突然の不審者をどう見抜くか
金品を目的に宅配便を装って家に押し入って、強盗をはたらくという事件が発生し世間を騒がせています。ワイドショーなどでは動機や被疑者の状況などを繰り返し解説しているのですが、この事件から自分たちが学ぶべきものは別なところにあると思います。
それは、突然の不審者からどのように自分の身を守るかという点にあります。宅配便の場合、荷物の受け渡しのためどうしてもセキュリティロックやドアを開けざるを得ません。インターフォンなどで外見をチェックすることはできますが、そうでない場合には見分けることはできないでしょう。
その場合の対策として、安全生活アドバイザーの佐伯幸子はドアを開ける前の一手間として、「誰から」「どんな荷物か」を質問し、ドアスコープなどで訪問者を確認し、ドアチェーンをかけたまま対応するようアドバイスしています。
こういった宅配業者への質問だけでは限界がありますが、訪問者に対して警戒しているのだということを明確に示すことができることから、一定の抑止力をもつことができると思います。訪問者が確かに宅配業者であることを確認するためには、上記のアドバイスが有効であり、逆に現状ではそこまでが限界であるともいえます。
しかし不審者が用意周到で、これらをすべて偽装することになった場合には家にいても気がつくことができないでしょう。そのためにも、宅配業者などの訪問者は、自分の所在をしっかりと明らかにして、在宅している人を安心させるだけの仕組みが必要だと思います。
例えば、身分証明書を提示する、訪問する前に連絡を行ない今から訪問することを伝える、といったすぐにできる方法が挙げられます。さらにこれらをシステム化し、安心をもたらすことができる仕組みを作るというものも考えられるでしょう。
事件は起きてしまったことは事実ですが、今自分たちはそこから再発を防止するための取り組みを反省材料として学び、実践していくことが求められることなのではないでしょうか。
【参考】日本経済新聞 2011/02/15
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