あしたまにあーな

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八重の桜 第2回「やむにやまれぬ心」

2013年1月 14日 By: rainbow Category: 2013年_八重の桜 1 Comment →

前回から引き続き子役の八重役で登場している鈴木梨央さんがいい味を出しています。鉄砲を学びたいという強い思いに対して、父である権八も見事な説得を行います。

それは、鉄砲を夢見るのは構わないがそれ自身が殺生の道具であり、生半可な気持ちで考えてはならないということ。すごく良いことをいいます。実際に狩りに参加させその無残な殺生は、時に人に向けられてしまうということも。

それでも、最後の最後は八重の兄である覚馬の助言もあり、鉄砲を学ぶことを許されることになります。いつの時代も異端児には冷たいのは世の常。この時代に女性が鉄砲を扱っていることに対して、ものすごい逆風があるに違いありません。

それでもやりたいと願うとき、八重はその覚悟をもったのでしょう。自分で人生を決めた人は強く生きることができ、八重もこの時から歴史に名を残す人への階段を上っていったのかもしれません。

おそらく、しばらくは八重の生活は会津の中に閉じるので、それ以外の大きな流れとして覚馬が大きな役割を果たすことになりそうです。その覚馬は佐久間象山の塾で黒船の来航以来、ものすごいカルチャーショックを受け西洋に追いつくためにどうしたらいいのか焦っていました。

この塾で、今後世の中的に八重的にも重要な人々が次々と登場します。まず世の中的には勝海舟、西郷隆盛、佐久間象山、吉田松陰など。特に勝は生瀬さんがいつものかるーい感じで佐久間の塾から看板を持ち去り、うちにおいでよと誘います。この軽さは同じNHKのサラリーマンNEOで培ったものであると推測されます。

八重的には川崎尚之助といった面々であり、どちらも世の中を変えたいという強い思いを持った人々ばかりでした。こういった歴史のなかで有名で、志を持った人々を見ていると、見ている方も元気づけられるような気がしてきます。

さて、次回は尚之助と八重の初対面です。どのような場面になるのか、そして世の中はどのように流れていくのか、どちらも楽しみで仕方ありません。

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八重の桜 第1回「ならぬことはならぬ」

2013年1月 06日 By: rainbow Category: 2013年_八重の桜 No Comments →

冒頭から綾?はるかさんがスペンサー銃を構えて戦う姿にものすごく衝撃を受けました。大河ドラマを見ようと思っていたのに、突然アメリカの南北戦争の場面から始まり、さらにその南北戦争と同期しているかのように会津戦争で山本八重が戦っています。この辺りで既に物語にのめり込んでしまったのかもしれません。やはり大河ドラマと幕末は何となく相性が良いようで、見ていてやはり落ち着くものがあります。

物語は、突然17年前にさかのぼります。前回の清盛でも物語の初めは最終局面を描き、そこからさかのぼる同じ構成ですが、17年前ということはこれから全50回ですから、この間の内容をものすごく濃く描くことになるのでしょう。第1回となる今回は、開国までの内容でしたが、思ったよりも早く時代が流れていってしまうのは気のせいでしょうか。

女性が主人公となるものとして、数年前の篤姫などがあげられますが、今回との共通点はとにかく元気でありその当時の女性像を覆す程のバイタリティーが溢れていること。それによって周囲には煙たがられたり異端視されてしまったりもするのですが、その強い思いがやがて光明をもたらしていくというパターンでしょう。

物語中で登場する会津では、家訓などによって教育思想が定着しており、藩としては将軍家に仕えること、藩内の子供達には年長者を敬い、ならぬことはならぬものなのです、で締めくくられます。こういった厳しい規律の中で八重のように枠から外れて行動する女性は色々な見られ方をしたことでしょう。それがどのように時代を突き進んでいったのかしっかりと見てみたいと思います。

八重が夢中になったのが鉄砲でした。子役の鈴木梨央さんの演技は本当に上手で完全に引き込まれてしまいました。追鳥狩での西郷頼母や藩主・松平容保との出会い。ここでの出来事がこの先の進路を定めていくことになるのです。

まだまだ始まったばかりですが、キャストも重厚な部分にはしっかりとした役者を割り当て、新鮮さを出したい部分では上手に今的な役者が演じています。これから上手くこれらの人々が回っていくといいと思います。

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福島県会津若松市
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坂の上の雲 第10回「旅順総攻撃」

2011年12月 04日 By: rainbow Category: 坂の上の雲 No Comments →

とうとう最終部となる第3部が始まりました。始まりの時間が7時半からでもう少しで見逃すところでしたが、時間が長い分映画を観ているかのような感覚になりました。その一つ一つの出来はものすごく、これが1年間続いてくれれば史上最高の大河ドラマになったのではないかと思えるほど。久々にわくわくしながら最後まで見ることができました。

1ヶ月ほど前から復習するための番組が放送されていてしっかり復習をしたおかげか、タイムラグをあまり感じることなく今回の旅順攻撃の場面に入っていくことができました。前回まででロシアと侵攻のある広瀬が亡くなり、さらに正岡子規もなくなったことから、第3部は日露戦争を描くことがほとんどになるのだろうと思っていましたが、今回のバランスを考えてもその通りであることが分かります。

物語のはじめは日銀副総裁の高橋是清が日露戦争の戦費調達を行うためにイギリスに滞在することから。当たり前の話ですが戦争を進めるためにはお金が必要であり、自国のお金だけでまかなえるものではないので、他国から融資してもらわなければなりません。この当たり前のことを、しっかりと描いているドラマを見たのは自分の中でこれ以外にありません。

日露戦争で戦っている人々以外にも日本を勝利に導くために必死になって戦っている人がいるのです。ユダヤ人の金融家が日本に融資しますが、それはロシアのユダヤ人に対する仕打ちがあまりにもひどいことが起因していて、そういったことを高橋是清は「世界は複雑だ」と表現します。今の時代に高橋是清がいたら、彼はなんと嘆くのだろうとつい考えてしまいます。

そんなお金を工面してくれたにも関わらず、陸軍が旅順で戦っている間はつねにお金がなく、玉がないと嘆きます。限られた予算を陸軍のこの第三軍にうまく渡せなかったのかもしれません。柄本明さんが演じる乃木希典は何の情報もないのに上からは期日だけは迫られ、正面突破を人海戦術で攻めるしかありませんでした。このドラマに出てくる俳優や女優はみなさん、うまい人ばかりなのですが、中でも柄本明さんの迫真の戦いぶりは、観ているこっちも息をのむほどでした。戦闘シーンで、どうしてこんなにリアリティがあるのだろうと不思議に思っていたら、NHKのWebページにその答えがありました。

それは、歩兵一人一人の表情がしっかり見えるということ。ご飯を食べて一息ついている場面や、決死の戦いをしている最中の表情、そのすべてがつぶさに写っているのです。こういうシーンでは、指揮官ばかりが注目され、兵はひとかたまりで表現されるのですが、このドラマではそれをよしとしないところに、クオリティの高さを感じます。

その旅順から離れた遼陽の近くに好古はいました。真之が感情の起伏をあらわにし、上のものから諭されていたのに対して、好古はほぼ完璧な振る舞い。さすがです。敵情視察の兵士をねぎらい、その報告にそってロシア陸軍を横から攻めて撤退に至らせます。危なげなく任務に当たっている好古をみると、昔からこのひとは弱い部分がないなと感じ、常に比べられる弟の真之に同情してしまいます。いつか必ずある失敗が命に関わる問題でないことを祈ってしまいます。

さらにそこから遠く離れた船上には秋山真之が、連合艦隊の一員として旅順港を常に監視していましたが、今回は弱い部分を思い切り周囲にさらけ出してしまいました。これも昔からの彼のキャラクターではありますが、正しいことをきちっと述べるいい面と、頭に血が上ってしまった時の突発的な行動には激しい落差があります。今回すごく感じたのは戦場で、1つ誤った判断をしてしまうと多くの兵士を失い、命もなくなってしまうということ。真之の冷静さを失う行動の裏に、多くの命がなくなるリスクを考えると、参謀長の島村の背負い投げも当たり前のことのように思います。

しかし、真之には周囲にあまりのも大人ですばらしい判断ができる上司がたくさんいるということが、安心材料ではあります。先ほどの島村を始め、東郷平八郎といった石原軍団の重鎮がきっちりと抑えてくれているので、きっと大丈夫でしょう。どうしようもなく厳しい戦いはきっといい方向に向かってくれるのではないかと期待させられます。

次回は、二〇三高地攻めです。一つ一つの話が独立していて、それらの関連性は非常に薄いのですが、過去の絡みを脳裏に浮かべながら、すべての関係者が登場し続け、どのように生きていくのかをチェックしながら観ていくと面白いと思います。