あしたまにあーな

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あしたまにあーな > 長谷川博己


八重の桜 第49回「再び戦を学ばず」

2013年12月 09日 By: rainbow Category: 2013年_八重の桜 No Comments →

残すところあと2回となった今回のお話は、再び会津の皆様の登場により盛り上がりを見せます。まず覚馬のもとにやって来たのは山川健次郎でした。浩が尚之助が記した会津戦記をなんとかして仕上げなくてはならないということで、京都での出来事を覚馬から色々と聞こうと思ってやって来たのですが、実際には覚馬が薩長の人々の肩を持つような発言をしたことによって、激しく罵ります。

この時の覚馬は本当に正論で、戦というものはどちらか一方だけが正しいのではなく、敵も味方もそれぞれ自分たちは正しいことをしているという思いがあり、幸せな未来を作るために頑張っている多面性があるということを示しています。しかし、後に覚馬はそれでも戦争が始まってしまいそうな状況に自分が学問を通して戦をなくすという思いが無駄になったのかと嘆くのでした。

この覚馬の思いは、本当に現代においても言えることで、人々が学び賢くなることによって戦争をなくすことができているかというと必ずしもそうではありません。エゴイズムやイデオロギーが渦巻く中で、人々の心の奥底には、戦への思いが眠っているのかもしれません。それを知によって自制する力が、今の時代にも求められているのではないでしょうか。そんなことを考えさせられる場面となりました。

覚馬の最期は、新島襄よりもあっさりしていたのがなんだか残念でなりません。最後の方はなんとなく早足になって物語が進んでいるように見えるのですが、この辺りこそ八重が生き抜いた時代の結末なのですから、もう少し時間を割いても良かったのではないかと思います。

さて、次回は最終回。日清戦争に赤十字のメンバーとして看護に当たることになる八重。そして、今回容保が出した会津が逆賊ではないことを示す孝明天皇の書の行方、など最後の最後でどのように結末を迎えるのか、楽しみにしたいと思います。

◆八重の桜紀行◆
京都府京都市
 - 山本覚馬之墓

八重の桜 第35回「襄のプロポーズ」

2013年9月 01日 By: rainbow Category: 2013年_八重の桜 No Comments →

今回は、時尾さんがやってきたことがきっかけで、懐かしい会津の皆様が登場してちょっとほっとする時間が流れました。容保を筆頭に佐川、山川と家老が登場し、改めて中村獅童の佐川官兵衛は迫力があって演技が上手いなと感じてしまいます。本当は藤田五郎と時尾さんの結婚式であったのですが、新郎よりも存在感を出すというのはすごいことだと思います。このように、家老でも無かった人の結婚式に立ちあう容保を見ていると、会津を全力で守った人々への報いを相当考えていることがわかります。

メインは新島襄のプロポーズシーンなのですが、自分の中ではその前にあった尚之助の死のことが頭から離れませんでした。斗南での罪をかぶってひたすらに藩のため、会津のため、八重のために生きてきた彼にとって、最後は会津戦記を書き残すこと。病院から抜け出し書斎で最後まで自分がいきた時代を残そうと懸命に筆をとります。この姿に思わずグッと来るものがありました。そかも、それは未完成。籠城の場面で事切れていたといいます。彼にとって、人生は満足いくもののだったのでしょうか。

最後はやはり、新島襄と八重でしょう。新島は三郎が亡くなった場所へ八重を連れて行き、過去と向き合うことが大切だといいます。これは完全に賭であったことでしょう。はじめは八重は抵抗を示しつつも、新島のひたむきな心と思ったことを述べる誠実さで関係は好転。結果として結婚することになります。尚之助のことは忘れずに認めてもらえるように努力するという言葉が八重の心を開いたのでしょう。

問題は、どうやって同志社をつくっていくのかということ。これから京都という寺社が多い中でどのように周囲を認めさせていくのか、楽しみにしたいと思います。

◆八重の桜紀行◆
兵庫県豊岡市
 - 川崎尚之助供養の碑

八重の桜 第34回「帰って来た男」

2013年8月 25日 By: rainbow Category: 2013年_八重の桜 No Comments →

これまで別々の道を歩んできた新島襄と八重が今回とうとう出会います。この出会いから結婚までの流れがどのようになって行くのかが注目ポイントでした。かつての大河ドラマで出てきた江において、長女の茶々に秀吉が求婚するシーンでは実に数回にわたり描かれていましたが、今後のパートナーとなる重要な人物なので描写は同じく複数回にわたるのではないかと見ています。

アメリカ留学から帰って来た新島襄は早速木戸を訪問し、そこで京都に頼れる人がいるというアドバイスを受けて京都に渡ります。その人物とは覚馬でありその妹である八重と出会うのは時間の問題でした。と考えている間にバッタリと2人は目を合わせファーストコンタクト。ちょっと展開が早すぎます。その後は覚馬を通じて様々な接触があり、最終的には新島襄が学校を建てることに不安を感じていた歳に、八重が英語の歌で励ますというこれ以上ない最高の女性を演じます。ここまでされると新島としては八重を妻として迎えたくなるでしょう。予想通り次回にその結末は持ち越しになりましたが、もはや時間の問題と感じました。

それにしても、偶然とは本当に恐ろしいもので、新島襄に対するフラグは既に佐久間象山の塾の時にたてられていたのです。その塾には若かりし頃の尚之助、覚馬の他に、西郷もいたりして何とも豪華な顔ぶれ。そこで豚を描きながらも西洋の魅力を肌で感じていたのです。そのことがその後の新島の人生を変えていった、そんな出発点に覚馬たちは立ち会っていたのです。その縁を感じた覚馬は旧薩摩藩邸があった場所を新島に譲ることとなります。

今回は、会津のみなさんが多く登場し、賑やかな雰囲気となりました。アメリカ留学から帰って来た山川健次郎を始め、山川浩、佐川官兵衛など懐かしい面々が山川家に集まります。山川健次郎はその後3つの帝国大学の総長を務めるほどの人物になり、大きく成長していくことになります。このあたり明治の世の中の可能性の広さを感じることができます。志を強く持って努力すれば、大きな事もなしえる。

さて、次回は完全に新島襄のプロポーズ大会になりそうです。結末は分かっているのですが次回で完結させるのか、持ち越すのか、色々と楽しみです。

◆八重の桜紀行◆
北海道函館市
 - 新島襄ブロンズ像