下取りされた服や靴の行方
いらないものを回収して新たなビジネスにつなげるモデルは、近年新しい形として定着しつつあります。例えば古本をチェーンとして展開しているブックオフグループは、本だけでなく古着やハードウェア、ゴルフ用品など中古品を一手に扱う総合中古売り専門店になりました。いいものであれば中古品でもいいから安く手に入れたいという欲求は今後もどんどん高くなるばかりです。
そんな中、大型百貨店でも中心に洋服や靴の下取りセールが開催されるようになってきました。百貨店といえば高級でいい新品を取り扱っていて、中古品を売っているイメージがわきづらいのですが、お店で下取りされた洋服や靴はどこに行ってしまうのでしょうか。ブランドものも扱っている百貨店としては、同じ建物内に同じブランドの中古品を扱っていては、角が立ってしまうのではないかとずっと不思議に感じていたのですが、この答えを産経新聞のなかで見つけました。
お店で回収された服や靴は、中古品としてお店に並ぶのではなく、紳士用スーツなど衣服は自動車の断熱材や防音材に生まれ変わり、靴は店と取引する産業廃棄物回収業者に引き渡されるそうです。これは一例であり他の流通経路もあるのかもしれませんが、これならメーカーとしても余計な心配をしなくて済みそうです。消費者としては本当にもったいないと感じてしまいます。
靴は細かく切り刻み高温で溶かされ、それを熱源として水蒸気を作りだして発電に使われているそうです。残された灰は土木資材として歩道のれんがなどに再利用されているというのですから、まさに循環化社会を実現していて環境負荷を最小限に抑えているといえます。
消費者としては、下取りしてもらった靴や服の代金を原資としてまた新しい靴や服を購入している人が多いようで、売り上げ自体が3割から6割も上がっている店舗もあるそうです。確かに通常で購入するよりも下取り分を考慮するとずいぶん安く購入することができますし、オークションサイトで売るよりもお手軽なのは確かでしょう。さらに、それが環境対策にもなっていると考えると、社会貢献という観点からもすばらしい施策といえるでしょう。無駄なものを再利用するという考え方は、これからもすべての人への利益を生む形で広がっていくことでしょう。その足がかりとなれば、この下取りセールの果たす役割は非常に大きいと思います。
【参考】イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/topics/308813/
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