ゴルフ人気を継続するために関係者がすべきこと
2009年のシーズンは、若い二人の活躍なくして語ることはできないでしょう。その二人とは18歳の石川遼選手と23歳の池田勇太選手で、昨年であれば二人が今年優勝争いをするということを予想できた人はほとんどいなかったと思います。この二人の活躍に比例してゴルフ人気も高まり、ファンの裾野も確実に広くなっていきます。今まで若い女性が声援するという場面が少なかった男子ゴルフ界ですが、今年はそういった女性ファン層を見事獲得することができました。ちなみに2歳の子供まで「いしかわりょうくん、みる」と応援しているくらいです。
しかし、逆にここまで盛り上がってしまうといわばブームともいえる現象になってしまっているのが現状です。ブームというものはいずれは去っていくもの。ゴルフというスポーツを流行の一つと捉えるのではなく、一つの文化としてしっかりと根付かせるいい機会なのだと思います。そうするためにも関係者は地道な努力を行い、文化形成のための地盤を形成させていく必要があるのです。マムシと言われた杉原輝雄プロは、日本経済新聞のコラムの中で人気の追い風を逃さないために次の方策を提言しています。
1. 二人の後継者を育てること
次の石川選手や池田選手を育てるために、中高生などを対象としたゴルフレッスンをプロが指導しながらすすめることが大切だといいます。若い力のある選手が登場することによってベテランも奮起します。今年の最終戦で丸山茂樹プロも若い二人に負けないように来期頑張ると力強く宣言していましたが、こうして常に競争がはたらくことによってゴルフ界全体の底上げにつながるのです。
2. ギャラリー中心の大会運営をすること
ギャラリーは、わざわざお金を払って見に来てもらうお客様です。その入場料は大切な資金にもなっているのですから、また見に来たいと思わせるような会場を作るべきです。例えば、道を歩きやすくしたり、選手が通り過ぎるまでギャラリーを待たせるのではなく、選手が逆に待つ姿勢を見せることも大切だといいます。もっと近くで選手を見ることができるような工夫も必要でしょう。それと友にギャラリー側のマナーも今まで以上に求められるのはいうまでもありませんが。
3. 選手はファンサービスを忘れないこと
野球やサッカーなど、選手が観客のためにサイン会を行ったり、一緒に記念撮影をしたりしますが、ゴルフ場でも今まで以上にこういった活動が推進されるといいでしょう。自分は小学生の頃家の近くのゴルフ場で大会があり、そこで尾崎将司選手からにこっと笑ってくれたことがすごく嬉しくてゴルフが好きになった経験があります。小さい子にとって活躍するプロゴルフ選手と接することができるのは何者にも代え難い宝物になるのです。
4. テレビ中継に工夫を
テレビで放送しているとトップ争いや有名選手のプレーの場面しか出てこないことが多くあります。テレビは視聴率の関係からそのような編成になってしまうのはやむを得ない部分もあるのですが、そういった場面だけでなく予選を通過した選手のプレーをどこかで紹介してあげることによって、見る側としては多くのプレーを見ることができるようになります。また過去の名シーンや、名選手、ゴルフ解説など様々な人たちが、一つの大会をテレビで見る間に多くのことを楽しく知ることができるような内容にして上げるとファン層のさらなる獲得が見込めるでしょう。
ファンを楽しませ、プロゴルファーもそれによってさらに気持ちを高めいいプレーをするという循環ができれば、おのずとゴルフ人気を維持することはできると思います。スポーツ界にはファンを楽しませるためのノウハウが様々なところで行われていて、その道のプロもいるのですからそういった人々を交えて、どうしたら盛り上がっていくのかを人気のある今、真剣に考える必要があるのではないでしょうか。
【参考】日本経済新聞 2009/12/15
あの石川遼プロも着けているスタイリッシュな磁気健康ギア。ワックルループサポーターライト
◆関連する記事◆