あしたまにあーな

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龍馬伝 第17回「怪物、容堂」

2010年4月 25日 By: rainbow Category: 2010年_龍馬伝 No Comments →

一緒に見ている2歳の子供は、オープニングの龍の場面で「おばけだ」というようになりました。全作品である天地人では1歳だった息子は最後の高い山の上で直江兼続が立っているときに「高ーい」と叫んで以来の感想になって少し嬉しい気分になりました。

確かに、今回は怪物という言葉が題名になっているくらいですからオバケといいたくなるほど怖かったのかもしれません。怪物というとどうしても怪物くんの大野智を思い浮かべてしまいがちですが、今回は山内容堂のことになります。始めの方はようやく自分の進むべき道が決まった龍馬の張り切りようを伝えています。勝麟太郎が段々、どん兵衛のおじさんから変わってきて勝麟太郎に見えてきたというのもあるのかもしれません。人の目の慣れというものの恐ろしさを改めて理解させられてしまいました。

そんな龍馬は勝麟太郎の弟子として迎えてもらうことになります。ジョン万次郎も本格的に登場し、トータス松本がなんとも似合っています。なんとなく香川照之さんと似ている空気を感じるのは、その風貌のせいもあるのかもしれません。咸臨丸の中での龍馬はほとんど吠えているだけだったような気がしますが、それだけ興奮していたのだと思います。そしてとうとう神戸へ向かうことになり長年居続けた千葉道場とも別れの時がやってきます。佐那との最後の一戦は本当に息を呑む緊迫した戦いになりました。これで佐那は一生結婚をせずにひとりで生きる決意をすることになります。「好きだった」と佐那は言っていますが、好きという言葉はこの時代にもあったのでしょうか。

そして最後に諭すように話をする千葉定吉。里見浩太朗のように重鎮が伝える人生の教訓は、まるで現代の大人に対しても共通するかのような重みがあります。きっと、これを聞いて納得してしまった人は結構いるのではないでしょうか。若手の俳優がいくら出てきても、里見さんのような方がひとりでもいらっしゃることで、物語全体としてしっかりと骨のある内容になります。

そして今回のメインイベントである山内容堂が登場します。近藤正臣の不気味な雰囲気を醸し出した演技に完全に呑まれてしまいました。龍馬でなくても背筋が凍ってしまいそうになります。勝が話をするように土佐藩の実権を握っているのは容堂なので、これからどんどん下士たちの動きを抑えていくことになるのでしょう。その動きと、下士たちの戦いがどのように繰り広げられ、そしてどのような結末を迎えるのかすごく楽しみです。

◆龍馬伝紀行◆
高知県土佐清水市
 - 中濱万次郎生家跡
 - 中濱万次郎像

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龍馬伝 第10回「引きさかれた愛」

2010年3月 07日 By: rainbow Category: 2010年_龍馬伝 No Comments →

それにしても今回は見ている人の胸を痛くする場面が連続して苦しくなった回はないんじゃないでしょうか。それほどまでに龍馬を巡った女性たちの運命を感じたことはありません。1つの大きな転換点を迎えたのは間違いないでしょう。その運命に振り回される女性は加尾と佐那でした。

千葉道場で2回目の剣術修行を終えた龍馬は、佐那から改めて告白タイムとなったのですが、土佐に大切な人がいるからと佐那の気持ちを大切にしながらもしっかりと断りを入れます。この辺りの誠実さは本当にうまく表現できていてました。きっとこのお別れが佐那にとっても、1つの大切な思い出となって生き続けたために生涯独身を貫き龍馬を思い続けることができたのでしょう。

それほどまでに想い続けていた加尾に対して、土佐に戻りようやくプロポーズすることができます。あまりのうれしさにその場で大泣きする加尾。広末さんうまいですね。「ありがとう」というイントネーションのセリフもすっと出てきたようで、まるで映画・秘密のときの場面が蘇ってくるようでした。それほどまでに土佐言葉が自然と出てくるからこそ、こういった重要な場面ですっと気持ちが伝わって来るのかもしれません。龍馬に将来の夢に向かって一緒に歩んでいこうと言われ、道場を開くまでもなくすぐに結婚すればいいのにと思ったのですが、そこは段階があったのでしょう。

しばらくして彼らを運命が襲うのでした。兄の収二郎と武市半平太は加尾を京にいる攘夷派である三条実美の動きを密かに探るために、表向きはお世話係として行かせることにしたのです。半平太としても他の人を探ろうとした優しさはあったのですが、吉田東洋からお役ご免された柴田備後に利用されていたこともあり、柴田が加尾でない人を選んだ場合には誰かが腹を切る必要があるという言葉に、収二郎が呼応したのだと思います。自分の兄が目の前で切腹するか、自分が龍馬と夫婦になるのを諦めて京に向かうかという究極の選択肢を前にした加尾は、あまりにむごい状況です。選択の余地がほとんどないものを「自分が選んだ」と言われても龍馬には伝わらないでしょう。

これによって、30分くらいの幸せな状況が一気に絶望の淵へと落とされていくことになります。今後、龍馬はこの気持ちをどのように整理し、次につなげていくことになるのでしょうか。そして政治に利用された加尾の運命が幸せなものになって欲しいと歴史を見れば分かることではありますが、この時点で切に願ってやみません。後の加尾の句が紹介されています。

「あらし山花に心はとまるとも なれしみくにの春な忘れそ 八本こ」

最後に、3分程度登場した弥太郎は、東洋から救い出され長崎へと向かうことになります。なぜ東洋が弥太郎を名指しで選んだのか明確な説明がなかったので謎が残るところではありますが、牢屋のなかで計算式を書きまくっていた弥太郎は商売人としての素養を身につけたことでしょう。いよいよ三菱財閥構築の始まりです。

次回は、半平太たちが土佐勤王党を結党し本格的に攘夷活動が進んでいきます。土佐のトップである吉田東洋が開国派であるだけに厳しい弾圧が待っていることと思いますがどこまで善戦するのか楽しみにしたいと思います。

◆龍馬伝紀行◆
高知県高知市
 平井収二郎・加尾邸跡
 高知県立歴史民俗資料館
 鏡川


土佐の香り漂う龍馬入浴剤!12462 坂本龍馬の湯

龍馬伝 第9回「命の値段」

2010年2月 28日 By: rainbow Category: 2010年_龍馬伝 No Comments →

今回は実に内容の濃い回となりました。様々な人々の心の裏側や新たな才能を知ることができます。そんな人が今回は3人も登場することになります。まず一人目は佐那でしょう。2年4ヶ月ぶりに帰ってきた龍馬をずっと想い続けていてその間に料理や茶道など女性らしさを十分に磨き上げていたのでした。なんだか鬼小町などと言われていた初めの佐那とは全く違っていて、一人の恋する女性に変わっていて微笑ましい気持ちになれます。それでも、龍馬に迫ってみるとすんでの所で逃げられてしまい、結局自分の気持ちをうまく伝えられないまま終わってしまいそうな予感。この恋愛部分だけみると本当に大河ドラマであることを忘れてしまい、月曜9時のドラマを見ているような錯覚に襲われてしまいます。

2人目は、岩崎弥太郎でしょう。牢屋でのボロボロになった状態は、これまで以上に凄い状況になっているのですが、もはや香川照之さんの役柄にすごく似合っているのではないかと思い始めてしまいます。牢屋の中で出会った謎の男性に商売について教えられます。まさにこのシーンはキリスト誕生をイメージしたそうで牢屋の中に入る一筋の光は凄い演出でした。需要があれば値段は上がるという、すごく簡単でわかりやすいだけに、弥太郎にとっても目から鱗のような話だったと思います。これが三菱財閥のきっかけになった出来事だったのかもしれません。きっと三菱系の会社の関係者の方は、この老人に感謝しているのではないでしょうか。今回はこの老人が誰なのか分かりませんでしたが、いずれ分かる日も来るでしょう。

3人目は、武市さんです。土佐を出る頃から攘夷を叫んでいましたが、実際に桂小五郎のような他の藩で叫んでいるひとと比べると自分の藩への影響力のなさに愕然とし恥ずかしい思いをすることになります。周囲は武市を先生と呼ぶだけに何とかしないといけないという焦りもあったのでしょう。山本琢磨に関する事件では武市さんよりも龍馬の方に男を感じる結果になってしまいましたが、彼なりに難しい立場をなんとかしようと考えた末だったのでしょう。

前回の弥太郎のナレーションにもありましたが、龍馬・弥太郎と武市たちは違った道を歩んでいくことになります。まだその分かれ道は見えませんが、攘夷派が打ち払う相手の大きさを知ったとき、見えてくるものなのかもしれません。

そんな3人と大きく絡んでいる龍馬もまた、自分の居場所、考え方に悩みつつも少しずつ進むべき道を見つけつつあるような印象を受けます。次回はそんな龍馬と両思いである加尾との間を決定的に引き裂かれる場面がやってきます。歴史の流れに逆らえない彼らの無念をかみしめながら次回を待ちたいと思います。

◆龍馬伝紀行◆
東京都千代田区
– 東京復活大聖堂教会(ニコライ堂)

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(2010/05/25)
青島文化教材社

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