政党ポスターにある「弁士」の謎
そろそろ選挙のシーズンがやってきました。夏の暑い時期に行う選挙はあまり例がないらしく立候補した人たちも暑い中熱い戦いをしなければならないので大変だと思います。最近の政治の世界では、足を引っ張り合っている風景をよく見かけ、国民の生活に対して目を向けている様子が感じられないのが寂しいところです。選挙では本当に生活を良くしてくれるのかを見極め、自分たち有権者もそれを1票という形で行動することが大切だと思います。
そんな政治の世界ですが、よく街中に政党のポスターが張ってあると思います。地元の議員などと共に政党の党首などが揃って写っているものが多いのですが、必ずといっていいほど人の名前の下に「弁士」と書かれています。弁士とは一般に講演・演説などをする人を指す言葉で、ポスターの下の方に講演会の日程などが書かれています。
実はこのようなポスターにしているのにはきちんと理由があったのです。公職選挙法によると、選挙の6ヶ月前から公示までは候補者個人がひとりで写っている写真の掲載などができなくなるそうです。さらに公示されるとそれもできなくなるとのことなのですが、選挙の公示がいつ来るかはさすがに6ヶ月前からは分かりません。いつ来るか分からない選挙のなかで、有権者に名前を覚えてもらうために考え出されたのが、この弁士という講演会という名目だったのです。
選挙の6ヶ月前からは個人名だけを前面に出したポスターはダメなのですが、政党としての政治活動であれば問題ないとのこと。つまり、「弁士」と書かれた人による「講演会」を政党が政治活動として行っているのだということをアナウンスするためのポスターというのを演出するために、党首などを併せて掲載しているのです。
しかし、このポスターも選挙が公示されれば剥がす必要があります。その代わりに張られるのが選挙用の個人ポスターです。このポスターの多くは地元の印刷業者に注文するそうです。地元に協力することで票を得ることが期待できることからそうしているのでしょう。
このようにポスターには多くの思惑があって貼られているのです。しかし大切なのはその人が何をやってくれるか。それを有権者に訴えることができるようなメッセージを伝えて欲しいと思います。
【参考】R25.jp http://r25.jp/b/honshi/a/ranking_review_details/id/110000007449
選挙の経済学 投票者はなぜ愚策を選ぶのか (2009/06/25) ブライアン・カプラン |
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