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平清盛 第2回「無頼の高平太」

2012年1月 15日 By: rainbow Category: 2012年_平清盛 No Comments →

前回から平太は成長し、以前の作品のように子役をひっぱるようなことはせずに主人公を早々に登場させます。芦田愛菜ちゃんや加藤清史郎くんのような大河ドラマで抜群の演技力を発揮し人気が高まるようなことは今回はなさそうです。

平太は育ちの悩みを前回から引き続き持っているようで、中途半端な自分にいらだちを感じつつもそれを紛らわせるために、博打などに身を投じます。今の時代でもこのような出生の悩みを持っていたら、ものすごく葛藤し人生の回り道をしてしまうことでしょう。きっと、育ての父である平忠盛のことを心から感謝できるのはもっと先で、色々なことを経験した上でないとそう思えないと思います。そんな時期がいつくるかは一つの楽しみでもあります。

平氏の人々は平太のことを、知らずのうちに平氏の跡取りであると認識しているようで、無礼なことをいくらしても覆せないものと思っているのでしょう。このあたりは織田信長を彷彿とさせます。「無頼の高平太」と呼ばれても、自分は自分の正しいと思う道を進む。まだまだ中途半端ではありますが、そんな心の軸を持ち始めている様子を見ることができます。

それは、平太の実の父でもる白河法皇に直談判したときでした。元服していよいよ平清盛という名前に改まった頃、白河法皇が出した殺生禁断令によって自分の身近の人々が苦しめられ、生活のために漁を行うことさえできずに飢えに耐えている状況を見かねて、白河法皇に直談判するのでした。

父である忠盛に対して、「どうして父上は自分の清いという名前をつけたのか、罪なき人民を見捨てることは武士としてできない」とはっきり言います。このとき、忠盛は自分を武士と認識した清盛に対してうれしさを感じていました。この部分はすごく重要な場面なのですが、少し唐突だったような気もします。

直談判した白河法皇と話をした際に、白河法皇を「もののけ」と呼んで非難するのですが、逆に白河法皇から、そのもののけの血がおまえにも流れていると言われ、ショックを受けた清盛。忠盛に舞の稽古をつけてほしいと申し出ます。何らかの心変わりがあったのでしょう。もっと強くなりたいと思ったのかもしれません。

その成果が出る石清水八幡宮の臨時祭では、これまでの風貌を一変させものすごくきらびやかな舞をします。この絵なら、兵庫県知事も文句は言わずに満足するのではないでしょうか。その舞は途中から激しいものに変わり周囲が固唾をのんで見守る中、最後に白河法皇はすばらしい舞だといって立ち去ります。このあたりの微妙な駆け引きはなかなかの見物でした。

次回に向けて、白河法皇の崩御と清盛のライバルとなる源義朝が頭出しとして登場します。このあたりの時代の動きは、見逃せないものがあります。まだまだ時代感覚と雰囲気を把握するまで時間がかかりそうですが、それが分かるにつれて面白くなっていきそうです。

◆清盛紀行◆
京都府八幡市
 - 石清水八幡宮
 - 舞殿

平清盛 第1回「ふたりの父」

2012年1月 08日 By: rainbow Category: 2012年_平清盛 No Comments →

ついに始まりました平清盛。自分にとってこの時代は壇ノ浦の戦いで平家が源氏に滅ぼされ、貴族のような存在というイメージしかありませんでした。確かにそのイメージ通り、物語の出だしはそのシーンから始まります。岡田将生さん演じる源頼朝が北条政子から壇ノ浦の戦いで平家が滅ぼされることを報告されつつも、頼朝は清盛の存在を「彼がいたから武士の今がある」と語ります。これ以降、物語全般は頼朝の目から見た構成となっていくことがわかります。

ドラマのオープニング曲は、まだ耳慣れないせいか旋律を把握することができず、全体として口ずさむことができなさそうな感じ。次第に慣れていくのかもしれませんが、少し残念な感じです。それとは裏腹にオープニングの絵はものすごく豪華で現代風に仕上がっています。CGを駆使し迫力をこれでもかと表現しています。これが物語全体のなかでどのような意味を持つのか、それはもう少し経たないとわからないでしょう。

キャスティングを見ていて感じたのは、年寄衆は重鎮を据えていて物語り全体の信頼性と重みを与えているのが好印象でした。昨今、ドラマやバラエティなどで活躍している若手を積極的に登場させている大河ドラマですが、このように安心できるキャストがいると見ている方もものすごく安心します。

その一人として、物語に動きを与えたのが中井貴一さんでした。中井貴一さんの大河ドラマと言えばずいぶん前の武田信玄を思い出しますが、存在感は圧倒的でまっとうに生きる一人の武士を演じています。これまで当たり前だったことを覆し、白河法皇の子供をやどした舞子をかくまいます。子供に罪はないと権力にも正々堂々と立ち向かう姿は、歴史上本当にそうだったのかはともかく、中井貴一に似合っているような気がします。

この当時の状況も、歴史的な背景が分からない自分にとっては新鮮でした。当時は平家と源氏が共に王家を守るために働いていて、平家の方が王家から見た信頼性が高く、小日向文世演じる源為義は多少なりとも平家に負い目を感じていたのです。挽回しようとして舞子を王家に差し出すのですが、そこで毅然と振る舞う忠盛の前で「この子に名前をつけてあげてほしい」と言い残し、舞子は自ら命を絶ってしまうのです。かなりインパクトのある場面でした。

この先、きっと清盛は平家や王家から災いのもとだと言われ続けることになるのでしょう。そんな運命に負けないためには自分が強くなるしかありません。そのことに最後の場面で気がつきます。自分が自慢の父親である忠盛と、忠盛の正室である宗子の子供でないとわかり、しばらく心が乱れますが忠盛から「今のおまえは私に飼われている犬だ」といわれ、強くなることを諭します。少々言葉は冷たいのですが、彼なりの愛情をしっかりと感じることができます。

この忠盛の他に、キーパーソンになりそうなのがもう一人の父親である時の最高権力者・白河法皇です。伊東四朗が、これもものすごい存在感でまさに物語の中でも権力者でいる姿は、畏怖さえ感じます。こういった空気を持っている人が一人いるだけで、ドラマ全体が浮つかないと感じます。今回はまえだまえだが登場しましたが、この先は主人公の松山ケンイチが登場し、時は急速に経過していくことでしょう。それにおいていかれないようにしっかりと付いていきたいともいます。

NHKのページを見ると全部で50話ありそうなので、まるまる1年やっていくことになるでしょう。期待するのは、清盛という人間を時代背景と共にしっかりと把握することができ、その時代の裏にある人間模様を演技力ゆたかに見てみたいという思い。どうなるか次回から早速楽しみになりました。

◆清盛紀行◆
広島県廿日市市
 - 厳島神社
 - 経塚

驚くべきバイオリンの聞き分け結果

2012年1月 05日 By: rainbow Category: ニュース No Comments →

テレビ朝日系列で放送していた「人気者でいこう!」から派生した「芸能人格付けチェック」は今も不定期に放送されており、司会の浜田雅功と伊東四朗が芸能人に出題される様々な「利き」テストで外した人をうまく料理して盛り上げていく番組です。

ワインの試飲、音の聞き分け、牛肉の食べ比べなどを通して格付けが行われていくわけですが、明らかにインテリと見られる人が、どんどん外していき「写す価値なし」になってしまったり、意外な人が一流芸能人に格付けされたりしたりして、見ていて面白い番組構成となっています。

そんな「芸能人格付けチェック」で毎回登場するのが、何億円もすることで有名なバイオリンの名器「ストラディバリウス」と市販の数万円のバイオリンの聞き比べ。これによって多くの芸能人が泣かされてきたのですが、番組の中では、鋭い音がする方がストラディバリウスでまろやかな音がする方が市販品だとされています。

その名器である「ストラディバリウス」や「ガルネリ」が、現代のバイオリンと大差ないとする意外な実験結果をフランス・パリ大学の研究者たちが、アメリカ科学アカデミー紀要で発表したというのです。まさに、この芸能人格付けチェックで言われていることの根幹を覆すような驚きを覚えます。

この研究チームは、国際コンテストに集まった21人のバイオリニストに協力してもらい、番組の中と同じように楽器がよく見えないよう眼鏡をかけたうえで18世紀に作られたストラディバリウスや、現代の最高級バイオリンなど全部で6丁を演奏してもらう実験を行いました。

そして、どれが一番いい音か尋ねたところ、安い現代のバイオリンの方が評価が高く、ストラディバリウスなどはむしろ評価が低かったという実験結果を得たのです。プロのバイオリニストの耳がそのように感じるのですから一般の人が、同じように感じても、もはや気にする必要は全くなく、むしろ現代のバイオリンを選択した方が耳がいいということになります。

名器というものは、その存在だけですばらしい音が出るものであるという先入観は誰にでもあるもの。手にしただけで、演奏しただけで他とは違う何かをそこに求め見いだします。音楽は音がいいという要素だけで成り立っているものではなく、そこには楽器の背景や特別な音色に価値を求める鑑賞方法もあるでしょう。

「いい音」というものが、かなり主観的である以上、この結果がもたらすことは、多くの波紋を呼ぶことになりそうです。

【参考】YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20120104-OYT1T00304.htm

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