天地人 第27回「与六と与七」
今回はなんとなく考えさせられるテーマでした。兼続のいつも近くにいるからこそ、兼続の大きな存在の中に埋もれてしまって自分を出すことができない実頼は、ずっと思い悩んでいたのでしょう。奥方である小国家の娘とその父母のプレッシャーぶりもものすごいものがあります。ここまでいうとやり過ぎ感があるような気さえしてきます。特に奥方のしゃべり方、あんな奥さんがいたらストレスが溜まってしまうに違いありません。よく耐えました。
聚楽第の落成祝いで景勝の使者として上洛した実頼は、とにかく秀吉という大きな存在と雰囲気に飲まれてしまい、秀吉や茶々の言うことに従い官位と大国という名字を受け入れてしまいます。いいことなのかもしれませんが、あとでこのことが兼続や景勝の上杉としての考え方に反していることがわかります。このような官位がなくても上杉としての忠義は通すということを身をもって学ぶことになります。
後に上洛する兼続と景勝によってそのことを思い知ることになるのですが、このままぬるい環境のなかにいては成長できないと実頼はそのまま今日に残ることを決断することになります。確かに、弟としていつまでの与七と呼ばれ続け、予め正しい道ばかりを教えて貰っていてはいつまで経っても自分の実力を高めることはできないでしょう。そのことに気がついた実頼は、これからきっと大きく成長していくのでしょう。その成長の過程も描写して欲しいものです。
最後の場面でお船にとうとう子供が授かったことが分かります。それまで自分のもとから巣立っていく弟に少し寂しさを感じていた様子の兼続も、一瞬にして満面の笑顔になり不自然なまでの笑顔での見つめあいが10秒程度続きます。兼続としては、きっと父親がみせつけた子供のことを脳裏に感じていたに違いありません。すでに親ばか決定ですね。
次回は独眼竜正宗の登場です。歴史的な大物の登場にどのように上杉家が影響を受けていくのかを中心に注目したいと思います。
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