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個人でもCO2排出権取引ができる時代に

2010年11月 25日 By: rainbow Category: 環境問題 No Comments →

日本は2009年の二酸化炭素排出量が前年比で11.8%削減することができました。景気が低迷したことも要因としてありますが、環境立国を世界に指し示す上で先進国の中でトップレベルの削減量を達成したのは非常に意義深いと思います。ちなみに他の国について見てみると、アメリカが6.9%減、ドイツが7.0%減となったのに対して中国が8.0%増、インドが6.2%増と新興国の排出量が軒並み増えたことによって世界全体の排出量は前年比で1.3%減にとどまったそうです。

人々の関心も高く、エコへの取り組みについては日常生活の中に定着しつつあるといえます。このような社会的な盛り上がりを受けてとうとうCO2排出権取引を個人でもできるようになりそうです。システムを開発したのは凸版印刷、日本ユニシス、国立情報学研究所で、システムの内容としては排出権を付加した「カーボンオフセット(相殺)」型の商品を購入すると、ポイントのような感覚で排出権を得られ、寄付したり売却したりできるようになるのです。

これまでもカーボンオフセットをセットにした商品は数多くありました。しかしそれらはメーカーが国などに寄付するという約束だけであり、購入した個人は排出権を自由に扱うことはできませんでした。メーカーとしても社会貢献活動の一環という要素が非常に大きかったのです。今回個人が排出権を得て、自由に扱うことができるようになることから、今まで以上に高い関心をもって接することができるようになると思います。

排出権の流れですが、まずメーカーは排出枠の規模などの情報をICタグやQRコードとして商品に表示します。消費者は小売店の店頭で排出権取引口座を開設し、購入した商品についているICタグやQRコードを読み込むことによってメーカーから口座に振り込まれる仕組みです。

この仕組みは早ければ2011年2月から実証実験を開始し、2012年度には実用化される見通しとなっています。これによって、社会貢献活動として参加していたカーボンオフセット商品の購入も、実利を伴って積極的に参加することができるようになることから、まさに一石二鳥の施策といえるのではないでしょうか。早期に実現して欲しいと思います。

【参考】日本経済新聞 2010/11/25

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(2008/10)
みずほ情報総研

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削減すべき9.6%の温室効果ガスの値段

2009年5月 03日 By: rainbow Category: 環境問題 No Comments →

温室効果ガスの削減については、世界的リーダーの一人として取り組んできた問題です。気候変動枠組条約の目的を達成するために、京都で開かれた第3回締約国会議にて採択された京都議定書は1997年のこと。それから10年以上が経過した今、日本は少々困った状況になっているのです。その気づきを与えてくれたのが、とあるニュースの出来事でした。

環境省が2007年度の温室効果ガス排出量(確定値)は約13億7400万トンで、前年度比で約2.4%増えたと発表したのです。京都議定書の基準年となる1990年に比べて約9%も増加しており、削減分に繰り入れることができる森林によるガス吸収量などを考慮しても、京都議定書の日本の削減目標を達成するには、08-12年度の平均排出量を07年度より約9.6%減らす必要があるとのこと。

増加してしまった要因として、以下が挙げられています。
・エアコンや業務用冷凍機器に冷媒として使われているガスが当初考えられていたよりも多く大気中に漏れていることがわかったこと
・新潟県中越沖地震以降に東京電力柏崎刈羽原発の運転停止や渇水による水力発電電力量の減少などでCO2排出量の多い火力発電電力量が大幅に増えたこと

要因はともかく、9.6%削減するというのは本当に実現することができるのでしょうか。普段から市民レベルで買い物袋をエコバックにしているとか、水の使いすぎをしないようにする、なるべく電車を使うようにする等の努力を行っていますが、それでもこのような結果になっているのです。

最悪のケースとして、この9.6%分である約1億3,000万トンを全て他の国から排出権として購入するとどのくらいの金額になるか試算してみました。EEX(European Energy Exchange)の2009年度における先物価格(Second Period European Carbon Futures)を参考にすると、14.15ユーロ/トンとなっています。日本円で換算すると、1,853円/トンとなります。つまり1億3,000万トンの金額は、2,396億円にものぼる計算になります。

この金額を見ると愕然としてしまいます。もちろんこれからの努力によって金額は下がるでしょうし、取引単価も下がるかもしれません。しかし、最悪のシナリオを考えた場合確実に数年後にはこの現実がやってくるのです。

この額を支払うのは他でもない我々なのです。国民一人あたり約1,900円の負担になります。これを単純に支払うのがベストなのでしょうか。少なくとも自分にはそうは思えません。もっと劇的に温室効果ガスを減らすための施策を国が主導となって行うべきだと思います。

世の中には数多くの温室効果ガスを低減させる施策があります。太陽光発電、電力消費を抑えた電球、リサイクルの推進、ハイブリッドカーの導入など数え上げればきりがありません。しかしこれらの商品は既存のものと比較して高額であるものが多く、消費者にとって多くの出費が伴うことから、一部の人が導入するに留まっています。

国は将来支払うべき金額を排出権として出費するのではなく、このような施策に対して支援する形でもっと積極的に多くの補助をすべきだと思います。通常のものよりも安いくらいまで補助することができれば、消費者も必ず導入します。それが結果的に関心を高める結果にもつながり、社会全体の義務として認知されていくのではないでしょうか。

【参考】
・毎日jp http://mainichi.jp/life/ecology/news/20090501ddm008020057000c.html
・EEX http://www.eex.com/en/


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CO2排出量表示をうまく利用するには

2009年3月 05日 By: rainbow Category: 環境問題 No Comments →

カーボンフットプリント商品の活性化施策(案)

二酸化炭素を削減しようとする動きが最近さらに加速しつつあります。その動きを加速させている一人として、東京大学総長の小宮山宏が挙げられるでしょう。小宮山さんはご自宅に太陽光発電パネルを取り付け、積極的にエコ活動を実践しています。

この動きの中で、経済産業省は原材料の調達から廃棄・リサイクルまでの全過程で排出される二酸化炭素量の算定ルールを決め、排出量を表示した「カーボンフットプリント商品」の試験販売に乗り出すと発表しました。

これだけ聞いているとよく分からないのですが、商品・サービスの原材料調達から廃棄・リサイクルまで排出された温室効果ガスをCO2に換算して簡易な方法で分かりやすく表示したものになります。この導入によって様々なメリットがあるとされています。産業界にとっては、削減効率の高いポイントを把握し事業者単位を超えた一体的な削減対策を実現することができ、消費者にとっては、消費・使用段階でのCO2の排出量の自覚・削減ができるのです。

同じ値段であれば、排出量の少ないものを選択しようとする買い方を促すことが目的とみられます。今はまだ実験段階ではありますが、消費者が二酸化炭素の排出量を意識するようになれば、自然に企業としても排出量を意識したものづくりをすると思います。

以下に、主なカーボンフットプリント品の排出量を見てみましょう。
・電球形蛍光ランプ(ネオボールZリアルPRIDE)/東芝ライテック(株)
 CO2:4.6g(1時間使用あたり)?総排出量は55.29g
・電球形LEDランプ(E?CORE)/東芝ライテック(株)
 CO2:2.6g(1時間使用あたり)?総排出量は52.58g
・充電池単3型/イオン(株)
 CO2:1.9g(1回充電あたり)?総排出量は4,905g
・キャンパスノート/コクヨS&T(株)
 CO2:197g
・ムーニーマンスリムパンツ/ユニ・チャーム(株)
 CO2:6,252g
・デンタークリアMAX/ライオン(株)
 CO2:196g
・メリットシャンプー(詰め替え)/花王(株)
 CO2:9.0?
・おにぎり(焼さけハラミ・生たらこ・すじこ)/ローソン(株)
 CO2:(焼さけハラミ219g、生たらこ267g、すじこ179g)
・ニンジン・玉ねぎ/イオン(株)
 CO2:(ニンジン265g、玉ねぎ221g)
・ポテトチップス(コンソメパンチ)/カルビー(株)
 CO2:232g
・チキンラーメン(5食パック)/日清食品ホールディングス(株)
 CO2:930g
・カゴメトマトジュース/カゴメ(株)
 CO2:149g
・サッポロ黒ラベル/サッポロビール(株)
 CO2:295g

一方で、表示に対して消費者が意識するような施策をサービス提供者が考えて実施していかないと、多くの商品に根付いていかないのではないかと思います。そこで、一つの施策案を提案したいと思います。

それは、メーカーが温暖化ガス削減商品を作成し排出権を抑えられた際に、その排出権を売買し利益を得ます。その利益を小売業者へ分配し、小売業者はそれを原資としてポイント還元をするなりして、消費者へ提供します。

スーパーでは、レジでバーコードを読み込んだ際に排出量を読み込み、対象商品であればエコポイントを付与すると共に、レシートには排出量を記録します。これにより、ものを購入するときに以下に少ない排出量の商品を選択するか自然と消費者は考えるようになるのではないでしょうか。企業としても努力することによって、消費者へファンを拡大することができると思います。

このようにして業界が一体となって、排出量を意識し、それを表示して消費者をうまく教育しながら全体としてビジネスを行う工夫が求められるのではないでしょうか。

【参考】
・フジサンケイBusiness-i
 http://www.business-i.jp/news/kinyu-page/news/200903040076a.nwc
・ウッドマイルズ研究会
http://woodmiles.net/cgi-2008/cgi-event/gallery.cgi?no=28


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