新たな温暖化対策とは?
北海道・洞爺湖サミットも終了し、あれだけ具体的な施策を合意すると言っていたにも関わらず、結局はG8間のみで基本路線を合意するに至った結果に終わりました。
これまで削減する、もしくは排出量を減らすという2通りの考え方から成り立っていた温暖化ガスの対策ですが、近年新たな最終兵器ともいえる秘策が注目を浴びているそうです。
それが、「温暖化ガスを埋めてしまう」という考え方。
正式には「二酸化炭素回収・貯留(CCS:Carbon Capture and Storage)」と呼ばれるもので、多くの国で温暖化対策の重要な手段として位置づけられているそうです。
仕組みは簡単で、効率よく大量に回収するため、排出量の多い発電所や製鉄所をターゲットとして、工場の排ガスからCO2を分離して回収します。回収したCO2を液化して地中に埋めるのです。
残念ながら、まだ実用化している企業はないそうですが、今後解決すべき様々な問題を内在させていると思います。例えば、二酸化炭素という物質を減らすのではなく、埋めるだけなので、根本的な解決にはならないんじゃないかという疑問があります。
さらに、将来的に埋めたはずの二酸化炭素が地殻変動などによって吹き出したときの不安を完全にぬぐい去ることも課題です。
うまく課題を乗り越え、完全に安全で「隔離」することができてこそ、初めて理解を得ることができる仕組みなんじゃないでしょうか。しかし、実際問題として、多くの国が掲げる長期的な削減目標の計算に、CCSによる削減枠が加算されているという現状があります。
このまま議論や研究が十分にされずに、安易に「一番安価で手っ取り早い方法」という理由だけで、この方式を選択することのないよう、自分たちは監視ししていかなければならないと思います。
【参考】日経エコノミー
http://eco.nikkei.co.jp/column/emission/article.aspx?id=MMECcb016003092007
出典:経済産業省産業技術環境局資料「CCS2020」より一部引用
図解 CO2貯留テクノロジー (2006/12) 不明 |
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