいと思います。

◆コンビニか置かれた厳しい状況
2008年、様々な業界が不況の波を受けて軒並み減収になったにも関わらず、コンビニ業界は増収を記録し、売上高7兆8566億円を記録しました。その結果、百貨店業界の7兆3813億円を抜き去ってしまう逆転現象が発生したのです。その逆転劇を演出した大きな要素として挙げられるのがタスポの存在といわれています。タスポによってコンビニでタバコを購入する人が増加し、あわせてコーヒーやおにぎりなどを購入した人が多かったので、全体として売り上げを伸ばすことに成功しました。

ところが、2009年になるとこのタスポ効果も次第に薄れてきて、売り上げも減少していくことになります。このままでは歯止めなく減少していくのが目に見えている状態だったのです。そこで、注目を浴びることになったのがおにぎりでした。

◆おにぎりを安くする理由
では、なぜおにぎりではないといけないのでしょうか。それは、おにぎりの購入の仕方から説明することができます。おにぎりを目玉商品にして、総菜や飲み物など保管商品を一緒に購入する人を狙うロスリーダー価格政策というマーケティング戦略を利用しているのです。スーパーではこの目玉商品に、卵や牛乳といったものを選ぶことが多いのですが、これは単価が低く、不況で財布のヒモが堅くなった消費者の購買意欲をそそる可能性も高い上に、関連する商品が幅広く存在することによって売り上げも期待できると言われています。ちなみに目玉商品だけを目当てに来店する人のことを「チェリーピッカー」といいます。

つまり、コンビニではおにぎりという「それだけ購入するには気がひけて、他にも何か買うかな」という気持ちにさせるツールを使って、全体の売り上げを伸ばしていこうという戦略をとっているのです。

おにぎりの原価は100円もしないでしょう。それ自身でも薄利多売を行うことによって利益を得ることができるのですが、それ以上の効果を得ることができるのです。コンビニ側にとってだけでなく、消費者の観点からもありがたいサービスといえるのではないでしょうか。おにぎり100円のありがたみが薄れてしまっては戦略としてNGなので、期間限定である必要がありますがおにぎり以外の商品についても、スーパーを超える価格設定を期待してもいい時代が来たのかもしれません。

【参考】Business Media誠
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0908/11/news004.html

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(2008/03/01)
漆原 直行

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