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平清盛 第15回「嵐の中の一門」

2012年4月 15日 By: rainbow Category: 2012年_平清盛 No Comments →

前回から平氏一門はバラバラになっていました。確かに結果論的に言えば清盛が棟梁となってよかったのかもしれませんが、そのまっただ中にいる人々から見てみると本当に任せることができるのか不安だったと思います。清盛に任せると、天罰が下る可能性もありますし、平氏を正しい方向に導いていってくれるのか疑問のなかで、家盛のように生まれもしっかりとしていて、品行方正な若者のほうが安心感があるのも当然の考えといえます。

そんな拮抗した思いがうずまく平家のなかで、不幸が起こります。これまで跡継ぎの有力候補になっていた家盛が病で倒れてしまうのです。こうなってくると完全に神輿に矢を射た清盛の天罰が下ったと考えるのは自然でしょう。当然母親である宗子は家盛に触らず、ちょっと関係がよくなったかに見えたおじの忠正からも「代わりにお前が死ねばよかった」という衝撃的な罵声も飛び出す始末。

これで完全にふさぎ込んでしまった清盛に対して鳥羽院は高野山の宝塔再建という大役を授けます。なかなか気が進まない清盛をサポートしたのが、かつての義清である西行と高階道憲でした。この二人がくじけそうになっている清盛をもり立てて、高野山の宝塔再建は再開されます。久しぶりに登場した西行の周りにはやはり女性がたくさん寄ってきて大人気。このあたり、作者としてはキャラクターとしてそういうものだったと自分たちに伝えたいのでしょうか。この場面だけ本編とはあまり関係ないもので浮いていたように感じます。

その再建作戦に快く思っていないのが藤原摂関家。鳥羽院にあった帰りの忠盛に対して、家盛が平氏を乱しただけで犬死にだと状況を説明する藤原頼長。山本耕史の見るものを嫌悪感の嵐に誘い込むほどの悪役ぶりも素晴らしく、完全に摂関家のイメージは急降下中です。話をした後の忠盛のものすごい形相は忘れることができないほどで、この勢いのまま高野山再建をしている清盛のもとにいって、すぐにこんなことをやめるようにいいます。

本当にやめてほしいのであれば、書いている曼荼羅をバラバラにしてしまえばいいと思うのですが、散々息子を殴った後、清盛が心から家盛のことを思っていることを感じた忠盛は、血だらけにした息子の前で涙を浮かべます。感動の場面ですが、あくまで殴ったのは自分であることを忘れてはいけません。さらにやってきた宗子はこれまでさげすんでいた清盛に優しい言葉をかけます。この手のひら返しが素早すぎるのがなんだか違和感を感じたのは自分だけでしょうか。

何はともあれ、平氏はこれで結束が高まったとのこと。ひとまず安心です。次回は源氏や藤原摂関家がバラバラになって行きます。そのさなかで父親である忠盛もとうとう最期がやってきそうです。次回は中盤戦の一つの大きな転換期になると思いますので、心して視聴したいと思います。

◆清盛紀行◆
和歌山県高野町
 ?根本大塔
 ?奥の院
 ?弘法大師御廟
 ?金剛峯寺

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平清盛 第14回「家盛決起」

2012年4月 08日 By: rainbow Category: 2012年_平清盛 No Comments →

前回、弟から決別と共に今後は兄とは思わず家督を継ぐとまで言われてしまった清盛は、今回そのショックから立ち直ることができずに、最後まで落ち込んだ様子でした。家を継ぐことを宣言されたことよりも、小さい頃からずっと仲良しで、自分のことを兄上と慕ってもらった家盛が突然反旗を翻したことに対してショックを受けたのです。

事実、途中で平氏一門で集まった際に家盛に対して、もう自分は降りたとまで宣言したことからも、家督に関するこだわりはなく、ただただ弟のことを思っていたのだとわかります。

しかし、演出家は、家盛のことをあまりよく描きたくないようで、一門の繁栄のことを述べる家盛に対して、世の中がよくなるということを常に考える清盛の対比の場面では、かなり差が出たように思います。見る側から見ると、大きな視点で物事を見ることができる清盛と局所的な利益しか見ることができない家盛という図式ができあがってしまったのではないでしょうか。そう考えると、家盛はまるで悪役のような扱いになってしまったのが少し残念ではあります。

そんな家督争いに第三者が近づいてきて利用しようという動きはいつの時代でもつきもので、この平氏の家督争いに絡んできたのが藤原摂関家でした。中でも頼長の絡み具合は半端なく、男同士にも関わらず、家盛に近づいては寄り添っていく様子はなんだか軽いカルチャーショックを受けました。その誘いに乗ってしまう家盛も不慣れで用心が足りなかったとしかいえないでしょう。公の舞台での経験値があまりにも少なかったので、上のものに完全に飲まれた感じでした。

今回の内容の中で、家盛が終始頑張ってはなかなか報われず、利用され続ける悲しい状況の中で唯一盛り上がったのが義朝と清盛の絡みでしょう。久しぶりに登場した義朝は、今回かなり清盛とフレンドリーでした。二人で酒を交わしながら色々と言い合っている様子は、見ていてなんだか楽しくなります。ライバルでありながらもお互いのことを認めている二人というのは気持ちのいい関係です。なので、これからもこの二人の関係はいい意味で続いていってほしいと思います。

その二人が出会ったのが、武井咲演じるみすぼらしい身なりの娘でした。町の女にも関わらず、出演時間が半端なく多いので、絶対に今後何らかの形で大きな影響を及ぼすことになりそうな人であるとわかります。それがいい人なのか、そうでないのかは分かりませんが、実にわかりやすいフラグになったような気がします。

次回は、今回主役になった家盛が、ちょっとやばい状況に。これによって平氏がまた揺れに揺れる内容になりそうです。ここまで盛り上がっているのに視聴率が下がっているのは、やはり時代自体に興味が薄いからなのかもしれません。NHKもなんとかしようと、ホームページにこれまで見ていなかった人のために、わかりやすく内容をまとめた絵を掲載して必死に分かってもらおうとしています。これがどのくらい功を奏するのか分かりませんが、次回以降視聴率がどのようになっていくのか楽しみです。

◆家盛紀行◆
和歌山県本宮町
 ?熊野古道
 ?大斎原
 ?熊野本宮大社

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平清盛 第13回「祇園闘乱事件」

2012年4月 01日 By: rainbow Category: 2012年_平清盛 No Comments →

今回は清盛が起こした騒動である「祇園闘乱事件」一色となりました。ここまで題名と内容がぴったりと合うのも珍しいことではありますが、それ故終始一つの内容をしっかりと見ることができて満足できるものとなりました。

強訴を当然快く思っていない比叡山延暦寺の僧侶たちは、平氏の中で一番の弱みである兎丸を挑発することによって見事混乱を起こすことに成功します。絶対的なものを背中に背負っていることから、かの白河院も自分の意のままにすることができなかったと言われる僧侶たちですが、清盛たちもまた同じように苦労することになります。

きっかけは些細なことではありましたが、いずれ平氏の存続を揺るがすほどの大きな出来事となっていくのですが、ここでも存在感を見せつけたのが忠盛です。ここぞとばかりに検非違使に被疑となった人々を差し出し、さらに自分と清盛を連れて検非違使で蟄居する選択を即断します。

この中で、普通なら自暴自棄になってしまいそうになる清盛をうまく抑え、効果的な言葉を発します。それは舞子とのなれそめと清盛をなぜ自分の子供としたのかということ、さらに清盛が平氏や世の中にとってなくてはならない人物であることを語ります。この後の清盛はどう感じたのか分かりませんが、最後の場面で非常に効果的であったことがわかります。

平氏をつぶそうとする人は多く、この事件をきっかけにして藤原摂関家の頼長などは、いつものように事実をねちっこく調べ上げて、鳥羽院に直訴します。このいやらしさがあってこそ、困難な状況であることが強調されているのだと思います。そういう意味で頼長も物語の中になくてはならない存在だといえます。

鳥羽院はどのように判断したらいいのか完全に分からなくなってしまい、得子に自分がまだ白河院の亡霊から逃れられていないということを告白します。自分の体に流れる血が白河院を彷彿とさせるというのです。後から考えるとこの出来事や言動がフラグになっていたのだとわかりますが、このときはまだまだそんなことは分かりません。

迷い抜いた鳥羽院は蟄居している忠盛・清盛のいる検非違使に向かいます。そこでの出来事は本当に緊迫したすばらしい描写となりました。

「神輿に矢を放ったのは、わざとか、それとも手違いか?」

この究極の質問に対して、清盛は手にさいころをぎゅっと握りしめて、考え抜いた結果わざとだと述べます。忠盛も静かにそれを見つめています。このあたりの感情は分かりづらく、視聴者にゆだねられているあたりの演出ににくさを感じつつも、自分もまんまとそれに乗ってしまい「忠盛はどう思っているのだろう」と気になって仕方がありません。

さらに鳥羽院は、「ならそのときのように自分をいってみよ」と述べます。ここでも完全に試されている感がありますが、清盛は鳥羽院に弓をいるふりをすることを決断。鳥羽院は自分から白河院の血が吹き出ていると喜びます。

一歩間違えば、平氏そのものの運命が尽きてしまうばくち的な状況下で、見事正解を導いたのは、忠盛曰く「清盛はばくちがうまいな」という一言に尽きるのでしょう。このあたりの様々なフラグが一つの結論にしっかりと収束する美しさを感じずにはいられませんでした。

そういう意味で、今回の内容はしっかりと計算し尽くされた物語であり、用意された敷石を確実に通ることによって、平氏の運の良さを演出することに成功しているのです。次回は家盛が反乱を起こすようですが、なんとなくうまくいかないような気がします。

きっかけの描写もかなり薄いことから、次回でこの反乱も終わってしまうのではないかと予測しています。それがどうなるのか、楽しみにしたいと思います。

◆清盛紀行◆
京都府京都市
 ?祇園女御塚
 ?八坂神社
 ?舞殿
 ?本殿
 ?忠盛灯籠

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