あしたまにあーな

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あしたまにあーな > 松方弘樹


天地人 第42回「将軍誕生」

2009年10月 18日 By: rainbow Category: 2009年_天地人 No Comments →

物語はしばし戦の状況から人間の内面をクローズアップしたものに変わっていきます。今回は人間の生きる尊厳を改めて感じる回となりました。まずその始めが景勝の正室であるお菊です。お菊は自身が側室の子供である武田勝頼の妹という身であることで肩身の狭い思いをしたことから、必ずや正室である自分が子供を産むのだと思っていたのですが、それもかなわず、お見舞いに来た景勝に側室を持つように諭します。

景勝も十分にお菊のことを思い、側室を持たなかったのは夫婦の愛情や人と人との結びつきを大切にする上杉家の家風を地でいくような立派な姿でした。お菊は1604年に42才でこの世を去るのですが、その後に望んだ秀頼への年賀の挨拶で泣き崩れてしまう様子に人間臭さを感じました。普段はあまり感情を表に出さない景勝はこういったポイントでは人として魅力的な一面を見せるのですね。これが家臣がしっかりとついてくる要因なのかもしれません。

もうひとつは、兼続の子供である竹松です。ご存じ加藤清史郎くんがあまり多くないセリフにも関わらず存在感を見せつけているのですが、高熱にうなされるも母親であるお船が帰ってきたことで元気がでたのか、次第に解放に向かいます。お菊が亡くなったこと通じて兼続は竹松に命の大切さを訴えるのです。こういう実在を伴った話は説得力があり、竹松もしっかりと生きなければならないと改めて感じたのではないでしょうか。

それにしても、徳川家康の家臣になっている遠山康光はすごい悪役オーラが出まくってますね。演じている螢雪次朗さんがそういう風にあえて演じているのかもしれませんが、次々と君主を変えて、今回徳川家康の側で思いきり兼続をののしっています。史実では、御館のときに景虎とともに自害しているようなのですが、天地人では引っ張っているのでしょう。こういうぴりっとした雰囲気の役があると引き締まります。次回はまた騒動が起こりそうな感じなのですが、とりあえず1週間は命の大切さについて心に刻んでおきたいと思います。

□■天地人紀行■□
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天地人 第41回「上杉の生きる道」

2009年10月 12日 By: rainbow Category: 2009年_天地人 No Comments →

今回の天地人は人間模様をすごく表現していて、戦のシーンに頼らない人間そのものの心を表現している自分にとってあるべき大河ドラマであったと思います。徳川の世の中が到来し日本が家康によって平定されようとしている今、兼続や上杉にとって次の生き方を模索しもがいている苦しい時代でした。

上杉は、会津から米沢へ移され石高が下がってしまったにも関わらずほぼすべての家臣を引き連れて米沢へ移動します。重臣たちも一つの建物に複数の家族が一緒に住み、苦しい家計を何とかやりくりする必要がありましたが、それなりに楽しい生活になったようです。
そんな中、まずはじめの人間ドラマがやってきます。上杉家を守るため直江家を本多正信に託し、自分の嫡男である竹松に後を継がせないことにします。なんと言っても加藤清史郎くんに尽きるこの場面は、なんか不思議な気分になった人も多いのではないでしょうか。高嶋政伸が演じる兼続の父、惣右衛門が昔の兼続を思い出す回想シーンでも加藤清史郎くんが登場し、今に戻ってきても加藤清史郎くんが出ているのですからどっちがどっちだかわからなくなってしまいます。父の愛を疑うなというセリフにぐっと来てしまいました。

この後は、次第に惣右衛門の最期がやってきます。兼続と酒を飲み交わし兼続が父のような父になりたいと言うと、惣右衛門も兼続のことを誇りだとお互いに認め合います。どちらの気持ちも分かりますが、自分はどちらかというと兼続の方に感情移入してしまいました。影で支えて叱咤激励してくれる父に自分もなりたいと改めて思います。このあたりですこしじーんと来ていたのですが、最期に縁側で人生を全うしやるべき事をやったという満足感をもって笑顔で眠るようにこの世を去っていった惣右衛門。高嶋政伸もうまく演じていて、物語の骨格をしっかりと作ってくれる名演技でした。

次回からは、ドラマも終盤に迫ってきます。兼続には心の支えのひとりをなくすことになりますが、それは同時に人を成長させることにもなります。どのように上杉をもり立ててて行くのか、楽しみにしたいと思います。

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天地人 第40回「上杉転落」

2009年10月 04日 By: rainbow Category: 2009年_天地人 1 Comment →

関ヶ原の戦いによって西軍側についた大名たちは次々と処分されていきます。前回の石田三成だけでなく、毛利輝元や真田親子といった武将にも及んでいて決して上杉も例外ではありませんでした。三成に自分たちの正義を後世に伝えていくと約束した兼続は、家康によってお家取りつぶしが決定的な時期に、どのようにしたらその約束を守っていけるのかを悩みます。そして出した答えが直江家を本多正信の次男へ譲るというものでした。

兼続には竹松という嫡男がいるにも関わらず、本多から男子を受け入れるということは竹松が今後どうなってしまうのか想像することさえできません。せっかく加藤清史郎くんが通常の子供の何倍ものセリフがある不思議な状況を作りだしていても、長続きしないかもしれません。非常に残念です。

頭を下げればいいのにと感じたひとも多いと思いますが、それでは上杉としての心が折れてしまうことになります。それだけは避けたいと思ったのでしょう。家康に謝罪することなく、上杉の義の精神を伝え自分たちの沙汰を待ちます。このシーンは中々心苦しい場面でした。兼続と景勝が何も言わずに酒を酌み交わす姿は、自分たちのこれからの未来の不安をよく表現できていたと思います。ここにきて内容がしっかりと腰を据えたものになってきて奇をてらったものが少なくなってきたような気がします。

心でつながっている上杉家の家臣たちは、減封され会津若松から米沢へ移ったとしてもびくともしないんですね。このつながりはきっとこれから先苦しいことがあったとしても何とかしていこうというプラスの力が働くことになりやすい状況でしょう。30万石を何倍にもしていくための方法を今後兼続たちは考えて実行していくと思いますが、どのように団結して困難に立ち向かっていくのかが楽しみです。

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