あしたまにあーな

毎日の生活に ほんのちょっとのうるおいが 届きますように



平清盛 第27回「宿命の対決」

2012年7月 08日 By: rainbow Category: 2012年_平清盛 No Comments →

前回から始まっていた平治の乱ですが、一から内裏で守りを固める源氏の方が不利な状況だったようにみられます。それは頭が藤原信頼であり彼は完全にたるみきっているからに他なりません。塚地武雅ということで、必ず落ちを見せてくれると思っていましたが、その予想通り「誰か私を守れ」といいながら慌てふためる醜態をさらします。きっと2枚目俳優ではこの演技をすることもできなかったでしょうし、そもそもそのオファーも来なかったことでしょう。

実質今回が平治の乱の本編ということになり、平氏一門と源氏一門が相まみえます。初めの士気は源氏の方が高かったのですが、その裏をかいて藤原信頼への忠誠を誓います。内裏の内部から翻るものも登場したことにより、完全に形成が逆転します。この辺り結果的にはうまくいきましたが、かなりの賭けであったように感じます。一歩間違えれば、逆に平氏がやられてしまったことにもつながりかねません。

それでも結果としては、源氏に心の隙ができ、そこに平氏が付くことによって、後鳥羽上皇と帝を六波羅に救い出し官軍となって圧倒的な心の支えをつかんだ平氏が勝利することになります。

最後は義朝と清盛の一騎打ちという、ドラマ的には盛り上がるのですが歴史的に本当にあったことなのかが謎なシーンが延々と続きます。二人がともに切磋琢磨しながら成長を続けてきたことがこのドラマの柱の一つなので、ここまで力を入れるのは当たり前のことでしょう。最後に清盛は義朝に刀を突き刺し、負けたことを悟らせるのです。かっこいいのですが、どこか冷静に見てしまう自分がもどかしくもありました。

戦争で負けてしまうと、残酷な仕打ちが待っています。それはこの時代に置いても保元の乱で痛いほどわかったもの。義朝を始め源氏に待ち受けているものはとてつもない過酷なものでしょう。その中から歴史が明らかにしている状況を作り上げたことができた源氏の盛り返しようが次の楽しみになりそうです。

◆清盛紀行◆
京都府京都市
 - 常盤
 - 光念寺

平清盛 第26回「平治の乱」

2012年7月 01日 By: rainbow Category: 2012年_平清盛 No Comments →

平治の乱とはいってもどこからが戦の始まりだったのか、見終わった今でもよくわかりませんでした。後白河上皇たちが源氏によって幽閉されてしまい、信西たちが京から逃れていったタイミングで既に戦は始まっていたのかもしれませんが、実際に剣を使った戦というのは少しだけ違う感じでジワジワとした始まりだったような感じ。

この戦いを主導したのが源氏ということで、朝廷は文字通り源氏に牛耳られる状態になってしまい、その中で円力を分け与え合っている状況が繰り広げても、完全にうわべだけの世界になってしまっていました。官位などは後ほど何かに役に立つこともあるので、むげに断ることなく受け取っておけばいいのにと思ってしまうのですが、義平のように官位よりも軍勢をほしがるような人もいるのは、なんだか不思議な感じがします。

今回の最大の見せ場は、信西の逃走シーンでしょう。必死の形相で逃げる信西のともにいたのが師光でした。きっと信西が見つかるのはこの人がいるからではないかと思えるくらい派手な格好をしていて、まるで「信西はここにいますよ。見つけて下さい」と言わんばかりの服装。結果として師光のせいで見つかるようなことはありませんでしたが、最期までヒヤヒヤものでした。

みんなを避難させる信西に、崇徳上皇を重ねてしまい、この時代のトレンドだったのかと思ってしまいます。信西は最期まで清盛がくるのを待っていて、見つかったときも清盛を重ねます。この辺りの演出はやや過剰気味であったような気がするのは気のせいかもしれませんが、信西は最後の勝負に負け、捕らえられて自ら命を絶ちます。

阿部サダヲさんの演技もすばらしく、この辺りは完全に自分も飲まれてしまいました。「誰でもいいから助けてくれ」という、名言とユーモアをドラマの中に残しつつ、静かに退場することになります。

次回からは、とうとう義朝と清盛の一騎打ち。平治の乱もクライマックスを迎えます。歴史の世界では既に結果は分かっているのですが、平氏と源氏のどちらが強いのかという本当のドラマが今始まろうとしていて、その大きな分岐点を迎えています。大きな転換期が今から楽しみです。

◆清盛紀行◆
和歌山県那智勝浦町
 - 那智の滝
 - 熊野那智大社
 - 青岸渡寺

和歌山県新宮市
 - 熊野速玉大社
 - 梛(ナギ)の木

平清盛 第25回「見果てぬ夢」

2012年6月 24日 By: rainbow Category: 2012年_平清盛 No Comments →

今回は少しばかり見所が多かったように感じます。というのも生きるのに必死であり、何とか自分の一族の誇りを取り戻し、自分たち中心の世の中にしようとする源氏の思いが強烈に全面に出たからでしょう。そのくらい今回の玉木宏さんの演技は迫真に迫っていたような気がします。

途中までは、信西と清盛を中心とした政治について描かれています。後白河上皇はほとんど登場せず塚地武雅と遊びまくっています。最後にはその藤原信頼に官位を与えてほしいという無茶ぶりまで登場する始末。後白河上皇ってそんな人物だったっけ?と思ってしまうほどの、ちょい役と以前の無邪気っぷりに、ちょっと引いてしまいます。

その信西の政をよく思っていないのが、二条天皇の親政派です。自分たちの要求が通らず、頭ごなしに言われてしまうというシーンを1度見せつけられただけなのですが、彼らはむかついたのでしょう。信西の首を取るように、義朝に話します。この辺りの展開がものすごく急なので、視聴者もなかなか付いていって、感情を移入することが難しかったのではないでしょうか。言っていることは、信西の方が正しいように思えますし、親政派の人たちがどのような国作りをしたいのかということまで知ることができないので、このように感じてしまうのは当たり前のことでしょう。

とにかくあっという間に、ヒートアップした親政派によって、義朝は動かされていくことになります。この結果として平治の乱に突入することになるのですが、もう少し双方の言い分を聞いてからでないと、次の展開でどっちが勝っても、それでどうなのか把握するのが難しいような気がします。次回の前半でもいいので、そのような描写があってくれることを期待したいと思います。

清盛と義朝のライバルの他に、今回目立った動きをしていたのが、頼朝です。清盛に酌をするのですが、そこでこぼしてしまい、それだけで「やはり一番強いのは平氏だ。お前のような弱いやつがいる源氏はダメダメ」とまで言われ、悔しさであふれた表情に。しかし、その後義朝の若い頃の話を聞いて、自分が清盛から激励されていることを知ります。この展開が先でどのように影響を及ぼすのか全く分からないのですが、自明な伏線が多いこのドラマにあって、このシーンも何らかの意味を持っているに違いありません。

さて次回はとうとう平治の乱。すでに信西には、「2年後には遣唐使を再開できるぞ」と将来の希望を告げるという死亡フラグが立っていますが、その最期の生き様をしっかりと見ていきたいと思います。

◆清盛紀行◆
広島県廿日市市
 - 地御前神社
 - 宮島
 - 厳島神社
 - 弥山