電車の中の居眠りが気持ちいい理由
世に出回っているビジネス書の多くによく書かれていることとして、「電車の中で時間を有効に活用するために勉強をしなさい」とあります。確かに、満員電車の中でも運良く座ることができるであれば色々な勉強ができるでしょうし、ヘッドフォンで英会話などの勉強をすることもできるでしょう。
しかし、座ることができたら必ずといっていいほど睡魔が心地よく襲ってきます。これに負けずに勉強を続けることができればいいのですが、時にその誘惑に負けてしまうことも多いと思います。そして目的の駅を寝過ごしてしまうのですが、電車の中で眠くなる理由について足利工業大学睡眠科学センター長の小林敏孝教授の話をもとに紹介したいと思います。
よく言われるのが電車の振動が要因であるというものですが、確かにこれも要因の一つであり、周期的な振動がゆりかごに近い状態を作りだし結果的に眠くなることもあるそうです。しかし、最大の要因はそうではないと小林教授は言います。もし振動が要因なのであれば、欧米の人々も皆電車の中で眠くなるはずなのですが、実際彼らはあまり電車の中で寝ていません。治安の問題もあるとは思いますが、違うところに眠くなる要因はあったのです。
それは、睡眠不足。日本人の平均睡眠時間は欧米よりも1時間程度少ないそうで、適度な暖かさと振動が相まって眠くなってしまうというのです。さらに電車の中では脳自体が完全に眠ることはせずに活動を継続しています。心理学的には注意睡眠というそうで、外部の刺激に注意しながら眠っている状態をいいます。よく絶対に起きないといけない入試の前など目覚まし時計に敏感に反応し起きるのはいい例といえます。
脳が活動をしている睡眠なので、すぐに起きてフル回転することができます。そのため電車の中での睡眠は目覚めがよく気持ちいいと言われています。それに対して熟睡しているときに起こされるとむちゃくちゃ不機嫌になってしまうんですよね。
つまり、電車の中で熟睡してしまうのは睡眠不足な証拠だったのです。電車の中の時間を有効活用するためにも、早く寝ることが大切だと改めて思い知らされます。気をつけたいのですが、この記事を書いている今は午前2時。
明日も電車の中で爆睡決定です・・・
【参考】R25 No.225
たった15分の早起きが夢をかなえる 頭のいい朝の習慣術 (2008/08/21) 箱田 忠昭 |
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