ゾマホン汗かき奮闘記 前編 故郷の湖再生プロジェクト
彼の故郷は西アフリカ、大西洋に面する国・ベナンです。そのベナンにあるノコエ湖に広がるガンビエ村は、かつては綺麗でアフリカのベネチアとして観光名所となっていました。
それが近年はゴミが山積みになってしまい、水質汚染が進んだ結果、様々な病気が蔓延する過酷な村となってしまいました。
ゾマホンさんは、そんな状況になっている故郷を救おうと立ち上がります。ゾマホンさんが頼りにしたのは、株式会社フジタの島多義彦さん。彼は東京近郊のドブ川を再生した水質浄化の専門家なんです。彼に頼み込んで一緒にベナンに来てもらうことになりました。
ベナンについて2人はその危機を目の当たりにします。街ではゴミが山積みな状態のまま放置されていて、運河にはゴミの上で生活している人たちがたくさんいます。
もともとベナンではゴミと言えば土にかえるものばかりだったため、ゴミ箱に捨てるという習慣がありませんでした。それが近代化によってビニール等が発生しても人々の習慣が変わることはなく同じように捨て続けたことによってゴミが町中に山積みになってしまいました。
ノコエ湖は、このようなゴミと垂れ流された生活排水によって異臭を放つ最悪な環境になっていったのです。この地域の漁も汚染の原因の一つでした。
湖上に木々によって囲いを作って、そこに魚を養殖する手法をとっているのですが、漁が終わった後の木はそのまま放置されていました。それによって水の流れをせき止められ、汚染を進めてしまったのです。
このような汚染によってコレラやマラリアが大発生し、特に免疫力のない幼い子供が犠牲になりました。酸化還元電位という指標を使って調査した結果でもノコエ湖の値は最悪の結果と、科学的にも証明されてしまったのです。
浄化に使うものは現地で簡単に手に入るものでなくてはなりません。島多さんはそのようなものとしてカキの殻を使うことにしました。カキ殻フィルター工法と呼ばれる浄化法です。カキ殻には浄化作用はありませんが、そこについたフジツボたちが浄化作用をもっていて、水をきれいにしてくれます。
設置場所の条件は以下の通り。
・適度な酸素濃度と塩分濃度をもっていること
・1mの水深があること
・集落の汚染の流入している場所であること
浄化は島多さんが責任を持って行うことになりましたが、ゴミを取り除くのはゾマホンさんが村に掛け合う必要があります。ゾマホンさんは街の人々に協力を求めます。
始めは乗り気ではなかった村人も、カキ殻を使った成功実験を見ることによって次第に一致団結していきます。
カキ殻が魅せた奇跡
それは本当に起こすことができるのでしょうか。
次回に期待したいと思います。
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