西郷どん 第22回「偉大な兄 地ごろな弟」
今回のタイトルは実によくできているなと感じました。ここに登場する2組の兄弟は、西郷兄弟と島津兄弟でしょう。まず言わずと知れた島津兄弟。3年ぶりに薩摩に戻った吉之助は久光に対して計画を否定すると共に、地ごろであると一刀両断。
兄である斉彬の姿をずっと追っていた弟としてみたら、吉之助は兄が必要としていた大切な存在でありながらも、自分と比較されてしまうたんこぶのような存在でもあります。二人の関係はずたずたな状態にありました。その二人の間を必死に取り持つのが一蔵でした。
そしてもう一組が西郷兄弟です。島津兄弟ほど露骨ではありませんでしたが、信吾はずっと兄にコンプレックスを持ってきました。世の中では吉之助の名前が一人歩きしてしまいもの凄く偉大な存在であると思われていて、どこに行っても信吾は吉之助の弟扱い。それに対してモヤモヤ感は半端なかったと思います。
有馬新七についていく中で自分でその道を決断したかったのでしょうが、結局は兄の体を張った制止により、奇しくも兄の偉大さを肌で感じることになります。また、自分がずっと兄と一緒になにかをすることが出来なかったというさみしさを吉之助に吐露し、兄弟は微笑ましい時を迎えます。
次回は久光の命に背いた吉之助にさらなる苦難がやって来ます。周囲の働きと共に吉之助がどのようになってしまうのか楽しみにしたいと思います。
■紀行■
・京都府京都市
錦小路薩摩藩屋敷跡
阪急電鉄「烏丸」下車 徒歩5分
NHK大河ドラマ「西郷どん」オリジナル・サウンドトラックI 音楽:富貴晴美
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