コピー用紙の無料サービス拡大中
景気が一向に上向かないご時世にあって、拡大し続けているのが無料をうたったビジネスです。これまで当然のように支払っていたものが無料で手に入る。その裏には広告モデルが隠されています。例えば、インターネットの世界ではGoogleがそのモデルを使って世界的に巨大勢力として成長しました。身近な文房具でもルーズリーフに広告を載せることによって無料で提供するサービスなどが人気を呼んでいます。
このような経費削減の流れが今もっとも激しいのが企業の中で、場合によっては文房具を再利用し新しいものの購入をなるべく控えることによって経費を削減しようと努力している会社も存在します。そんな企業と無料ビジネスがうまく融合したモデルとして今回紹介する無料コピー用紙が挙げられると思います。コピー用紙の裏面に広告を付ける代わりに、無料でコピー用紙を受け取ることができるのです。この無料オフィスADペーパー「とくぺぱ」は、2009年5月にコピー機の販売やレンタルを手がけている「シャープドキュメント21ヨシダ」が始めました。
まず、コピー用紙を受け取りたい企業はネットで登録するだけで毎月1回とくぺぱが配送されてきます。何枚でも入手することが出来る訳ではなく、上限が定められていて社内で通常利用している紙の10%程度で。1セット400枚入りで8種類の広告があるのですが広告量が少ない場合には受け取れる量が減るということで広告の効果によって得られる紙も変動するという広告モデルの王道をここでも見ることができます。
このとくぺぱが企業に浸透し始めたのは、この企業の置かれる状況が一因でした。不況のあおりを受けてコピー機の販売やレンタルに関する営業が厳しくなり、最近では企業の担当者にコンタクトをとるだけでもセキュリティ的に厳しくなっていることから難しくなっていました。そこで、この受付を突破するために商売道具であったコピー機を利用すること、つまりコピー用紙に目を付けたのです。このご時世もあって会員数は当初の500社から4800社にまで拡大し今もその傾向は上向きだといいます。ここまで増えてくると、広告効果の高いセグメント向けに広告を絞って配布したり、募集したりすることが出来るようになるので、相乗効果をもたらすことができます。
コピー用紙は、きちんとした書類であれば真っ白い紙を利用しないといけませんが、担当内での検討資料や自分で読むだけためのものであれば、このような広告用紙でも全く差し支えないでしょう。自分もどうしてもディスプレイ上で読むよりは紙で印刷して読んだ方がいい場合もあるので紙に打ち出していますが、そんなときは印刷機能で両面印刷にしてさらに1枚に何ページも印刷できるようにします。
今後、無料で利用できる量が増え、協賛する会社が増えてくれば一気に広まって当たり前のように使われる時が来るかもしれません。とくぺぱも使用後は再利用することができれば循環型のリサイクルモデルができあがり、環境的にもプラスになるでしょう。身近にあるお金を払っているもののなかでできる無料ビジネスはまだまだたくさんあるかもしれません。
【参考】J-CASTニュース
http://www.j-cast.com/2010/03/06061230.html
フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略 (2009/11/21) クリス・アンダーソン |
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