本日開店中 ようこそ高校生レストランへ
いま、私たちを取り巻く食の環境は危機的状況にあるといわれています。食糧自給率の低下、外国産食品の不安などなど、今まで普通に食べてきた食料がもはや普通に食べられなくなりつつあります。
そんななか、三重県の相可高校はある意味理想とも言える「食」の教育を行っています。この高校には、食物調理科があり、卒業と同時に調理師免許をとることができるということで人気があります。
ただ調理師免許をとるだけでなく実践を意識した教育を行っていて、多気町にあるレストラン「まごの店」を実際に運営しているのです。この店が人気な理由は、なんと言っても地元に密着していることが挙げられます。レストランで出たゴミを地元で堆肥にして野菜を作る、そこでできたトマトをまたまごの店に出荷するといった「地産地消」を実践しているのです。しょう油や卵といった基本的な食材は半径15km以内でGETしています。
その調理場の後ろの方では、生徒の接客などを先生が鋭くチェックしていて、時には目線を下げる、モノを落としたときにしっかりと謝るといった基本的なことを指示しています。
高校生なので、3年経つと卒業を迎えてしまいます。3年間勉強してきた調理場、お店、仲間、そして先生の言葉すべてが大切な財産です。
高校という場でこのような貴重な体験ができることは、人間的により大きくさせるだけでなく、和の心、お客様の立場になった真心のこもった料理を出そうという気持ちも、仲間たちとの思い出というスパイスによって増幅されるんですよね。
このようなところで、人間的に大きくなった生徒がより多くのところで活躍することによって、日本の食が守られていくんだと思います。地元で獲れたものを愛し、そして再利用していくサイクル「地産地消」を、食の心が増幅させることによって、食糧環境の打開につながるヒントが得られるかもしれません。
先進優良事例に学ぶ地産地消と地域再生 (2007/12) 二木 季男 |
◆関連する記事◆