体の悲鳴をキャッチせよ
最近では、仕事の効率化を推し進めている会社も多く存在し、残された社員への仕事の負担もますます増える傾向にあります。長時間労働や仕事の重すぎる負担、ストレスなど、様々な要因が複合的に蓄積され、とうとう精神的な病を患ってしまう人も多くいます。それだけでなく、過労死にまで至ることも少なくありません。発症から24時間以内に死に至る、くも膜下出血や脳出血、急性心筋梗塞といった症状が増加傾向にあることからも分かるように、気がついたときは既に手遅れな場合もあるのです。なので、日頃から自分の状況をセーブしつつ、守っていく必要があるのです。
■危険な労働パターン
忙しい生活に追われているとストレスの蓄積も自覚しにくいものです。国立公衆衛生院名誉教授の上畑鉄之丞医師によると、危険な労働パターンは以下の3パターンだそうです。
1)週60時間以上の就労
2)月50時間以上の残業
3)月間の所定休日の半分以上の出勤
どれかひとつでも数カ月以上にわたり続いていれば要注意が必要です。会社によっては一定時間以上の残業に対して、健康管理部門からのカウンセリングが行われることがありますが、その一定値までいかなくても危険性はあるのです。
■精神的に負担を感じやすい状況
・過労死が多い年齢層:統計的に35?54歳の男性
・役職:上司と部下の板ばさみで悩みが尽きない主任や係長などの中間管理職
・性格:「まじめできちょうめん」「責任感が強く完璧主義」といったタイプ。悪くいえば仕事に対して要領よく手が抜けない。仕事の悩みをひとりで抱え込みがちになってしまう
・前兆:「普段経験したことのない疲労感」「不眠が続いていた」「体調不良」「風邪が長引くこと」
仕事に対しては、成果主義等でまわりに相談できる相手がいない環境が増えていることも、無理をせざるを得ない状況を作りだしているのではないでしょうか。大切なのは、自分一人で何かをしようとするのではなく、必ず相談してできない場合にはヘルプをいうことが大切だと思います。
責任感が強いことは仕事の上で大切なことだと思いますが、仕事は100%完璧なものを要求されているのではないのではないでしょうか。その分、完成時間も遅くなりますし、仕事の状況を周囲が把握しにくくなる傾向になってしまいます。「完璧にこなす」ことは、ある意味自慰行為なのかもしれません。
■日常生活の危険信号チェックリスト
1)喫煙習慣がある
2)ほぼ毎日ビール3本以上飲んでいる(日本酒なら3合、焼酎水割りで4杯)
3)接待や付き合いの酒が週3回以上ある
4)朝食抜きで出勤することがほとんど
5)食事内容が肉類中心に偏っている
6)毎日帰宅はほぼ23時過ぎになる
7)1日の睡眠時間は5時間以下
8)通勤が片道2時間以上かかる
9)運動習慣がまったくない
10)健康なので医者にかかったことはないし、会社の健診もしばらく受けていない
3つ以上該当するようなら過労死のリスクが高くなるというので、気をつけたいですね。
仕事に追われ、仕事に自分の体を捧げてしまい家族や恋人のことを考えなくなってしまっては本末転倒です。自分の体は自身でケアする以外ないのです。自分も含めて、体をいたわりながら、両立していくための精神的な余裕をいつも持ち続けていたいと改めて感じます。
【参考】Business Media 誠
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0811/18/news029.html
過労死の労災申請―もしもあなたの家族が「過労」で倒れたら… 過労死?と思ったら読む本 (2008/01) 諏訪 裕美子色部 祐 |
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