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今ワーク・ライフ・バランスが言われ始めた理由

2008年12月 06日 By: rainbow Category: ビジネス No Comments →

仕事と家庭を両立するという非常にシンプルな考え方なのですが、なかなかそれができない状況にあります。簡単であればみなさん実施しているのに、それができないのはなぜなのでしょうか。ワーク・ライフ・バランスと呼ばれる考え方は最近話題になることが多いキーワードですが、多くの書籍や雑誌、セミナーではどのように両立させるのかといったノウハウが紹介されています。

本日、川崎市男女共同参画センター主催の東京大学大学院経済学研究科教授の神野直彦先生によるセミナーに参加してきましたが、神野先生はノウハウと言うよりはなぜそのようなことを考えなければならなくなってしまったのかといった背景を中心とした講演でした。

■スウェーデンに学ぶオムソーリ
スウェーデンでは「ラーゴム」つまり「ほどよい」という価値を重視しています。しかも社会サービスを「オムソーリ」というのですが、それは「悲しみの分かち合い」という意味だそうです。そのようなスウェーデンで「悲しみ」とは高い税金のことをいいます。みんなが高い税金を支払うことによって、高い社会保障サービスを受けることができるのです。日本は、税金は徐々に高くなろうとしているのですが、その徴収方法や使い道についてスウェーデンに学ぶ点は多いのです。

■ストレスからわがままへ
最近日本では、働き過ぎによる仕事のストレスをかかえる人が多くなっています。仕事のしすぎによってストレスがたまり、その人が消費者にまわると今度はそこでストレスを発散しようとしてわがままになってしまうそうです。それが悪循環として思いやりに欠けた社会になりつつあると神野先生は危惧しています。

■日本とスウェーデンの差とは?
スウェーデンでは、社会サービスはお金を出すものではないという考え方が広く普及しています。日本でも医療保険では3割負担なのですが、スウェーデンでは、介護、医療、教育などほとんどの社会サービスが1割負担が普通だといいます。そこには所得比例による支払が確立されているそうです。

日本は、少々背景がスウェーデンとはことなる状況にあります。日本では、企業に勤める正社員(内部労働市場)には、社会保障の仕組みが既に含まれています。家族手当や住宅手当、年金も保険も企業で用意されていることが多いのです。そのため、国が個人に手厚い保障を行う必要がありませんでした。

しかし、近年では、パートなどの非正規社員(外部労働市場)が増加し続けたことによって、社会保障問題が問題となって明るみに出るようになったのです。非正規社員は守ってくれる企業もないので、国に頼るしかありません。その国も今までそのような政策を十分行う必要がなかったところからですから、資金があるはずもありません。使い方が分からないんですよね。

結果として、一生懸命働かなければならないような状況がここに生まれてしまったこtから、問題として表面化してしまった根本にあるのです。それゆえ、ワークライフバランスを実現するためには、社会保障を考えてくれる正社員になるか、国による保障を手厚くするように変えていくしか方法はなさそうです。

その社会基盤ができて初めて、人間的な豊かさや幸せを感じることができるのではないでしょうか。

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