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石見銀山の知恵 ?天国いちばん近い島を救え?

2008/02/17 Category: 環境問題

ニッケル

ニューカレドニア

天国にいちばん近い島「ウベア島」を擁する楽園の島々です。
毎年多くの観光客がこの島を訪れ、青い海、白い砂浜を感じるのです。

しかし、この島には違った側面があるのです。空港から海の方へ続く道を進んでいると、途中の海で山肌が見えてしまっている山々や、黒い煙を出しながら操業する工場が海沿いに建ち並んでいるのです。

そんなニューカレドニアの海や川が今、大変なことになっているのです。川底に一面に泥が堆積して、光合成ができないため、全ての生き物が死んでしまい、サンゴ礁も赤土に埋もれて白化してしまったのです。

この先においても、東京ドーム10個分の森林が毎年伐採されることになっているというのですから以下にひどい状況なのかおわかりになっていただけると思います。

この開発の裏には、ニューカレドニアの産業構造が影響を及ぼしています。ニューカレドニアには希少な金属「ニッケル」が採れ、19世紀後半から開発されているのです。

特に環境に配慮することもなかった結果、掘りつくされた鉱山は山肌が露になっていて、雨が降ると多くの赤土が海に流れ出した結果がこれです。

では日本は全く関係ないのかというと、実はそうでもないんです。日本から移り住んだ人達を中心に、ニッケル開発が進み、ニッケルを購入している主要な国の一つなのです。自然を元に戻す責任があるのではないか、そんな声が聞こえてくるのも当然といえるでしょう。

そんな状況のなか、ル・ニッケル社で働く日系3世のギー・サクモリさんも心を痛めていた一人でした。おじいさんが日本人であるサクモリさんは、言いようのない悲しさ、解決の糸口が見えないことに悩み続けていました。

解決の糸口は、遠く離れた日本、石見銀山にありました。

石見銀山は最近世界遺産に登録されてから、人気が高まっているところで、徳川家康の時代、初代奉行である大久保長安を中心に開発が進みました。

この大久保の手腕により、鉱山関係者が山とともに住み、植林を行うことで環境を守ろうとしました。さらに大久保は、不要な開発を防ぐために各地から有能な山師を呼び寄せたのです。銀の精錬法も灰吹き法によって、水銀ではなく鉛を使って環境に優しい製法を実現しました。

このように、開発がきちんと管理され、環境に配慮されていたことが石見銀山のすごいところなのです。

この古の技術に学ぼうと、ニューカレドニアからサクモリさんがやってきました。自分たちの仕事が、環境を脅かしていることを憂い、石見銀山にヒントを得ようとやってきたのです。

400年も開発を続けながら、周辺の環境を守り続けた奇跡の銀山

それが石見銀山でした。

サクモリさんは、戻り植林活動を始めました。海も少しずつ元の姿に戻る兆しを見せ始めています。

まさに江戸の知恵が楽園を救ったのです。

ニューカレドニアがこの先、再生するかどうかを自分たちも注意深く見守っていき、訪れた時にはそのような一面も注意してみるといいと思います。

ニューカレドニアで逢いましょう
(2006/01)
ばっぷ

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