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天地人 第33回「五人の兼続」

2009年8月 16日 By: rainbow Category: 2009年_天地人 No Comments →

今回は、兼続の人間性がいかにすごいかを改めて感じることができた回でした。越後では執政として上杉家のすべてを任せると景勝に言われることになります。すべてを任せるというのは戦国の世の中ではあまり聞かない話だったのではないでしょうか。

ともすれば主の目の届かないところが生じてしまうことにもなるのですが、主は国として大きな方向性を指し示さなければならないような仕事に専念することができるのですから、景勝にとっても兼続にとっても大きなメリットとなるのでしょうね。一つの場面として秀吉が拾への忠誠を誓う場で、三成を責めていた家康に対する言葉が挙げられるでしょう。主の責を家臣に負わすのは筋違いだと。この発言によって上杉家の印象をさらに高めることに成功したのです。このように対外的な政に専念することができるのは大きな事なのかもしれません。

そして、もうひとつ兼続の人間性について大きさを感じたのが三成への進言でしょう。それまで三成ひとりが秀吉に火の粉がとばないように日よけになっていたにもかかわらず、それ故に家康などからまるで外野のようなヤジが飛ぶことになります。当事者意識を持ってもらうために兼続が三成に提案したのが五大老、五奉行制でした。ドラマの中では始めに景勝が兼続に対して言っていた「兼続が5人いればよかったのに」をうまく引用しているような感じでしたが、真相がそうなのであれば頭の回転がものすごく速かったのだろうと思われます。大老は、徳川家康、前田利家、宇喜多秀家、毛利輝元、上杉景勝。五奉行は、浅野長政、石田三成、増田長盛、長束正家、前田玄以で構成され豊臣政権を支えていくことになります。

結果として三成とのうまい芝居を経て秀吉にこの制度を認めさせることになるのですが、これによって三成と兼続の関係はより強固なものになっていったのでしょうね。しかしその中で怖い存在なのが家康です。この先の時代は誰もが知っていることであるとはいえ、平安の世の中があと数年で終わってしまい再び天下分け目の戦いが行われることなどみじんも感じることが出来ません。

次回は、とうとう秀吉が倒れるところから始まります。最近秀吉を演じる笹野高史さんの唇が赤すぎるのではないかと多くの方が指摘していて、今日はそのことばっかりが頭に残ってしまいました。赤すぎてしまったためなのか、もうすぐ彼にも最期がやってくる雰囲気です。大きな歴史の転換点が近いのかもしれません。

□■天地人紀行■□
滋賀県近江八幡市
 八幡山城址
 豊臣秀次像

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天地人 第32回「世継ぎの運命(さだめ)」

2009年8月 09日 By: rainbow Category: 2009年_天地人 No Comments →

今回は様々な家族の人間模様を見ることができました。その中には幸せな家族もあればそうではなく悲しい選択を迫られた家族もあります。秀吉の家族が今回のメインとなります。朝鮮出兵に出かけていた景勝や兼続たちでしたが、突然の帰還命令が下ります。朝鮮軍との戦いの模様は今回一切出てこなかったのが残念です。今回の秀吉の施策がいかに多くの人の気持ちの反対側にあったかを示すためには、苦戦の模様をうまく伝えてほしかったのですが、さくっと終了してしまいました。

帰還する理由となったのが、秀吉と淀の間に生まれた拾の存在でした。子供が生まれたからという理由だけではないと思いますが、これで朝鮮出兵は終了というのもなんだか無念な感じが残ります。この拾によって、これまで養子として迎えていた秀次や秀俊は徐々に自分の立場が悪くなっていくのでした。

この崩壊状況をみているのがなんだか苦しくなるほどです。秀俊は、養子として小早川家にいくことになり、後に小早川秀秋となって関ヶ原でキーパーソンとなっていくのですが、このときのことを考えると当たり前の動きだったのかもしれません。次回は秀次の身も危うくなっていくのですが、それはまだ先のこと。

拾のために建てたという伏見城は、秀吉のお得意の人と金をつぎ込んで建てた城であり、短期間で立派な建物になることができたのですが、代わりに三成は多くの大名に嫌みを言われることになってしまいます。兼続と三成が寝ころんで友情の会話をしているときに盗み聞きした徳川家康によって、後の時代に変わっていく伏見城ですが、この時点では溝が決定的になってしまった雰囲気があります。このあたりで、秀吉や家康が本性を現して以前よりも顔つきが変わってきていることが分かります。うまく今後の流れを表現しているのでしょうね。

こういった悲しい家族のなかで、今回ほっとしたのが兼続の一家でしょう。お船の
ひざ枕で始まったラブラブモードは、二人の子供を越後にいたお涼と関わらせて、勉強を見てもらうといういいお父さんぶりを発揮しています。お涼との描写はなかなか怪しい雰囲気で作られていましたが、兼続からしてみればなんでもない関係。何もなくてよかったですね。

次回からは、三成が段々恐ろしい感じになっていきます。それが政権保持のために必要なことであればいいのですが、個人的な理由でないことを祈るばかりです。

□■天地人紀行■□
京都府京都市伏見区
 伏見桃山陵
 御香宮神社
 宇治川

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