あしたまにあーな

毎日の生活に ほんのちょっとのうるおいが 届きますように



プラスのギャップを巧みにつく心理戦略

2010年9月 02日 By: rainbow Category: ビジネス No Comments →

「すごくチャラチャラしていて派手な感じの男性なんだけど、話をしてみるとすごく丁寧で仕事も完璧」

「日頃はツンツンしている彼女だけど、ときおり見せる笑顔をみると余計好きになる」

「仕事中はすごく厳しく決して笑ったりしないのに、仕事が終わって飲みに行った時に時折子供のような笑顔を見せる」

「あんまり期待せずに見ていた漫才が予想以上に面白く、それ以来その漫才師がお気に入りになった」

このように、始めに感じていたマイナスの印象を後に大きくプラスに転じることができたとき、人は相手に対していつも以上に好意を寄せる傾向にあるといえます。恋愛であれば相手のことを好きになってしまったり、ものやサービスであれば気に入ってリピーターになったりします。

この印象の逆転現象はマイナスからプラスに転じる場合のみ有効であり、その逆では好印象を残すことはできません。期待だけが大きく膨らみ、その実態が予想以下であった場合には、例えものやサービス、人物が魅力的なものであっても、人はそれに対していい印象をもつことはないでしょう。感動プロデューサーの平野秀典さんは、このプラスのギャップを感動力として表現し、人はプラスのギャップが大きくなるほど、「満足」→「感動」→「感謝」と心を動かすことができるとしています。

このプラスのギャップを実際に商品開発に活かしている例をいくつか紹介しましょう。例えば、最近ブームになった「食べるラー油」。通常であればラー油は調味料のひとつとしての認識なのですが、ガーリックなどの塩味や食感のある具材と合わせることによって食べることができ、それがおいしいという意外性がプラスのギャップをうんでいるといえます。

また、「キシリクリスタル」はこれまでひんやりとしていてクール感という印象のキシリトールの飴と、甘いミルク味という完全に相反するふたつの組み合わせを実現しています。これも始めは味に対してはてなマークをもつ人が実際に食べてみてこの組み合わせが今までにない斬新な味で、しかもおいしいということからプラスのギャップうみ大ヒット商品となっているといいます。

このようなプラスのギャップを生む商品は、始めの商品を企画する段階ではマイナスイメージであることがポイントとなります。あまりおいしくなさそう、楽しくなさそうというネガティブイメージを持ってしまいがちなものを、実際に体験することによってちょっとした美味しさや楽しさを経験させることによって、通常以上の大きな反響を得ることができるのです。決してとんでもなくすごい成果をあげる必要は無く、ネガティブイメージを払拭させる効果を提供するだけで、大きなプラスイメージを相手に与えることができます。

受け手の印象が非常に重要となる商品プロモーションや、恋愛、テレビタレントといった分野において、ギャップを活用する方法は広く有効だと思います。始めはネガティブな要素が多いことから、相手や周囲から好意的に見てもらえないことも多いと思いますが、そこを打破しいかにプラスに転じるか、その方法こそが重要なポイントとなるのではないでしょうか。

【参考】Excite Bit コネタ
http://www.excite.co.jp/News/bit/E1282721896077.html

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堀 公俊

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値上げや有料にしても満足させる方法

2010年6月 20日 By: rainbow Category: ビジネス No Comments →

今、牛丼屋や居酒屋など飲食店を中心に値下げ合戦が続き、企業間の消耗戦が繰り広げられています。利用者としては値段が下がってくれるのはすごく嬉しいのですが、値段の安さというものはその競合他社が追従することによって、その魅力は一気に半減してしまう結果をもたらします。

そんな中、無料で提供していたサービスを有料化しても好評を得ている企業があります。それがANAの機内サービスです。2010年4月から国内線エコノミー席での飲み物の無料サービスが終了しました。それまで当たり前のように出てきていたジュースやオニオンスープなどはもう無料では出てこなくなってしまったのです。

これによって、ジュースくらいは無料で飲みたいとか、あのスープがもう無料で飲めなくなってしまうのかといった声も上がったのですが、それ以上に好評を得ているそうでジュースとスープは共に1日700?1000個を販売する人気商品にまでなったそうです。

その裏に隠されたANAの戦略に無料や値下げを脱するためのヒントがあったのです。そこで今回は企業を消耗戦から脱するためにお客様と企業が共にいい方向に行くと考えられる方法について考えてみたいと思います。

まず、ANAが有料化する際に定量的に顧客ニーズを調査したところ、「お金を払ってでも自分好みのサービスを選びたい人が6割から7割いた」ことがわかったそうです。ここで見ることができるのは飛行機に乗るシチュエーションによって、どのようなサービスを欲しているかということです。

話をわかりやすくするために飛行機を、新幹線や登給電車に例えてみましょう。毎日のように飛行機に乗っているビジネスマンにとって、飛行機の中は通勤電車のようなもの。通勤電車になっている新幹線や特急電車の中で、駅弁を食べながら通勤する人は少ないでしょう。逆に同じ新幹線や特急電車にレジャーで乗った際には、飲み物を購入し、お弁当も購入して車内で食べるでしょう。

つまり、日常的に利用している人とそうでない人とでは、同じ無料サービスを提供しても受け取り方が違うのです。そこに着目して、毎日のように利用する人には、無理をしてサービスを提供しない、たまに利用する人にはその高揚した雰囲気を盛り上げてあげるような高級で非日常的なサービスを有料で提供できる環境を整えることによって、双方にメリットがうまれることになります。

ANAの場合、有料化したのと時を同じくしてサービスを拡充したといいます。取り扱う商品はスターバックスのコーヒー、千疋屋のみかんジュース、自社開発のオニオングラタンスープなど20品目にまで拡充し、いつもなら飲まないものを飛行機の上という場所で提供することによって、非日常空間を演出したのです。その結果として多くの人の支持を受けるまでになりました。

ここから分かるのは、企業はお客様にその場に来てもらっているという状況をうまく活用し、値下げだけでなく居心地の良さ、感動を提供することによってその対価を十分に得ることができるということなのです。利用者はそのサービスにかちがあると思えば、必ずお金を払ってでも利用します。それが単なる自動販売機や日常の中で得ることができるサービスと同じであれば、お客様は二度と利用しないでしょう。非日常を演出し、お客様を感動させることができるサービス、簡単に言うといい意味での期待の裏切りをさせることが大切なのです。思っていた以上のサービスを提供することができたとき、真のリピーターを増やすことができるのです。

【参考】GLOBIS.JP
http://www.globis.jp/1322

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(2010/06/05)
金森 努

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プラスアルファのサービスに過度の期待は禁物

2008年11月 20日 By: rainbow Category: ビジネス No Comments →

世の中には親切な方がたくさんいらっしゃいます。相手のことを考えてあげて、自分がされて嬉しいことを相手にもやってあげる。例えば、ある寒い日ドーナッツが欲しくてお店に並んでいた時に、店員に「寒いところありがとうございます。これでも飲んで温まってください」と差しだれたお茶をもらうと、その心遣いに感動し、きっとこのお店のファンになってしまうでしょう。逆に、お金を払って注文をしたにも関わらず、長い間待たされたあげくに品切れになったとしたら、悔しい気持ちと共にお店への怒りすら感じてしまうかもしれません。

サービスはサプライズの世界なのです。お客様が感じる以上のサービスを提供することによって、感動や感謝といった気持ちを持っていただくことが可能であると平野秀典さんはいいます。逆に自分の考え以下のサービスしか提供されなかったときには、不満が残り続けるでしょう。そういったサービスのレベルは以下の3つに大きく分けることができます。

<サービスのレベル>
・プラス(感動、感謝)
自分が予想する以上のサービスを提供してくれた場合。

・±0(満足)
自分が予想していたとおりのサービスを提供してくれた場合。もしくは、お金を払った分だけの対価を得ることができた場合。

・マイナス(不満)
自分の予想以下のサービスを提供された場合。もしくは、お金を払っただけの対価を得ることができなかった場合。

サービスをマニュアル化して対応することは、現場にとって非常に大切で、実行者にとってはかなり楽になることができます。「マニュアル」や規則は、それを定めたものなので、その通りにサービスをお客様へ提供し、それ以外は拒否するという方法は実行者にとっては非常に楽な作業となるのです。

こういったマニュアル的な対応は世の中のサービスに多く広がっていて、プラスアルファのサービスはなかなか受けることができず、多くの場合±0に落ち着くことになるという前提を持っておく必要があるのです。

自分たちはまず、そのことを背景知識として持っておかなくてはならないのです。相手がプラスアルファのサービスを提供してくれるのは、「当たり前」ではなくあくまで善意であり偶然なのです。やってくれなかったからといって相手に怒りの矛先を向けるのは少し違う気がします。そんなときには、「やっぱりね」とすぱっと諦めてしまうことをお勧めします。もし、相手がプラスアルファのことをやってくれたのであれば感謝をし、お礼の気持ちを伝えるといいでしょう。

そうすることによって、精神的な負荷も減らすことができ、相手へも優しくなることができるのではないでしょうか。

お客様の感動を設計する お客様の感動を設計する
(2005/05/20)
平野 秀典

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