あしたまにあーな

毎日の生活に ほんのちょっとのうるおいが 届きますように



時代を映し出す車内広告

2010年10月 23日 By: rainbow Category: 日記 No Comments →

電車に乗っていると目が行ってしまう車内広告。

その車内広告を1ヶ月掲載するのに、約100万円から200万円ほどかかりその路線を利用する乗客が多いほど高くなる傾向になります。比較的高価であることから、景気や時代が車内広告の世界にも反映しているようです。中吊りの部分に関しては週刊誌や鉄道会社の広告が比較的固定枠として割り当てられているのですが、中でも世相と共に変わっていくのが窓上の広告です。

先日、電車の中で見つけた車内広告のジャンルは、不動産物件、消費者金融、法律事務所、墓地案内というものでした。まるで何かを連想させるような並びになっていますが、意図的に並んでいるというよりは、このようなジャンルの広告が非常に多く種類も豊富なことがわかります。

かつては、遊園地や旅行といった楽しいレジャー関連の広告が多かったのですが、景気のせいなのか、そういった広告は影を潜めてしまいました。また大学の広告も減少傾向にあるように見えます。大学に入りたいと思う人が、車内広告で決める要素はあまりないように思えますが、効果がどの程度あるのか気になるところではあります。

今後、景気が上向いていく中で車内広告が華やかで楽しい情報を自分たち乗客に提供してくれるようになるまで、今しばらく我慢したいと思います。

看板の魅力で集客力がアップする―地域一番店になる!そのコツ、プロが教えます 効きめ抜群!即効性あり!しかも格安! 看板の魅力で集客力がアップする―地域一番店になる!そのコツ、プロが教えます 効きめ抜群!即効性あり!しかも格安!
(2004/11/30)
小山 雅明

商品詳細を見る

広告を広告らしく見せないメトロミニッツ

2010年6月 08日 By: rainbow Category: 日記 No Comments →

毎月20日に東京メトロの駅53駅に備え付けられている専用ラックに置かれるフリーペーパーがあります。そのフリーペーパーは、前日の19日から配布されているのですが、2日程経過するとすでにすべてが”完売”状態となっており、1冊も残っていない状況になります。うっかり取り忘れてしまうと、もう読むことすらできないのです。

そのフリーペーパーは「metro min.」(メトロミニッツ)です。東京メトロを利用する20代から30代のはたらく人を対象としたこのフリーペーパーは、「少しだけ見方/捉え方/考え方を替えてみよう!」というメッセージを常に持っていて、日常をほんの少しだけ違った角度から楽しむことができるように記事が構成されています。

例えば、夜に一杯飲みにいくお店を「昔ながらの女将さんがいる」お店という角度から探し求めたり、六本木で癒されることを目的にした場所やお店の紹介など、どこでどのようなことをしようという1つのテーマに沿って、記事が並んでいます。

そしてそれらの記事は、そのほとんどが広告になっていることが注目すべき点です。記事自体の8割は編集者の思いやライフスタイルに関する提案でとても広告とは思えないような読み物となっていて、残りの2割がそのお店やイベント、商品の紹介部分になっています。その紹介部分が記事の中にうまく融合していて、読者としては商品を押しつけられた感じが全くしないのがこのフリ-ペーパーのすごいところなのです。フリーペーパーのなかでここまで完成度が高いのは、なかなかお目にかかれないと思います。

この記事と宣伝したい内容をうまく融合して全体として1つのテーマを掲げて、読者に提案する形は、広告全体が飽和していて読者が拒絶反応を示す中で非常に有効な手法といえると思います。リクルートが発行しているR25というフリーペーパーもありますが、あれは完全に読み物部分と広告部分が分離されています。読み物自体はすごく興味関心を惹きつける内容で無料以上の価値を提供してくれているのですが、広告部分の効果だけみると、メトロミニッツの方が上だと思います。

このメトロミニッツを発行しているスターツ出版は、Metro min.(メトロミニッツ)のiPhone/iPod touch/iPad対応の電子雑誌アプリを、App Storeにて発売しています。最新号は無料でバックナンバーは115円かかるそうです。バックナンバーを有料で提供できるだけのコンテンツの価値があるという現れでしょう。

メトロミニッツは最近、全面リニューアルしました、それによって、これまで連載していた藤原新也さんの「撮りながら話そう」や、 山田五郎さんの「MADE IN TOKYO」が無くなってしまったのが非常に残念です。藤原さんの短編記事に対して読んでいる電車内で涙し心動かされ、山田さんの東京生まれ東京育ちのものへのトリビアに新たな発見をしたりすることがないのは、それ以前から楽しみにしていた自分としてはなんだか穴があいてしまったように思えます。藤原新也さんの「撮りながら話そう」については、その内容をまとめた「コスモスの影にはいつも誰かが隠れている」と本があるので、是非おすすめさせていただきます。日常にある人の想いを感じることができるすばらしい内容だと思います。

内容としてすべてを1つのテーマで埋め尽くすのではなく、上記のようないくつかのコンテンツが集まることによって、1冊のフリーペーパーへの思いや印象をよりたかめることができるのではないでしょうか。1足す1が2以上の価値を生み出す、そんな以前のような強烈なサブコンテンツの登場を願ってやみません。

【参考】
・メトロミニッツ http://www.metromin.net/
・ガジェット通信 http://getnews.jp/archives/62281

コスモスの影にはいつも誰かが隠れている コスモスの影にはいつも誰かが隠れている
(2009/08/28)
藤原 新也

商品詳細を見る

サザエさんをちょっとだけ深く考えてみる

2010年2月 07日 By: rainbow Category: ビジネス 1 Comment →

日曜日の夜6時半からのアニメといえば90%以上の方は「サザエさん」と答えることができるでしょう。そのくらい国民的なアニメに成長したサザエさんはすでに放送開始から40年以上を経過しています。この時間になると多くの人が「これで休日も終わってしまって明日から学校や会社だな」と少しだけブルーになってしまう「サザエさん症候群」なる言葉まで登場するほどこのアニメが自分たちのライフスタイルに大きく影響を及ぼしているものは他にはないでしょう。

そんなサザエさんについて、経済的な面から考えているのが有限会社ペーパーカンパニーの中村修治さんです。身近な物から世の中の動向や仕組みがわかると理解しやすいものです。今回は3つの観点からサザエさんを通して考えてみたいと思います。

1.景気とサザエさん
サザエさんは景気を測るための物差しとしての役割を果たしているといいます。景気がいいときは日曜の6時半は外食をしていたり遊んでいることが多いのですが、不景気になると家で籠もることが多くなるので、この時間はサザエさんを見ているというのです。データでみると、以下のようになり3年前から徐々に視聴率が上がっていることが分かります。
・2008/01/13(日) 18.2%
・2009/01/18(日) 20.4%
・2010/01/24(日) 20.6%

2.広告とサザエさん
サザエさんのオープニングを思い出せるでしょうか。始めから最後のシーンまでずっとサザエさんが地方の名物や景勝地を訪ねている様子は、まるで地方の宣伝をしているかのような雰囲気に見えるでしょう。ここ数年では半年に1回年が変わっていくというローテーションで以下のような状況になっています。
・2007年度 愛媛県、富山県
・2008年度 山口県、岐阜県
・2009年度 新潟県、茨城県
実は、この場面は無償でサザエさんが提供している訳ではないのです。市や県が協力費として提供していることが多く、2007年の愛媛紹介では松山市などが840万円。2007年の富山紹介では富山市が840万円。2008年の山口紹介では山口県が630万円を提供していて、700万円?800万円台が中心になっています。しかし、これで半年間自分たちの街が影響のある番組で全国に紹介される訳ですから、コストメリットは十分にあるといえるでしょう。

3.ビジネスとサザエさん
最後に、サザエさんに登場する人について見てみましょう。先に紹介した中村さんは一押しのビジネスマンとして三河屋のさぶちゃんを推しています。彼は米やしょう油などを玄関先で注文を受け取りそれを配達してくれるのですが、サザエさん一家だけでなく、その町内で同じように注文をとっているのだとしたらその売り上げは莫大なものになります。仮に一世帯当たり1ヶ月3万円程度の売り上げだとすると、町内に300世帯であれば900万円を売り上げるやり手の営業マンであることが分かります。きっ三河屋はすごい儲かっていることでしょう。

このように、サザエさんは経済の観点から見ると色々面白いものが見えてくることが分かります。その他サザエさん一家では未だにデジタル機器がほとんどありません。携帯電話はなく黒電話ですし、テレビもブラウン管の古いものです。来週のサザエさんの時に登場するリモコンが一番新しいのかもしれません。もうすぐ地デジ化されてしまうのに、電機メーカーがスポンサーのサザエさんも何らかの対応が必要なのでしょう。しかし、世の中の不景気、状況、文明の進化が入っていないからこそ、人々はこのアニメに癒しを感じ、そして現実からしばし離れることができるのです。その癒しを感じることができる世代は徐々に上がっていっていて、今の学生たちにはきっとサザエさんの面白さは薄れているのかもしれません。

【参考】INSIGHT NOW!
http://www.insightnow.jp/article/4897

「サザエさん」的コミュニティの法則 (生活人新書) 「サザエさん」的コミュニティの法則 (生活人新書)
(2008/02)
鳥越 皓之

商品詳細を見る